表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

1-2 学園編 初老とエンカウント

前回の話に追記しました。

 占いを終えた後、馬車に揺られ街の中を走っていた。


 時間が経過するごとに、徐々に街並みが変化し建物の数が減っていき最後は街の外を走っていた。


 目的地に着くころには、真上にあった太陽が沈み始めていた。


 到着後、馬車を降りることを促され降りた後、一通の封筒を渡され私を一軒家に連れてきた大人と馬車は足早に去っていった。


 降ろされた場所には、木々が生い茂る一軒家がポツンとあった。


 普通の人間であれば、封筒をもってまっすぐ一軒家を訪ねるか、幼さ故に不安から泣き出すことが普通かと思う。


 だが残念ながら私はここまで、何もかもがされるがままで私の意志の介入していない行動だった。


 私の現時点で一番古い記憶が、学園に通うこととになった経緯を大人の人から説明されているところである。


 私が持ち合わせている記憶は半日あるかも怪しい状態で、名前も年齢も何もかも知らない状態で記憶真っ白な状態であった。


 ここまでで分かっていることは読むくことや、相手が何を話しているかは理解することができるだけの知識は持ち合わせていた。


 ただ言えることは、特に外的要因に興味はなく、とても無気力だった。


 無気力故、特に私から話をする必要はないことから一言も話していなかった。


 私は、この場所に連れてこられ誘導されなくなってから、全ての思考と言う思考を全て手放し、ただただ家の前で封筒を胸に抱きながら、ボーッと呼吸をただ繰り返すのみ。


 日が暮れ、闇が深くなり、夜行性の動物達が動き始め、そして日が昇り始めたころに家の中の者が痺れを切らしてようやく扉がゆっくりと開いた。



 扉からは、腰に剣をさしたガタイの良い初老の男性が出てきた。



「なぜ、入らない…」



 振絞るように、初老の男性は問いかける。



「なぜ、返事をしない…」



 やや苛立ちを抑えながら、初老の男性は問いかける。



「なぜ、そんなに訳の分からない事になっている!!!!」



 最後に、初老の男性は苛立ちには勝てず叫んでいた。



 叫び声に驚き、一部鳥が一斉に羽ばたいていく。


 私の状態は、森に棲む獣と言う獣が私を温める為に身を寄せるため集まっていた。


 集まった結果、森にある一軒家は多くの草食動物、肉食動物関係なく包囲される結果となった。



「早く、答えろ!!」



 初老の男性は、がなる。



「お前だ!!お前!!」



 初老の男性は、またしてもがなる。



「お前、私を馬鹿にしているのか?」



 初老の男性は、腰にある剣の束に手をかけ私達ににじり寄る。


 にじり寄ると同時に、私の側にいた二頭の熊が立ち上がる。



「貴様らではない!!下がらぬのなら切るぞ!!」



 熊は、私へ顔を向けるとアイコンタクトでこう言っているように感じた。


『やっちゃう?けんかごしでいらいらするんだけど』



 私は、とりあえず回答として首を横に振りつつモーションとアイコンタクトで返事を返す。


『どうやら、あなたにようはないみたいだれにようがあるんだろうね?』



 そうすると、二頭の熊は私の後方に移動した。



「よし、よし、それでいい!!お前だ!!お前!!返事するか、こっちに来い!!」



 初老の男性は、がなる。



 待ってましたとばかりに唸り声を上げながら、三十を超える狼の群れが前にでる。



「違う!!!!お前らでもない!!!!」



 初老の男性は、地団駄を踏む。



 リーダー格の狼が、私へ顔を向けアイコンタクトと吠える事で何か伝えてるように感じた。


『もういっせいにやっちゃう?まずそうだからたべないけどおもちゃにはなる』



 私は、とりあえず回答として首を横に振りつつモーションとアイコンタクトで返事を返す。


『どうやら、あなた達でもないみたい本当にだれにようがあるんだろうね?』



「わかった、そこのちっこい人間に聞いてるんだ…、お前だ…」



 初老の男性は、やり取りに疲れたのか語気が細くなっている。



 私は、覚えている限り初めて声をだして応答する。


「わ、私?」


「そうだ、お前だ」


「何か用?」


「何か用も何も、お前ここへ入寮するのだろ?その封筒に書類が入ってるはずだ」


「寮?一軒家でしょ?」


「ここは、お前と私だけだよ」


「とりあえず、周りにいる獣を返せ」


「別に、私が呼んだわけではないのに…」


 とりあえず、私は言われるがまま暖を取ってくれていた獣達にお礼の意を伝え帰ってもらった。



 だが、獣たちは帰らず近くに茂みからこちらの様子を伺っている。



 獣たちが私から離れたことを確認すると初老の男性が手をだし、封筒を渡した。


 封筒を開封し、中身を見た初老の男性はチラリとこちらを見ると一言、こういった。




「お前の実力を測らせててもらおうか」




 勢いよく獣たちが茂みから現れる。




「ええい!!!お前たちじゃない!!!散れ!!!」



 初老の男性は、肩で息をしながら叫ぶ。



「お前は、昨日から占いの結果【暗殺】を生業にする為のクラスに割り振られた。お前の現時点の実力を知りたい、そうだな私の膝をこの地に着かせてみよ」



 初老の男性は、私から10メートルほど離れると腰から剣を鞘にさした状態で抜き取り、剣を構えた。



 その姿を見た後、私は後ろに振り返り茂みに潜む獣たちを迎え入れる為に腕を振り下ろそうとした。



「ちょ、ちょっと待て!!待て!!待て!!お前がしないで他に頼るな」


「私、これしか知らない」


「やりようがあるだろう、殴るとか蹴るとか色々あるだろう」


「なぐる?ける?」



 私は、茂みに潜む獣たちを見る。


 熊は、こうやるんだよと言いたげに腕を振り上げ斜めに素早く振るう。


 狼は、嚙みちぎるモーションや走って翻弄するモーションでアピール。


 猿は、石をつか投げたり近くにいる猿目掛けて蹴りをいれる。



 私は、改めて初老の男性を見て問いかえる。


「あんな感じ?」


「ん…。あんな感じでも良いから始めるぞ、儂はこの場所から動かないからやってみよ」


「いつでもいいの?」


「ああ、いつでも構わん」



 返事を聞いた後、手ごろな石を掴むと初老の男性に向かって駆けだした。


 5メートの時点で、ステップを効かせて全力で顔面目掛けて石を投げた。


 石を避ける為、初老の男性は剣で弾く。


 剣で弾き終えたころには、投げた力を遠心力に三回転し股間を殴打した。




 御所望通り、初老の男性は口から泡を出しながら膝から崩れ落ちる結果となった。



【投石 必中】、【殴打 必中】を取得しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