6話 コード・ZERO
今回はかなり、すごい展開になっていると思います。
どこかの廃工場
そこには四人の男女が捕えられており、手足が縛られていた。
「ぅぅ……」
「……ここは…」
「何が……」
「どうやら……我々は捕えられたようですね……」
希空たちは目を覚ますと状況を理解した。
自分たちはホテルの部屋にいたときに、爆発し、謎の人物達に薬を嗅がされて、気を失ったことを徐々に思い出した。
「ようやく起き出したか?
死んじまったかと思ったぜ?」
全員がその声の先を見るとそこにいたのはライフル銃と長剣を抱えている軍服を着た謎の青年がいた。
「初めまして、俺は君たちを攫った《革命組織・ロゴス》の残党さ
お前らと共にいた結城天真を殺すために貴様らを利用させてもらうためにご足労願った。」
「ど……いうことよ……」
明星がキッとした睨みつけるような目つきで、その男達を見る。
そして、ニタニタした表情をして見ていた。
「あいつは、海外に存在している国防特別組織・ジ・アルケーの殺戮者。
コード・ZEROっていう化け物なんだよ
人間の皮を被った化け物なんだよ!
俺たちはそんな化け物を殺すヒーローってやつだ!!」
そう高らかに天真を殺すことを公言する男達に戦慄する未来以外の三人。
三人の知る結城天真という人間はどこまでも、悲しい人間なのだ。
人の温かみを知らないまるで、迷子のような人間。
しかし、優しさがあって、誰よりも人を思いやることができるそんな人なのだ。
彼らが言っていることが本当のことであったとしても、これだけは信じきっている。
結城天真は誰よりも優しいただの高校生
ということを………
それが故に希空達は怒りで我を忘れそうになる。そんな人を貶め、何よりも、真正面から戦う勇気がない奴らに貶されていることに……
だが、武器を持っている彼らに何を言っても無駄だということがわかっていた。
何か言えば、自分たちが殺される。
そして、もし、自分たちに何かあれば、優しい彼のことだ。自分を責め、そして、彼らを殺すだろう。
もし、彼らが、真正面から戦わないのではなく、戦えないのなら、天真の実力は彼らでも全く相手にならないレベルということになる。
今、自分たちができることを考える。
それは……
「(あいつらを刺激しないで、助けが来るのを待つだけだな……)」
龍馬はそう考える。
刺激しないでおけばいいのだが、もし、向かうが何かするのなら、その時、天真が何をするのかがわからない……
「さて、俺たちはあいつが来るまでの間、この嬢ちゃん達で遊ぶか?」
「「「「!!!!!!!?」」」」
まさかの男の言葉に四人は驚愕する。
もう勝っている気でいるのかわからないが、いきなり人質に手を出すなど考えもしなかった。
希空と明星は恐怖に支配されているのか、プルプルと震え出す。
その顔を見た男どもはゲス染みた笑みを浮かべている。それを見た龍馬は嫌悪した顔をする。
すると
ドカアアアアアアアアアアアアアン!!
