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5話 再会と逆鱗

「……………」


 天真は休日に街を歩いていた。

いつもよりも周りの気配に敏感になっていた。


「(嫌な気配は感じないな……休日を狙って来ると思って、武器を持ってきたが……)」


 天真の体には昔使っていたデザートイーグル、改造に改造を重ねたPfeiferプファイファー Zeliskaツェリスカと呼ばれる拳銃を装備し、竹刀袋には木刀に偽造した刀を持っている。

 そして、向かっているのは………


「白星家……か……」


 天真が向かっているのは白星家のホテルである。

実は、こうなっているのには理由がある。


 それは昨日のことである。


昨日、希空が帰りに天真に話しかけてきたのだ。


「ねえ、結城くん」


「?なんだ?」


 希空は天真に声をかけ、声をかけた理由を話した。


「実はお父様と未来が私に結城くんを呼んで欲しいっていってきたんだ」


「!!!!?(もう、接近してきたか……!)」


 天真はそう呟く。

しかし、これは天真が待っていたことでもあったのだ。

 天真の軍人としての最後の任務があった。

それを達成するには、向こうからの接近が不可欠。それを考えていただけあってすぐにきたのは意外だったのだ。


「わかった。明日の昼頃に向かうよ」


「ごめんね。突然こんなことを言って」


 天真に謝罪する希空。天真は「別にいいよ」と希空に言った。

しかし、希空は申し訳なさそうな表情をする。

 そして、それを聞いていた明星と龍馬がいった。


「なっ、俺もきていいか?」


「私も!」


 二人がそういうと希空は美しい笑みを浮かべていった。


「いいですよ。どうせなら、一緒に遊びましょう?」


 希空がそういうと二人は大喜びした。

天真はそんな三人を見て、微笑ましそうな顔をする。

 だが……


ゾクッ!!!


「!!!!!!!!!!!?(殺気!!)」


 天真は教室の中から感じ取った殺気に驚愕する。

そして、この話を聞かれたことに舌打ちをした。


「(チッ、厄介なことになったな……


武器を用意して置かないとな……)」


 そう言って天真は明日の準備のために武器を用意することになった。


そして、現在天真は武器を用意して白星家に向かっていっていたのだ。

 天真の武器は全て金属探知されないように加工されているため、たとえ持っていたとしても大丈夫なのだ。


白星家近くに着くと


「おっ、来たのか天真」


「龍馬……もうついていたのか」


 白星家の前にはすでに龍馬がついており、龍馬はいつものニカっとした顔をして迎えてくれた。

そして、その背後から


「おっす、結城くん!」


音符が最後についているような呼び方をしていたのは御神明星だった。

龍馬がいるとはいえ、護衛の一人もいないことに驚いていた。


「お前、護衛はどうしたんだよ」


「送ってもらった後に帰ってもらったわ。黒川くんもいたしね」


「そういうことか。

なら、中に入ろう。白星を待たせるわけにはいかないし、俺も話さないといけない人がいるからな…………」


 今までにないほど真剣な顔をして天真がインターホンを押した。


ピンポーン


『はい、お嬢様のご学友でございますね』


 インターホンから聞こえて来るのは女性の声


「はい、白星希空さんからお呼ばれされた結城天真とその友達二人です。」


『ご確認できましたので、お入りください』


 そういうと門が開き、そのまま入っていった。


天真は歩いていくとそこにいたのは………


白星希空の専属メイドの白河未来であった。


「………?」


「お待ちしておりました。お嬢様がお待ちしております。」


 そう言って案内する

そして、未来は天真を執務室の前で止めると


「結城様はここにお入りください。社長達がお待ちしております。」


「わかりました。また後でな…」


「お、おう…」


「気をつけてね」


 そう言って二人は未来に連れて行かれていった。

そして、天真はノックして入っていった。


コンコン


「失礼します」


 天真はそのまま入っていくとそこにいたのは……


「久しぶりです。白星信幸さん」


「元気そうでよかった……コード・ZERO……」


「もう、その名前は捨てたようなものです。

私はジ・アルケーをほぼ離脱状態です。」


 そう言ってソファーに座る。

そして、対面するように、机を挟んだところに座る信幸


「そうか……記憶が蘇ったということは、息子の願いを叶えてくれたのかい?」


「はい……俺が軍人としてやり残したことです。」


 天真がそう答えると、信幸は聞く。


「それじゃ、答えてくれないか?


答えを……私たち白星家を狙う犯罪組織の壊滅をするか否かを……!!」


「はい、私はその壊滅に協力します。


あの人が残した娘を守ることが、私があの人にしてあげることができる唯一無二のことです。」


 天真がそういうと信幸の背後にいたSPの男が聞いた。


「いいのか?君はもう、軍から脱退しているというのに……」


「あの人が頼んできた最後の任務だ。それをやらなければ、俺は一生後悔しますからね」


 そういって天真は笑顔で答えた。


すると………


ドカアアアアアアアアアアアアアアアン!!!


 突如、爆発音が聞こえ始めた。

その爆発音はあまりにも近くであったため、この家が襲撃されたのだと気がつくのには時間が掛からなかった


「なんだこれは!!?」


「爆弾か!!」


 天真はすぐに会長の前に立つと竹刀袋に入れていた改造木刀を取り出した。


「………(気配は向こう……外に三人……中に五人か……


素人ではない……完全なプロ……夜への襲撃ではなく、昼を狙ったのは、俺がいるからか………?


