好きこそものの上手なれ!
「つぐみ、おきて~。」
かすかに聞こえた中性的な声で、わたしは起こされた。
「・・・んー。まだ7時だよ。もう少し寝たい・・・。」
わたしがそう答えると、彼が不満げそうに言った。
「せっかくのお休みにボクとデート行きたくないの?」
そういうわけではないが、わたしはまだ寝ていたい。昨日の夜、彼が寝させてくれなかったからである。わたしは、少しけだるそうに答えた。
「あと、1時間だけ寝させて・・・。」
「そっかー、つぐみはまだ寝ていたいんだね~。なら、ボク一人でオムライスたーべよっと!」
「えー!!!ずるい!!!私も食べる!」
わたしが勢いよくベッドから跳ね起きたら、彼がこちらを向いてニヤついていた。
「じゃあ、一緒に作ろ?」
わたしはなぜか、休みの日は決まってこの手段で起こされてしまう。オムライスが大好きで、寝ぼけているとはいえ毎度である。
「もので釣るのはよくないと思う・・・。」わたしがムスッとしながら答えると、洗面所から背中まであるふわっとしたベージュの長い髪をとかしながら彼が答える。
「ここまで単純だと、心配になるよ。」彼はこんな会話すら楽しそうにする。
彼の名前は「りつ」。高校の時に出会った同級生で、今はわたしの彼氏である。私が思うに、すれ違ったら振り返ってしまうほどの美人である。
「ねーねー。今日は春用の服を見に行きたいなー。」
彼はそういいながら伸びをし、女性なら誰もが羨むウエストを故意なく見せつけてくる。
そんな何気ない会話中に、わたしは「はっ!」と気づいてしまった。最近りつの作る料理のせいで、同僚と食べに行ったことで、おなか周りがかわいくないことになっていることを。このままではやばい・・・。そんなことを考えていると、
「つぐみー、オムライスできたよ。」
わたしがあれこれ考えているうちにりつが朝ご飯を作ってしまった。
男のりつよりわたしの方がぷにぷにでは示しがつかん!
「食べないの?冷めちゃうよ?」
そんなわたしを他所にりつはモグモグ食べ始めた。
「くっ!!!、ダイエットは明日からしよう!」
わたしはそんなことを一人で考えながら、今日という一日を始める。