突如、爆発音が廃墟から聞こえ始め、赤い液体のようなものがふり注ぐ。
仲間らしきものが真っ青とした顔をして、その液体の正体を震えた声で言った。
「こ、これ……血……?」
「なっ!!!?」
この場にいるもの達は驚愕する。血が降り注ぐなど、どんな怪奇現象だと
そして、その疑問に答えるものが現れた。
「どうだ?仲間の血の雨の感想は……?」
声のする方に顔を向けるとそこにいたのは………
「よう?ゲスども」
無表情で、血塗れ、血が滴る、日本刀を持った天真の姿があった。
………………………
………………
………
天真が向こうに着く前のこと……
「見つかったのか?」
天真がそう聞くとSPの人間達は強く頷いた。
天真は見つかるのは時間の問題だと考えていたが、ここまで早く見つかるとは想定外だったため、地図を出して、その場所の構造と、確認できた人数などを全て教えてもらった。
「なるほど……構成メンバーは600人程度、武器はマシンガン、ガトリングガン、ロケットランチャー、近接戦闘用の武器を持った奴らもいるのか……」
天真は外にいる奴らの武器と人数から、残党であることが確定し、対して脅威にはならないと判断したが、戦場では油断したものから負けるという基礎ができているため、近くのSPに声をかけた。
「俺がいうものを用意してくれ」
「はっ?」
男は何がなんだか、わからなかったが、リーダーと思われる男が頷き、了承を得たため、すぐに言われたものを持ってきた。
天真が頼んだものとは、日本刀が六本、サバイバルナイフ十本、閃光弾十発にピアノ線状のワイヤー、頑丈な素材でできた服を着込んだ。
今の天真の格好は、黒一色の服にロングコート、腰には六本の日本刀、両足にはサバイバルナイフを五本ずつつけていた。
「よし」
「それだけでいいのか?」
SPの一人が心配そうにそういうが、天真は全く気にしていないのか、言った
「この程度の相手には十分すぎるほどだ。」
そう話していると
「結城くん」
「?会長?」
天真が行動に移そうとする中、信幸がやってきて、電話を渡した。
「君への電話だ」
「?もしもし……」
『やあ、久しぶりだね……コード・ZERO』
「!!!!!!!!!?なんのようですか……?閣下」
天真が険しい表情で、電話の相手……閣下と言われた謎の人物に話しかけた。
『なぁに、君がいながら、白星家のご令嬢だけでなく、御神家のご令嬢すらも攫われたと聞いてね
鈍ったんじゃないかと心配してね』
「余計なお世話だ。それに今から助けに向かう。
邪魔をするなよ?お前如きが、この俺を止められると思っているなら、大間違いだ。」
天真が怒気を孕ませ、無表情ながらも邪魔をするなよという明確な牽制も入っていた。
『くくく、君がそこまでご執心とはね。
いいだろう好きにするといい。だが、失敗はするなよ?
我々の最高傑作の化け物よ』
そう言って電話を切る閣下なる人物。そして、天真は受話器を地面に落とすと足で叩き壊した。
「あの野郎が関わってくるとはな……俺はすぐにでも行く。
お前達は外の方で待機して、残党どもを逃すな」
「りょ、了解!!」
誰も今の天真には逆らえない。
逆らえば命がないと本能が理解してしまったのだろう。
そして、天真は全速力で、その場に着くと……
「確かにいるな……」
かなりの数の人間が守っているかのようにウロウロと移動していた。
「さて……これより、任務を開始する。
目的の四人回収を最優先とし、敵の命は考慮しないものとする。」
そう言って神速の動きで、一気に近づいていく。
そして、気配を消して、近くの敵の側に行くと
グキッ!!
「ぐはっ……」
首の骨を折って殺し、その死体を茂みに隠した。
そして、その男の衣服を奪い、重ねて着込む。
天真はそのまま移動していき、敵に接近する。
「おい、お前の持ち場はここじゃ─────!!?」
ザシュッッ!!
天真は持っていたサバイバルナイフで男を殺していく。
「標的の確認を実行、敵を補足した。
ここから、殲滅する。」
天真はそう言ってデザートイーグルを手にもつ。
本来、ライフルではない銃での遠距離攻撃は不可能だが……
コード・ZEROという人間には関係ない。
バンッ!!
拳銃でライフル並みの狙撃力を誇っている天真の銃弾は敵の一人の脳天を確実にヒットさせる。
そして、敵が動揺している隙を、彼は逃さない。
「死ね」
「なっ!!?」
「がはっ!!」
持っていた日本刀により、体を斬られ、一人は左手に持っている刀によって突き刺される。
敵は大人しくしているわけではなく、マシンガンでしていく。
「死ねやあああああああああああ!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドド!!!!
