恋する瞬間
*莉栖
―学校に着く前。
「いってきまーすっ」
あたしわ、莉砂を置いて一人で飛び出した。
「あーもう!準備早いんだからあ!」
莉砂の声がこんなところまで聞こえるっ
近所迷惑だっつーの!
ってか、寝坊したのどっちだよお・・っ
ドンッ
「いったあ・・・」
「あ、ごめんっ・・大丈夫?」
前がよく見えない・・・
視点があったとき、ようやくぶつかった相手の顔が見えた。
「あ、・・大丈夫です」
「ごめんね?怪我わない?」
イケメンの男子・・・
あたしと歳わあたしと同じくらいにみえるけど、うちの学校にこんな人いたっけ?
「こっちが余所見してたんで・・こちらこそ、すみませんでしたっ」
後ろをちらっと見ると莉砂がもうスピードで走ってくる。
「あの・・私急いでるんでっ」
立ち上がろうとした瞬間、顔の前に手が差し出された。
「立てる?」
「え///、あ・・すみませんっ」
あたし、今どんな顔してるんだろ・・・
なんかすっごく熱い///
手をつかむとぐっと引き寄せられた。
バランス取れてなかったら、絶対に倒れこんじゃってたって///
「すみませんでしたあっ///」
あたしわ、その場から逃げるように走り去った。
―転校生が紹介されたとき。
「あれ・・さっきの・・・」
さっきあたしと衝突したのわ、横山くんってゆーらしい。
なにこれえええっ!! 運命の出会い!?♡
でも、あたしの席の隣に着たのわ、すこしクールな池田君。
「よろしくねっ★」
「・・・」
ちょ・・、あたしのプリティスマイルを無視ッッ!?爆
―そのときあたしわ、横山くんに恋をしていた。
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*莉砂
さ~てとっ!一時間目わ、数学!!
んまあ、何でもいいけどさっ!苦手なものないし。
―それから約15分後。
あー、つまんない・・・これ1週間前に塾でやった問題・・・
「じゃあ、横山!この問題を解いてくれ」
「はーい。んと、答えわ20/9倍」
「正解だ」
なーんだ、結構やるじゃん。
...ってノート筆算だらけええええ!!!!!
まさか、当てられると思ってずっと計算してたんじゃ・・・
コトッ
ん?消しゴム?
あ、横山君のか・・・
座ったときに落ちたんだね。
あたしが拾おうとしたとき・・・
「あっ・・・」
「ごめん・・」
手がぶつかっちゃった///
「ごめんっ」
「ううん、大丈夫。」
なんか恥ずかしいっ///
顔赤くなってないかなあ?汗