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71.クエストクリア、ツケの清算

痛覚設定ONにすると経験値が2倍になるぞ

by運営

 

 

 グルーパーたちは無事にフライト王国まで帰還する。

 

「何とか帰って来られたな」

 

 グルーパーは静かに生を喜ぶ。

 

「そういやグルーパー、その口のは?」

「大罪ジョブになってからずっとくっついてて……」

「まぁ衣装だしいいんだけどさ」

「いやこれ取れねえの」

「バグかな?」

「おそらく仕様」

「まぁ……どんまい」

「それにずっと空腹なんですよねメロカルさんなんか食い物ないです?」

「犬用のニボシならあるけど?」

「じゃあそれで」

「ほれ」

 

「いただきま……いただき……口枷邪魔や!」

「大罪ジョブだから一生空腹のままとか?」

「うわああああああ!」

「がんばれグルーパー」

「はい……」

 

 

 ****************

 

 

 それからなんやかんや『黄金のアアル』とアンバージャックから『紅紫のエリュシオン』を受け取り無事にサニーの儀式を終わらせることが出来た。

 

 七人はサニーといつも通りの日常に戻る予定だったがそれにはいくつかやり残したことがあった――。

 

 

「ここからはロスタイムだな」

 

 グルーパーは呟く。

 

 

 ****************

 

 

「これからグラトニープランツのところに行きます。探さないでください」

 

「お、グルーパーが正妻のところに行くってさ」

「モラセス茶化すなや」

 

「あ、じゃあ私たちも行きますね」

 

 にっこりと張り付いた笑顔のヨヨ及びグルーパーがお手つきした女性陣全員が集まる。

 

「別に良いけど? 死ぬぞ?」

 

「いや、ふつーに考えてください。バディじゃなくなった水蜜さんはもはや私たちと同格の存在、つまり今復縁したら8番目の女です。でもぜっっっっっっっっっっっっっっっっっっったい! 正妻の余裕をぶちかまして来ますからね! 牽制です!」

「水蜜はバディだぞ? 嫁じゃねえぞ?」

「はぁ? じゃあ私たち七人と水蜜さんって言ったらどっち取るんですか?」

「え、めんどくさ。どっちでもよくないか?」

 

「はぁ?」

 

「どっちも結局取るんだからさ」

 

「……そういうところ、嫌いじゃないですけどキメ顔で言うのは殴りたいので死んで下さい」

「そうするよ」

 

 

 

 グルーパーは笑いながら白い森へ向った。

 

 

 

 ****************

 

 道中はカット。

 

  

 ****************

 

 

「これがグラトニープランツ……」

 

 それは植物と呼ぶには大きすぎた。大きく、狂暴で好戦的でそれはまさに植物の要塞だった。

 

「これどうやったら水蜜に会えるんだろうな」

 

 巨大な植物がグルーパーを察知するとつぼみを近づける。

 

「あらグルーパーじゃない」

 

 つぼみが開くと水蜜が顔を出す。

 

「ずいぶん闇落ちして可愛くなったな」

「あらありがと」

「さて、これどうやったらバディに戻るんだ?」

「無理だよ」

「まじか……」

 

「それよりグルーパー。あなたがここに来たのは安易だと思うわよ」

「と思って後ろに七人くらい居るんだけど」

「そうね」

 

 水蜜は指をパチンと鳴らすとウツボカズラの葉のようなものが七人を飲み込んだ。

 

「え、まじ?」

「はい七名様栄養行き~」

「うっそでしょ?」

「気付いてないようだけどここに近づいた時点で弱体化のスキルを使っているよ。グルーパー以外にはね」

「……これ返品要求できますか?」

「無理」

「そっか……ほんとに?」

「無理……と言いたいけど代替品はあるわ」

 

 先ほどのウツボカズラからヨヨが出てくる。

 

「おお! ヨヨさん無事だったか!」

「それ私の一部よ。ヨヨという生き物のデータから再構築しただけ。だからグルーパー、あなたがどんな女の子に手を出そうが最終的に私なのよ?」

「病んでるよ! 大丈夫!? 樹木医呼んでくるわ!」

「逃げられると思っているの?」

 

 逃げようとするグルーパーの行く手に根っこが突き出す。

 

「おうふ……」

 

「これからはずーっとずーっとずーっとずーっとずーっとずーっとずーっとずーっと一緒だよ。サニーも助けたし。散々私を放置していたんだからいいよね?」

 

「おっと俺は一箇所にとどまれないたちでな」

「逃がさないよ!」

 

 木の根にグルーパーは身体を押さえ込まれ無理矢理木の幹に縛り付けられる。

 

「うふふふふふふ。一緒に居られて幸せだね。ここにはなんでもあるよ木の実も女の子も私だっている。ただ世界を見られないけどここで全てが完結しているんだからそれでいいでしょ?」

「困るなぁ……」

「困らない」

「はぁ……まぁ……ツケか」

 

 グルーパーはポケットから木の実を取り出す。

 

「あ、生命の果実だ。まだあったんだ」

「これが最後だ」

 

 グルーパーは口枷に手を掛ける。

 

「ふんんうううううううううううおおおおおおおおらああ!」

 

 力ずくで口枷を外す。顎ごと。

 

「え?」

 

「ウヴァ」

 

 そのまま喉に生命の果実をねじ込むと身体が再生を始める。

 

「何してるの?」

 

「よし完全回復」

 

 顎付きの口枷をを放るとグルーパーは立ち上がる。

 

「え? ええ?」

 

 地面諸共水蜜を引き抜くとグルーパーは歩き始める。

 

「顎ごと千切れるとは思わなかったけど、あと1丁度足りなかったんだ。お前を装備するのに必要な筋力」

 

「……うそでしょ」

「担いでどこまでも行ってやるさ。どうで他のメンバーも蘇生できるんだし」

「いやあれ再構築だから」

「哲学的ゾンビを語るほど俺は優秀じゃない」

 

「わかったわよ……私の負け、テイムするなりアイテムにするなり自由にしなさい!」

「オーケー!」

 

 

 

 後日、ヴォトカに聞いたところテイムしたエネミーは特殊な収納ボールに入れて軽々持ち込めることが判明した。

 

 

「あとはエルダー合衆国だけだな」

 

 


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