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第一次・ガダルカナル島撤収部隊が到着す

 十隻の駆逐艦と五隻の警戒駆逐艦が岬に向かって音も無く接近して来る。

『日本海軍の救助艦隊』である。

駆逐艦が岬から少し離れた所に錨を下ろす。

各艦から数十艘のカッター(小舟)が下ろされる。

暫くして上陸網が下ろされ、水兵達が急いでカッターに乗り組む。

後に数十人の海軍陸戦隊の奇襲部隊兵が上陸網を降りてカッターに乗り込む。

力強くカッターを漕ぐ水兵達。

カッターは岬に向かって進んで来る。

静かに見守る岬の残兵達。

泣いている兵。

拳を固く握る兵。

唇を噛みしめる兵。

俯く兵。

座り込み合掌する兵。

『地獄の島からの撤収』

である。

 暫くして、断崖の下に無数のカッターが着岸する。

海軍陸戦隊の奇襲部隊の兵隊達が次々にカッターから飛び降りる。

岬の下から一斉に叫ぶ水兵と奇襲部隊の兵隊達。


 陸戦隊兵「お~い! 居るか~。皆んな集まってるか~! 迎えに来たぞ~!」


矢野周作(少佐)を先頭に、足早に岬を登る数十人の陸戦隊の兵隊達。

矢野が岬に立つ。

菊池と向き合い、挙手の敬礼をする矢野。


 矢野「奇襲隊の命を受けた海軍陸戦隊の矢野周作です。御苦労様でした。只今から攻撃を代わります。ごゆっくりお休み下さい」

 菊池「ご苦労。もう一度やるのか?」

 矢野「いえ、我々は島の残兵達を救う為に来た『捨石部隊』です」

 「ステイシ?」


菊池が驚く。


 矢野「岬には三日後の二月四日と七日に再度、撤収部隊が来ます。我々はその『かく乱部隊』です。このアト、大隊をもって飛行場に強襲をかけます。ガダルカナルの残兵達は大至急、この島を撤収して下さい」


菊池は矢野大隊長を見詰めている。

頭上を第二波のゼロ戦の編隊が飛行場に向かって飛んで行く。

菊池は上空のゼロ戦を見て、


 菊池「あのゼロ戦も俺達を援護に来たのか?」

 矢野「そうです!」


ガダルカナル(餓島)の残兵達が岬の下の砂浜に降り始める。

陸戦隊の矢野大隊の軍装と『ガ島の残兵の軍装』が対照的である。

野村(幽)は黙って木原に安全な降り口を指で示す。


 木原「中佐殿、こちらが安全です」

 菊池「よし! 全員その少尉の後に続け。足元に気を付けろ」

 残兵達「はい・・・」


残兵達は整然と順序良く木原の後に続く。

泣きながら進む残兵達。

断崖の下の砂浜では、カッターの水兵達が残兵達に手を差し伸べる。


 水兵達「ご苦労さまでした。良く頑張りました」


水兵達も泣いている。


 水兵A「足元に気を付けて下さい。焦らなくても良いでから。全員乗れます。全員連れて帰ります。そう、そう。ゆっくりと・・・」


順序良く、痩せた残兵達はカッターに乗り込んで行く。

残兵達を満載したカッターが次々と岸を離れて行く。

先行するカッターの中から残兵達の声が。


 『お~い! 先に行くぞー。気を付けて来いよ~』


水兵が叫ぶ。


 水兵B「残兵を降ろしたら直ぐにまた戻って来ます! 大丈夫です、安心して下さい」


幽霊兵達が『餓島の残兵』達を順序良くカッターに乗せて行く。

早坂や佐々木、野村、西村、他『数十基の幽霊兵達』が残兵達に指示をしている。


関元や福原達も手際よく残兵達をカッターに乗せて行く。

何艘ものカッターが水兵の力強いオール捌きで駆逐艦に向かう。


 矢野奇襲部隊が整然と飛行場に向かう

飛行場から聞こえる連射砲音と機銃音。

三機のゼロ戦が空中から滑走路に向けて爆弾を落として行く。

飛行場の方角から数本の煙りが上がる。

他のゼロ戦は空中を駆け巡り、20ミリ機関砲を米軍の兵舎に向けて撃って行く。

                              つづく

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