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片想い  作者: 夜風
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せみ

七年も土の中でひたすら眠り続けて


木に這い上がってから鳴いたらもう一週間の命


必死に鳴くその姿 人々の耳に届く もうあの声を忘れることなんて出来ない


その中でも一番好きなヒグラシの鳴き声には


誰もが日の終わりを感じる



長い年月をかけて生きるために生きて


地に出たらいざ短い命


まるで彼らのように 必死に鳴き続けて もうその声を忘れることなんて出来ない


自分が正しいのか迷って苦しむ君の顔には


いつも近い未来を感じていたよ



蝉とは違う君でも 彼らと同じこと 命は等しいと教えてくれた


必死に生きる彼らと 私も君も 誰もが何も違わない命


好きなヒグラシだって 大好きな君だって


知らぬ間に消えてしまうよ



一つのことをやり遂げた 彼らの行く末には


きっと変わることのない死があるに違いない


それでも世界に存在を残していく彼らは


それでいいと それで間違ってないと 鳴き続けてる


君もそうだったから 毎年思う


君もまたどこかにいて 前と同じように必死に生きているんじゃないかって


夕暮れの公園で 今日もまた 終わりを告げるヒグラシが鳴く




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