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3話 学園生活と裏の暗躍

 この学園には女神様がいる……

俺は女神という人物はあまり信用していない。


 だが、どうしてだろうが………あの子の見る目はどこか、昔の俺を彷彿とさせているのだ。

自分が何者なのかわからず、大佐と爺さんのために、同じ実験を受けた仲間たちと共に敵を殺して殺して殺しまくってきた。


 それが、どれだけこの国では悪と言われようとも、生きるために戦い続けてきたのだ。

だが、大佐が自分のためにここまでしてくれたのだ。

 故に、ここでは戦わない……


そして、今俺は……


「ねっね!結城くんは帰国子女なんだよね!」


「どうして、こっちに転校してきたの?」


「お前、どこの部活に所属するんだ!?」


「ちょっとみんなこれじゃあ、結城くんが話せないでしょ?」


 そう言って現れた美少女と言っていい少女がクラスメイトたちを止める。

そして、その少女は、名を名乗った。


「私は御神明星みかみあけほし。御神財閥の社長の娘よ?


それで、こっちが…」


「白星希空です……初めまして……ではないですね


元気そうでよかったです。」


 希空と呼ばれた美しい美少女はそう儚げな笑みを浮かべる

それを見た男連中は嫉妬に満ちた表情をして、天真を見ていた。

 天真は男の嫉妬に満ちたような殺意染みたものに、よくわからないような顔をしていた。

それを見た明星は呆れたような顔をしていた。


「貴方ってこういうのってわからないほどの鈍感なのね……?」


「何を言っているんだ……?」


 天真ははっきり言って、色恋には興味はなかった。

無いというよりも、それを認識する暇がなかったのだ。


 今まで殺して殺して殺しまくって、人の尊厳を奪いまくってきたのだ。

その結果、自分自身がここにいていいのかわからない時があるのだ。


「俺には縁のなかっただけの話さ……」


 天真がそう話すと希空はジッと見つめていた。

その顔はどこか心配そうな、闇を抱えている人を知っているかのような


 そんな、表情だった。


「…………」


そんな様子を一人の少年が見ていることに誰一人気が付いていなかった。


……………………………………


………………………


……………


転校初日は質問攻めや、授業の簡単さに驚愕しつつも、割と普通の学園生活を送っていた。


 そして、授業が終わると、そのまま帰り支度をする。

天真はそのまま下駄箱から靴を取り出し、履き替える。すると


「あら?結城くんじゃん!」


「結城さん……」


「白星さん、御神さん」


 天真に声をかけたのはクラスメイトの明星と希空の二人だった。


「もう、帰るの?」


「ああ」


「じゃあ一緒に帰る?」


「はっ?」


 明星の提案に驚愕する天真。

これには希空も驚愕する。そして、慌てたようにして、希空は明星に話しかけた。


「な、なんで、そんなことになるの?!」


「だって、まだ転校したばかりで慣れないようだからさ


こういうのって大切じゃない?」


 明星のいうことは理解できる。

天真はまだ、日本に来たばかりで、勝手がわからない。

学校に着いたのも、他の生徒たちがいたところを通っていたからだっていうのもある。


 しかし、天真にとってはあまり自分とは交流させたくないというのが、本音だった。

軍人として、傭兵として、戦い続けて来た自分は軍部にとっては《機密情報の塊》なのだ。

 強化兵士として鍛えられた自分は、いつ上層部によって消されるのかわからない。

なのに、この子たちとの交流で、幸せになってしまうという恐怖がある。


 たとえ、自分自身が関係なくても、関わっただけで消される


もしもその時があったら………


「(俺が守って見せる……関わってしまったら……もう、見て見ぬふりなんてできないんだからな……)」


 かつて失ってしまった、人間としての心が日本に来て、戻ってきたのだ。

軍人の時のように冷たく任務を遂行してきた頃よりも、少ししか経っていないが、この学園生活をしている時の方が遥かに楽しいのだ。


「楽しそうだね。」


「ああ、今まで、こんなことをしている暇すらなかった……


楽しいということすらも考えることができない濃厚な日々を向こうで送ってきた。」


 そう語る天真に明星と希空の目には寂しさと悲しさというよりも絶望の中と地獄を見てきたようなものが見てきたような「闇」を感じていた。

 その闇は人が安易に入ってはいけないような領域のようなものだと感じていたのだ。

それは今まで、《人》を見てきた彼女たちだからこそわかるものだった。

 特に、護衛や社長などのトップたちを守るような人たちの過去も相当なものを感じてしまうのだ。

彼の目にある闇は彼女たちですらも見たことないほどだと感じてしまうと同時に、仲良くなったばかりのクラスメイトの人間に話すとも思えなかったのだ。


「そっか」


「こっちでは楽しい思い出を作りましょう。結城さん」


「ああ、そうだな………そうなるといいな……」


 そう語る彼の目はどこか、期待しているような、諦めたような目をしていたのだった。

そんな横目を見る二人は、彼が幸せでいられることを祈っていた。


………………………


………………


………


某国・跡地


 ここでは男女数名が野営をしていた。


「そういや、コード・ZEROのやつが島国に移動したってマジなのかよ」


「ええ、記憶が蘇って、我が組織を抜けて、完全に一般人になったみたいよ?」


 そう話す黒髪の男と緑髪の女性。

すると、その話に入ってきたショートヘアーの美少女とツンツンヘアーの少年が話し出した


「隊長……私たちを忘れて幸せに暮らせるのかな……」


「知るかよ。あの野郎はもう、俺たちとは関わらねえところに行ったんだぜ?


もう知らねえよ」


 そう淡々と冷たい声で話す少年に白髪の青年が言った。


「それはわからない……」


「!!!!!!!!!!!!?」


全員が一斉にその青年を見る。


「俺たちから完全に離れたと思っているなら、奴は今まで生き残っていない。


上層部の中では、コード・ZEROを殺すことを計画している奴らもいる。


その任務を俺たちの手によってやる場合もある。」


「そうですよね……隊長を……私たちの手で………」


「俺たちは軍の所有物どうぐ


命令通りに遂行するだけだが、俺たちだけで取り決めをしよう」


「取り決めっすか?」


 白髪の青年がそういうと周りにいるものたちもまた、クエスチョンマークを頭の上に浮かばせる。


「俺たちが、もし現在のコード・ZEROを殺す任務を受ける際、全員で赴き、奴によって一人でもやられた場合、奴を殺す任務から外れる。


いいな」


 その青年の命令とも言える取り決めに全員が頷く。

しかし……その中で、別のことを考えるものがいた。


「(まあ、そんなのに、従う理由がねえけどな


俺はただあいつと真の殺し合いをしたいだけだ………


待ってろよ?コード・ZERO………!!)」


 こうして、天真が平和な学園生活をしている中、彼のかつての仲間が牙を剥こうとしていた。

これから一体どうなるのか!!




























今日はここまでです!

次回は普通の学園生活の方を書いていく予定ですので!

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