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秋雨
秋雨の音で目が覚めた 午前六時の暗い部屋
ここに来たのはいつだっけ とても遠い過去に思える
ひんやりとした空気に思わず 布団を体に巻きつけて
寝起きの目を擦りながら 白い窓の外を眺めた
遠くの山は真っ白で 遠くの海も真っ白で
冷たい雨が秋を教える
騒々しい時代を終えて 私は今ここにいる
もう何年もここにいる そんな感覚に襲われて
それでもやはり すべての景色が
毎日新しく感じるのは何故だろう
当たり前のようにいた友達と 大好きだった君
みんな置いて出てきたからかな
秋雨は 寂しい思いを 語ってる




