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プロローグ

 夕方のグラウンド


 二人の少年(年齢はどちらも小学校低学年くらいであろう)がサッカーボールを蹴っている。

 一人は黒髪に天然パーマが入っている活発そうな雰囲気の少年、もう一人は少し長めの黒髪を左に流している大人しげな雰囲気を纏った少年だ。

 場所は住宅街の公園、その隣にある少し広めのグラウンド。

 昨今の公園には珍しく『ボール遊び禁止』といった類の看板がない、子供に自由に使ってもらえる今どき珍しい公園だ。


「翔真、おれやっぱり海外に引越しすることになりそうだ。」


活発そうな少年、が悲しげな表情で言う。


「やっぱりそうなんだ、、、。まぁ仕方がないよ。お父さんの仕事の都合なんでしょ?」


大人しげな雰囲気を纏った『翔真』と呼ばれる少年は笑顔で答えているが、表情は少し暗いように見える。


「うん、仕事の都合でイタリアに行かないといけないって言ってた。」


「イタリアってこの前、社会の授業で習ったヨーロッパにある国だよね。やっぱり遠いなぁ。もう傑くんとは会えなくなるのかな?」


「そんなことはないと思うけど、やっぱりしばらくは会えなくなるな。結構遠いところらしいし、、、。」


「そっか、、、。」


ヨーロッパの国 イタリア

日本との距離は約9700㎞あり、ヨーロッパでも屈指のサッカー先進国。

ワールドカップ出場回数18回、うち優勝回数4回と、国としての力もさることながら、セリエAという、スペインのリーガエスパニョーラ、イングランドのプレミアリーグ、ドイツのブンデスリーガといったヨーロッパ4大リーグのうちの一つを抱える紛れもないサッカーエリート国である。


「半年ぐらいだったけど、楽しかったよ。傑くんがサッカーを教えてくれたおかげでゲーム以外にも楽しいかことがあるって教えてもらえた!」


と言い、少年は足元にあったボールを対面にいる少年に蹴り出す。かなり勢いのあるパスであったがボールは正確に少年の右足捉え、パスを受けた少年もまるで右足に緩衝材でも入っているのではないかと疑いたくなるような足元にぴたりと止まるトラップで、ボールを足元に置く。


「翔真、、、。俺は向こうに行ってもサッカーを続ける!」


 と言い、今度はボールを収めていた少年が同じように先ほどパスを出した少年の左足に速さのある正確なパスを出し、パスを受けた少年はぴたりとボールを足元に置いた。

 これらのやり取りから二人の少年の足元の技術高さがかなり高いものであるとこがうかがえる。


「だからお前もサッカー続けろよな!男と男の約束だ!俺は最高のストライカーに、お前は最高のトップ下になって一緒に世界一になるんだ!」


世界一。子供ながらにそこに至ることの難しさは分かっているが、それでも


「うん。約束だ!二人でいつか世界一になろう!この約束は絶対に忘れない!」


 と『翔真』と呼ばれる少年、『神崎 翔真』は『風間 傑』と約束を交わした。


 


 


 


 


 

 

 










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