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17/72

16.HF

メロカル


職業 ショートストップ/スカウト

レベル20 


適性のない魔力を除いてバランスよいステ振りをしている。


スキル

体術  :移動速度上昇

連撃強化:連続で攻撃を当てると威力が上昇する

射撃強化:射撃攻撃時の威力上昇

急所強化:戦闘時中のみクリティカル確率アップ


Zzzzzzzzz

byメロカル

 

「はぁ、疲れた」

「どうして王女の寝室をリスポーン地点固定したんだ……」

「酒は人生を加速させるのですよ、メロカルさん」

「興味ねえ、しっかしあのクソ王子、ぶっ殺してえな」

「流石にこちらも三回目なので、報復といきましょう、城の内部構造は把握したし、今の私は王城に出入りでしても違和感のない人間になりましたし」

「伊達に王女たらし込んでいるだけあるな」

「うるせえモラセス、全く……所帯は持たない、君とは肉体関係のフレンズ、恋愛なんてさらさらないよ興味あるのは肉と穴だけと言い切ったんだがなぁ……まぁ、ゲームだしいいか」

「発想が徹頭徹尾クズなんだが」

「ハードロック、事実はよしておくれ、更に言うとこれからもっと酷くなる気がする」

「スキャンダル政治家……あっ」

「察したわ」

「おいおい、スキャンダル政治家はないぜヴォトカ、あと勝手に察するなシガレット」

「んで、これからどうするんだ?」

「どうするもなにも、王族殺しに行くんだが?」

「白昼堂々?」

「ええ、もちろん」

 メロカルの問いに対しグルーパーは平然と答えた。

「準備できているぜ」

「流石モラセス」

 そう言うとモラセスは試験管の液体をパシャパシャと鳴らしていた。

「それは?」

「蛍石と硫酸を混ぜたものですな」

 モラセスはにやりと笑いながら、説明した。

「へえー」

 理解できなかったのでメロカルはスカスカの脳みそで反応する。

「そんじゃま、レッツゴー」

 

 

 ~クズ共移動中~

 

 

「と言うわけでやってまいりましたお城に、今日だけで三回この門をくぐるのか、衛兵とすっかり顔なじみですわ」

 グルーパーは呆れながら言う。七匹はキョロキョロと金目の物を物色する目つきで城内を歩き回ると、第一王女ヨヨが出迎える。

「やぁ、三回目」

「三回目ですね」

 ヨヨは楽しそうに言った。

「王女、こちらはうちの者です顔だけでも覚えてください」

「ええ、こちらこそ、ようこそフライト王国へ」

 ヨヨは一瞥すると、現国王と女王の元へ案内した。

「(はいはい、私のスキルで思念会話出来るようにしておきました)」

「(コイツ、直接脳内にッ! サンキューヴォトカ)」

「(これ便利じゃねえか)」

 メロカルは感心する。

「(王女のおっぱいでっけえな)」

「(あのおっぱいすげえ柔らかいんだよなぁ)」

「(おい、モラセスとグルーパーの声がダダ漏れじゃねえか)」

「(思念で会話するんだから当たり前だよなぁ)」

「(シガレットの言うとおりですな、そもそもこれ動物会話用のスキルなので)」

「(俺はチンパンってことか)」

「(いわずもがな)」

「(知ってた)」

「(当たり前だよなぁ)」

「(草)」

「(脳みそもチンパンジーだって分かってますから)」

 六人はそれぞれ即答する。間髪入れずに全員が返答しているためか誰が何と言ったか特定するまではできなかった。

「(おまえらいつかぶっ殺す)」

「(さて、ぼちぼちつきましたが、どうやるかまでは詳細を省きます)」

「(ハハッ! お楽しみに!)」

「(やべえ、モラセスのハハッは今まで一度もいい目にあったことが事がねえ)」

 メロカルはため息をつきながら話す。

「(さて、そろそろ着きますよ)」

「オッケー」

「(このメロカルがボケエエエエエエ!)」

「どうかなさいました?」

「はっはっは、そこのチンパンジーは時々おかしなことをいうキジルシの……えっと、あれなのでご安心ください」

 グルーパーは即座にフォローを入れるが、時既に遅かった。

「え、ええ……」

 ヨヨは王のドン引きしながら病床に伏せる国王と女王へ謁見する。

 

「父上、母上、客人をお招きしました」

「おお、君たちがヨヨが言っていたゴホッゴホッ!」

 国王は咳をしながら会話する。長く白い髭を蓄えた如何にも国王と言わんばかりの男がベッドに寝ていた。その隣のベッドでは女王がぐったりとした表情で眠っていた。正確には眠るという朦朧としていると言った方がいいだろう。

「国王、差し障ります、私としてはこの謁見も反対です」

 フローレンスが真剣な面持ちで提案する。

「(ああああああああ、フローレンスさん忘れてた!! わーい、たーのしー!)」

「(oh…………どうするグルーパー?)」

「お体は大丈夫ですか?」

「ああ、フローレンスに見て貰えば直ぐに良くなる」

 国王はそう言うがフローレンスは渋い顔をしていた。その表情からグルーパーは状況を素早く察知した。

「そうですか、私が思っている以上に酷そうだ、せめて握手を」

 そう言うとグルーパーとモラセスはフローレンスと国王の間に入り、手を握りしめた。

「フローレンスさん、信じています」

「……はい」

「グルーパー、そろそろ国王に障ります」

 モラセスはそう言うとグルーパーの手を払い、国王の手をベッドに収めた。

「女王にも、握手を」

 フローレンスに背を向けるような立ち位置で女王の手を握る。数秒握手をすると再びモラセスがグルーパーの手を払い、女王の手を元に戻した。

「何と痛ましいことか……此度の僅かな時間、誠にありがとうございました」

 そう言うとグルーパーは部屋を後にした。

 

 

 そして翌朝、国王と女王は死去した。 


冷たい、花びら、夜におっとこれ以上はいけない

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