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15.後悔先に勃たず

ヴォトカ

職業 ライダー/テイマー

レベル25 

ステータスはテイム性能を上げるため運に極振り。


スキル

契約拡張Ⅲ:自身のレベル以下のエネミーをテイム可能

調教師Ⅱ :テイムしたエネミーのステータス/スキルを振り分けられる

騎乗Ⅲ  :騎乗時、移動速度を二倍にする

魔獣親和 :テイムしたエネミーに自分のステータス分を追加する

魔獣対話 :機械エネミー以外の中立・味方エネミーと対話可能


眠い。

byヴォトカ



 グルーパーは看板を首に下げられて正座させられていた。看板には「私はクソ野郎です」と書き殴られていた。

「さて、リオンをぶっ殺すにしたって、この状況じゃ、死んだ時点で王女が怪しまれる」

 メロカルは面倒だなと小声で加える。

「そうですね」

 ハードロックは頭を悩ませる。

「とりあえず、リオンを逆賊に仕立て上げて大義名分を作りゃあいいですな」

「モラセスの言う通り、変な罪をでっち上げて擦り付けちゃいましょ」

「じゃあ、グルーパー、なんか良い具合のないか?」

「そうですね、あ、国王と女王をぶっ殺すとかよさげですな」

「普通に物騒で草」

「丁度モラセスが毒物生成できますしおすし」

「また毒か」

「そういうなハードロック、汚い手段なんかこれから山ほど使っていく」

「まったくだグルーパー。例えば王女と爛れたりしてコネ作ったりな」

「うるせえぶっ殺すぞモラセス」

「おー、なんでござるかぁ?」

「やるかこのデコ助野郎」

「その辺にしておけ」

 シガレットがため息をつきながら二人を止める。

「ねえねえ、ちょっと気晴らしに飯でもどう?」

 ヴォトカは愛狼のロボを撫で繰り回しながら提案する。

「それもそうだな、飯にしよう」

 グルーパーはそう言うと外出の準備を始めた。

 

 

 城下町の昼過ぎは相も変わらず賑やかなものだった。グルーパーたちは適当なダイニングに入るとそれぞれ思い思いのメニューを注文し餌が運ばれてくるのを待った。餌が届くと七匹は貪るように飯を腹の中に押し込み始める。もはや食事というより、補給である。

 最低限度文化的なマナーを形式ばかり守りつつ飯をかき込むと直ぐに金を払って外に出た。

 欠伸をしながら、シガレットとグルーパーの一服を待ちながら五人は駄弁っている。いつもの光景である。

 あとは帰路に立つのみだったが、事件はそこで起こった。

 

「おやおや、昨日の晩餐会で大恥をかいたグルーパーではないか」

 華美な馬にそれまたくどいほど華美な宝飾を付けた男、第一王子リオンが意気揚々と七人の元へ歩み寄る。

 馬上からは哀れみの表情でグルーパーを見下していた。

「これはリオン様、よい天気ですね」

「挨拶など良い、さてグルーパー、少し余興だ。この毒を飲め」

 リオンはいきなりグルーパーに無理難題を吹っ掛ける。

「毒ですか……何故でしょうか?」

「ふん、余興と言っておるだろう」

 六人が咄嗟に武器を手に掛けるがグルーパーが手を出して制する。

「流石に王族とは言え、無辜の民を手に掛けるのは罪になりませんでしょうか?」

「痴れ者め、王である我にしてならぬことなどありはしない」

 話が通じる相手ではない。もちろんこの国ならリオンの言っていることは間違っていない。

「……左様ですか、化けて出ても知りませんよ」

「ええ、早くしろ!」

 リオンの言葉をよそ目に、所持しているアイテム類を六人に渡し始める。

「なぁ、本当に毒を飲むのか?」

 ハードロックは心配そうに聞く。

「大丈夫だ、俺はスキルで毒耐性がある、死にはしない」

「とは言ってもグルーパー、一応これを」

 モラセスは小瓶を渡す。

「解毒剤か」

「直ぐに飲めば最小限のダメージで済む」

「サンキューモラセス」

 グルーパーは振り返ると、リオンが差し出している小瓶を受け取ると一気に飲み干す。

「ふはははは、死に向う気分はどうだ?」

「ええ、まぁ、存外悪いものではないですね」

 そう言いながらグルーパーは小瓶をすり替えて解毒剤に持替える。

「残りもいってしまいましょう」

 そう言い放ってから解毒剤を飲み干す。

「ふむ、もっと恐怖に怯える顔が見れると思ったがそうでもないか、つまらぬ、帰るとする」

 そう言うとリオンは馬を翻した。

 

 七人は中指を立ててお見送りをすると、ため息をついた。

「ふう、なんとか凌げましたね」

 グルーパーは安堵の息を漏らす。

「すまない、グルーパー」

「どうし……グハッ」

「解毒剤と新作の猛毒を間違えた。たぶん毒耐性を超えると思う」

「おいモラセス後で覚えて――」

 グルーパー、絶命。と言っても宿でリスポーンできるためむしろ歩く手間が省けたようなものである。

 目を開けると、見知らなくはない天井、質感の良い布団。

 グルーパーは目を丸くして狼狽えた。

 

「こんにちは」

「え、ああ、どうも」

 隣には今朝死にかけの蛙のようにピクピク痙攣しながら白目を剥いていた第一王女ヨヨがいた。

「またシに来たんですか?」

「ええ、まぁ、そんなところです」

「お互い溜まっていますからね」

「え、ええ……念のため言っておきますが、私は所帯を持つつもりは無いです。そして女遊びは辞めない。あくまで肉体関係のみです」

 こう言えば流石に冷めてくれるだろうとグルーパーは高をくくっていた。

「ええ、それで結構です、貴方は気持ちよくなりたい、私も気持ちよくなりたい、相互利益です」

「お、おう、せやな」

 ここで行為を断ればそれこそ第一王女ヨヨのプライドを傷つけることになる。グルーパーは後に引くことが出来なかった。

「さぁ、午後も楽しみましょう」

 

「どうしてリスポーン地点をここで固定したんだろ……」

安易に下ネタに頼るのはどうかと思う。ちんちん(熱いの意)。

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― 新着の感想 ―
[一言] ナンバリングが15話なのに13になってますよ
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