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片想い  作者: 夜風
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教室の花

いつも話を聞いていた みんなの言葉を知っていた


君は知らないふりをして 実はすべてを知っていた



教室の窓際に ひっそりといた君が


永遠にそのままで 時間が止まるようで


誰も話しかけはしない 君も黙ったままだ



小さな緑の花瓶 邪魔にならない机


その中と狭い上で 君はひたすら咲いている


君はひたすら笑っている



知らないふりして知っている 僕等の拙い言葉


なんでどうして なんでどうして 君は黙ったまま


朝登校する僕等 昼は騒いでる僕等 夕方帰るよ僕等


君はすべてを見ていた 君はすべてを知っていた


日に日に君は項垂れて どんどん枯れてくだけで


それでも黙って聞いていた 命の時間を聞いていた




君の居場所 緑の花瓶 死ぬのが嫌だと言うのは人だけ


何にも言わず 咲いてるだけで


命が尽きるのを待つだけ


そんな君が好きだった



笑う君がいなくても この教室は変わらない


僕の目に映ってた 緑の花瓶がなくなった


最後まで見ていたよ 君の命を見ていたよ


僕等をずっと見ていた君を きっと僕以外の誰かも


緑の花瓶がなくなった 気付いてどこかで泣いてるよ


最後の君も綺麗だった 見ていてくれて ありがとう


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