いや、それだけではリスクが高い………まさか………!!?)」


 その可能性がよぎった時、天真は全速力で、走っていった。

奴らがもし、天真を普通の方法で倒すということを諦めた場合、奴らがするのは簡単だ


 人質をとって自分を倒すことを考えるだろう。

そして、その人質に一番適しているのは、学校で仲良くなり始めた三人だ。

 この時を待っていたのだろう、三人のみになるこの瞬間を、そして、自分がいない時を………


「クソが!!」


 天真は三人が案内された場所まで走っていく。


「白星!龍馬!御神!!」


 天真が入った部屋は荒らされた様子の部屋と誰一人としていない部屋だった。


そして、壁にはデカい文字でこう書かれていた。






      《()()()()()()()()()()()()()




 天真は拳を強く握りしめる。

昔……それは自分が軍人として世界と戦っていた時……

 その時、大規模な軍事攻撃を受けたことがある。

それを、当時、未完成だった《強化兵士計画》によって改造された天真が単独で滅ぼしたことがあるのだ。

 規模は5000人の一個団体、それを一人で殺したのだ。

その生き残りがいてもおかしくない。だがそれは、向こうの勝手な言い分なのだ。

それを民間人まで巻き込んだこの攻撃に怒りを通り越して殺意を沸いているレベルなのだ。


「ふざけるな……ふざけるなよ……!!」


 天真が生まれて初めて優しさと温もりを得た。

それを奪ったのは他でもない《敵》だ。


 ならば、彼がやることは決まっている。


「殺して殺して殺しまくってやる………あの人の最後の依頼を達成するためにも……」


 天真がそう呟くと、握りしめていた拳から血が出てきていた。

すると、異常を感知したSPたちが部屋の中に入ってきた。


「何があったんだ!!?」


「昔の因縁の奴らが白星達を拉致した」


「なっ!!?」


 この場にいるもの達が驚愕する中、天真は冷静にいった。


「今から、俺の指揮の元、敵を散策してくれ、敵の目的が俺への復讐なら、奴らも手を出していないはずだ」


「ガキが何いって────!!!!!?」


ゾワッッ!!!


 この場にあり得ないほどの膨大な殺気が放出された。



《動いたら死ぬ》


本能でそれが理解するほどまで、殺意のみがこの場を支配していたのだ。

その発生源が目の前にいる高校生だとはとても信じられなかったのと、エリートである自分たちが、ただの子供に恐怖していることがあり得なかった。

否定したいが、できない。そんな中で、一人の男が天真に声をかけた。


「少年、俺たちは何をすればいい」


「まずは、この短時間で、攫って監禁するには遠出は無理だ。


近くの廃工場跡地を散策、及び、見つかり次第俺に連絡してくれ。


過去の因縁に巻き込んだんだ。俺が片をつける」


 天真の今の姿を知るものたちは懐かしく思うだろう。

今の彼こそが、国防指定軍事組織ジ・アルケーが誇る改造兵士、《ゼロ・セフィロト》が誇る()()()()()()()


《コード・ZERO》なのだから


 そして、襲ってきた襲撃者達は逆鱗に触れた。

優しさを覚えてしまい、慈愛の心が芽生え始めていた彼のたからを土足で踏み躙り、襲ってきたのだから……


 白星家の人間達は知ることになる。

真の化け物という一人で、一つの部隊に匹敵する兵器である彼の実力と恐ろしさを……


「これより、白星希空、御神明星、黒川龍馬、白河未来を拉致した愚か者どもの処刑する。


もし仮に、傷一つでも見つけた場合、その場で蹂躙しろ……」


 そういってこの場にいる存在達に命令した。

復活したZEROは……何よりも恐ろしかった。


………………………………


……………………


………


街どこかの屋上


 ライフルのスコープで、その様子を見ていた謎の少女は頬を赤らめて熱を帯びた眼差しで、結城天真……コード・ZEROを見ていた。


「アァン……相変わらずのあの冷酷な目と他の追随を許さない絶対者


ZERO様は素晴らしいですわぁ……」


「おい、キモイぞ……リリス」


 リリスと呼ばれた女性は睨みつけるように腰に刀を携えた美女に言った。


「あなたはZERO様の直属の兵士としての自覚が足りないのですわ!!」


「何をいうか!!私ほど、ZERO様の安否をしているものなどいないぞ!!」


「そうやって可愛こぶって!!サタニアの馬鹿!!」


「うるさいこの、痴女の阿婆擦れ!!」


そうやって喧嘩していると


「飽きない……ね……」


 眠っていた青髪の少女が起き上がる


「あ、あら?す、スロウ……起きたの……?」


「……大喧嘩……いやでも起きる……」


 ジトっとした目をして二人を睨みつける。ダルそうな目なのに何故か目線を向けることができなかったのだ。


「でも、いい……ZERO様のご学友と雌を助けるみたい……


私たちもZERO様のお手伝い……する……


ZERO様の命と……ZERO様への攻撃のために色々としてくる奴らの掃除もついでにやる……


ゼロ・アイン様と大佐の懸念が当たんないといいけど……」


「そうですわね……」


 スロウの言葉にリリスも同意する。

サタニアもまた、同じような考えてしていたのか、何も言わなくてもわかるのだろう。


「…………それじゃあ、ゴミどもの掃除、行こう」


「「了解」」


 三人は屋上からおり、屋根傳を辿りながら、それぞれの任務先に向かっていった。























さて、これから戦闘シーンも入ります。

日常回とバトル回の両立は難しそうですが、頑張ります!

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