本気の目
「んんっ!」
「おい、明登!」
「ん・・・悪かったな。」
やっと池田君の唇が離れた。
ってか彼女って・・・
「佐藤さんと付き合ってるのか?」
池田くんが答えるよりさきにあたしが答えた。
「違う、違う!」
「んじゃあ・・・今の嘘なのか?」
「お・・」
かすれるような声―。
ドンッ
横山君が池田君の襟元をつかんで、水道の壁に押し付けた。
「ちょとお・・・」
なんだかこれ以上言えなかった。
横山君の目が本気だったから。
「お前なんでこんなことした」
「・・・・」
池田君わだまったまま。
あたしだって何も言えなかった。
「おい!答えろ!」
♪キーンコーンカーンコーン
そう叫んだ瞬間、鐘がなった。
2人はまだ睨み合っている。
「ねえ、2人ともとりあえず教室戻ろ?」
あたしの説得でやっと横山君が手を離した。
_
放課後まで、池田君と横山君わ一言も口を利かなかった。
あたしも横山君と話しずらくって・・・・
「あ~、もうやだ・・・」
「どーしたの?」
こういう時っていつも莉栖が相談に乗ってくれる。
助かるのわ、こういうときだけね。笑
「いや・・・いろいろあって・・・」
「へー・・・」
「え、なにも聞いてくれないの?」
「だって莉紗が最初に話さない時わ、話が長いって決まってるもん★」
「あ、当たってる・・・」
「んじゃ、ちょっと出かけてくるねー」
ガチャッ
あーあ・・・
莉栖までいなくなっちゃった・・・