1話 元傭兵軍人と女神の出会い
天星開闢以外の初作品です
制服を着替えて外に出る少年。
その少年は同年代にしては大人っぽく、それでいて、怖い印象を持つような存在だった。
少年は……
《元・軍人の傭兵》
そんな彼がなぜ、平和な日本にいるのかというと、それは…数日前に遡る。
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…………
某軍事基地
「何?記憶が戻った?」
「はい……」
数日前、とある任務の際、頭に攻撃を喰らった際、記憶が蘇ったのだ。
そして、治療の際、ようやく落ち着き、今、軍の上層部の者たちに話しかけたのだ。
勿論、その際に殺されるかもしれないかもしれないという覚悟を持っていたが……
「………そうか……ようやく戻ったのか……
よかったよ」
軍の上層部の女性が安心したような表情をしてホッと胸を撫で下ろす。
彼は訳もわからないような顔をしていた。
殺されるかもしれない覚悟を持ってきたが、簡単に殺されるわけにはいかなかったため、武装はしていた。
しかし、そんなこと杞憂でもいうかのように声をかける。
「意外そうな顔をしているけど、これは死んだあの人からの頼み事だったのよ
もし、あなたの記憶が蘇ったら、故郷に戻してやってほしいってね」
「!!!!!!!!!!!!!!」
その言葉を聞いた少年は驚愕したような顔をする。
そして、涙を流した……「あの人は……」と小さく呟く。
「………ふ、お前は日本に戻れ…
我々のことは忘れて、幸せに生きろ……家族のことは我々が調査するから
お前はもう、軍事に関わらなくていいんだ……
《コード・ZERO》」
コード・ZEROと呼ばれた少年は敬礼したのち、自身の名前を言った。
自身が大切な親から貰った、大切な名前を………
「俺の名前は《結城天真》です。大佐」
「そうか……天真……」
大佐と呼ばれた女性は天真を抱きしめる。
天真はそのことに驚愕するが、すぐに抱きしめ返した。
「幸せに暮らすんだぞ……」
「ありがとうございます………」
そう言って二人は日本に帰るその時まで、まるで、家族かのような雰囲気がそこにはあったのだ。
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………
天真は歩いて学校に向かっていく。
今まで見たことのないほど、平和な雰囲気……
自分には眩しすぎるほどの圧倒的な幸福感
それを目の当たりにするたびに思ってしまう。今まで、他の国で人の命を踏み躙ってきた自分がここにいていいのかと……
冷たい心が支配していったのだ。
そのことを考えていくと思わず、足が止まってしまった。
自己嫌悪に陥っていると……
「あの……大丈夫ですか……?」
天真はその声を聞くと振り返る。
天真は思わず、息を呑んでしまった。
そこにいたのは美しいほどのブロンドの髪のロングヘアーに海のような碧眼、美しいほどの容姿と折れてしまいそうなほど細い女神のような少女がいた。
「同じ学校の生徒だよね?
大丈夫?なんかずっと、立ち止まっていたけど……?」
心配そうな顔をするその少女との出会いが、軍人として傭兵として戦い続けてきた一人の少年を癒すことになるとは……誰も知り得なかった。
いかがでしょうか?
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