天真は咄嗟にその死体を盾にする。
そして、一気に接近する。
「甘いな」
天真がそういうとマシンガン男と突き刺していた男の体をワイヤーでぐるぐる巻きして拘束する。
男はどうにかして抜け出そうとするが、気がついてしまった。
ワイヤーの先端には手榴弾があったことに……
「あぁぁぁあああああああああああ!!!!?」
ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
男は死体諸共、木っ端微塵に吹っ飛ぶと、血の雨が降り注いだ。
天真はその血の雨で汚れた顔を袖で乱暴に拭き取り、地面に落としていった。
天真は日本刀二本を持ち、眼前の敵を見る。
左手に持っている日本刀を逆手に持つ。
「雑魚どもに構っている暇ない。邪魔するなよ」
天真は怒りの声を発しながらそういう。
「や、やれえええええええええええええええええ!!!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!
銃火器で一気に攻撃していく。
天真はその攻撃を、壁に隠れて、躱していく。
そして、一瞬の隙を狙って、接近し、攻撃する。
ザシュッ!!ザシュッ!!
一気に斬殺をすると、冷たい目をしていった。
「この程度の力でこの俺を殺せると思うなよ?
今の俺は気が立っているんだ。死ぬ気でこれないのなら、俺の目の前に来るんじゃねえよ」
天真がそういうと腰に刀を納める。
「御神天剣流・拳術
地轟剛拳」
「グハッ!!」
「グエッ!!」
「ぐあっ!!」
天真は中国拳法の動きからボクシングの拳や空手の強い踏み込みを行い攻撃していく。
その怒涛の攻撃に対処できない奴らはそのまま倒れていく。
天真は手榴弾を屋上に置くと
ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
手榴弾が爆発すると、天井に穴が空き、そこにいたのは、拘束されている友人達と下劣な目をして近づいている男の姿があった。
「おい………何をしようとしてやがる………クソ野郎ども……その汚え手でそいつらに触れようとしてんじゃねえよ」
冷酷な目をしていった。
そして、リーダー格の男はいった。
「こんな所にノコノコ来るとはな……!!」
「俺の知り合いに手を出したんだ。
生きて帰れると思うなよ?クソ野郎ども」
天真がそういうと刀を構える。
「死ねや!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
マシンガンと機関銃などで攻撃していく。
天真はその攻撃を全て、躱していき、手榴弾がついたワイヤーを投げる。
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
天真は天井から降りると天真は希空たちの縄を切り裂き、拘束を解いた。
「いいか、これでお前達は逃げられる。
俺が合図したら、逃げるんだ。
ここからは俺の仕事だからな
それに、俺の事情は後でお前達にも話す。」
天真はそういうと希空達は何も言えなかった。
いつも笑顔を見せていた天真とは違う、冷酷で、何もかも殺す存在としか見せなかった。
「雑魚如きには、どうでもいいことだ。
俺が全て片をつける」
「あっ……」
「お、おい……」
「だめですよ……今のあの人は……殺戮者……
止めることができないんです……」
そういって未来は悲しそうな顔をしていた。
そして、希空は悲しそうよりも、心配そうな顔をしていた。
「………(なんで、あんな悲しそうな、辛そうな顔をしているの……?
いやだよ……結城君のそんな顔……)」
希空は無意識のうちに手を伸ばす。しかし、未来に止められ、そのまま安全圏まで離れる。
天真はいなくなって安全だと判断すると刀を抜く。
「これより、ゼロ・セフィロト隊長、コード・ZEROによる殲滅活動する。」
天真は無表情で、鋭い目つきとなって、目の前の敵を見る。
目の前にいる天真は何よりも冷たい目つきをしてみて、希空達はそんな天真に恐怖した顔をしていた。
ゼロ・セフィロトの隊長としての顔を見せた天真。
これから一体どうなるのか!!
天真の実力はいかがでしたか?
今回はこんな感じですが、次回はもっと上となります。
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