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エスペランサ岬(希望の岬)が見えた

 夜が明けてジャングルの隙間から『岬』が見えて来る。

佐々木(幽)が、


 佐々木「中佐。・・・あそこが『エスペランサ(希望)岬』です」


俯いていた菊池が顔を上げて、マブしそうに朝の岬を見る。


 菊池「おお、あれがエスペランサか・・・」


後ろの残兵達が菊池のその声を聞いて顔を上げる。


 残兵達「岬だッ! エスペランサ(希望)が見えたぞ」


残兵達がどよめく。

どよめきは瞬時に最後尾の兵隊まで伝わる。

残兵達の顔色が変わる。

一人の負傷兵が力の無い声で、


 負傷兵「バンザ~イ・・・万~歳。もう少しだ。・・・もう少しだ!」


次々に残兵達が叫ぶ。


 残兵達「戻れるぞ。・・・生きて帰れる。助かった。俺達は生きて帰れるんだ!」


涙を流すの残兵達。

残兵達の進む脚に力が入る。


 突然、上空に『ゼロ戦の編隊』が通過して行く。

四機編隊のゼロ戦はヘンダーソン(ルンガ)飛行場の方向に向かって飛んで行く。

上空を見上げてどよめく残兵達。

飛行場の方角から、機関砲の発射音が鳴り響く。

続いて第二波のゼロ戦が飛行場に波上攻撃をかける。

残兵達は涙して、


 残兵達「バンザーイ。頑張れ~。ヤッツケロ~! ぶッ潰せー!」


残兵達の群れで岬はどんどん膨れ上がって行く。


椰子の樹に原住民が二人、拘束されている。


先に到着していたボロボロの軍装の木原が、菊池に不動の姿勢で「挙手の敬礼」をして、


 木原「早坂中隊 木原猛夫 少尉です。ご苦労様でした! 船がもう直ぐ来ます」

 菊池「ハヤサカ中隊? 船がもう直ぐ来る? キサマ達は無電機を持っとるのか」

 木原「いえ。情報が入って来るのです」

 菊池「ジョウホウが?」

 木原「今、ここで中佐に説明しても信じてくれないでしょう」

 菊池「? 何だそれは?」


突然、関元が叫ぶ。


 関元「あッ! 木原少尉。来ました! 日本の船です」


岬に集まった全ての残兵達がどよめく。


 残兵達「来た? 来たーッ! 帰れる。来たぞ~ッ!」


残兵達がむせび泣いている。

                              つづく

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