14.締まる王女と締まらない話
モラセス
職業ポイズナー/アルケミスト
レベル24
メインは敏捷と体力、筋力は風味付け程度に取得している
スキル
劇毒攻撃強化Ⅱ:毒属性攻撃が上昇
毒無効 :毒状態を無効化する
毒物生成 :簡単な構造の毒物を生成できる
薬物生成 :回復/強化アイテムを作成できる
劇物生成 :腐食液を生成できる
まぁ、彼氏持ち、旦那持ちに手を出さなきゃあとは良いんじゃねえか?
ただし、NTR関連は全て殺す、全て燃やす。
byモラセス
「大丈夫だったか?」
グルーパーはあらゆることを色々な意味で終える頃には、太陽は高くなっていた。
「え、何が?」
「お前一晩中戻ってこねえから心配したんだ」
「ああ、うん、バレット、色々ありがとう」
「それで結果は?」
「第一王女とは太いパイプで繋がった」
「いいね、危ねえことしただけあるな」
「ああ、それでその繋がったパイプなんだが、パイプカットされるかもな」
「なんでだよ」
「スーッ、色々、な?」
「お、おう」
「じゃあ、城も出たし、ハメでも……気楽にどっかいきますか」
「いや、先に拠点に戻るぞ」
「……そだね」
グルーパーとバレットは、拠点である城下町の宿に戻ると、クソ野郎共が昼過ぎというのにいびきをかいて雑魚寝していた。
「うわ、ひでえ、養豚場かよ」
「家畜の方が清潔」
二人は呆れながら床に転がった酒瓶と食料品を包んでいた包装紙を片付け始める。
物音がたち始めるとぞろぞろと起き始めて、二度寝する。
「おう、起きたら手伝えや」
「寝てるわ」
メロカルが堂々いいやがる。
「ファー、キレそー」
「グルーパー、もうちょい寝る」
「はいはい」
一通りの片付けを終え、テーブルを綺麗に拭くとゴミを店員に渡し処理した。
それから昏睡してるレベルのモラセスと、ヴォトカを叩き起こすと、ブリーフィングを始める。
「おはようございます。晩餐会の報告をします」
バレットが咳払いをして空気を変える。
「結果から言うと、俺が負傷、怪我の功名で一晩お泊まりというわけですな、あ、傷は回復薬で治っているのお気になさらず」
「なぁにやってんだよ」
シガレットは呆れながら呟く。
「いや、あれは俺が悪いんだ、落とし物と思って第一王子リオンの手袋を拾ったばっかりに……」
「バレット、気にするな。まぁ、そういう感じであのクソイキリファッキンゴミカス第一うんこリオンに手を上げることも出来ずボコられて醜態を晒してきましたよ」
「草、雑魚じゃん」
メロカルは空っぽの脳みそで言う。もちろん何も考えていない。
「んで、療養のため城にお泊まり、俺は第一王女ヨヨと接触を試みた結果、向こうも我々に入り用だったので相互利害一致で事を進めることが出来ました」
「それでどうだったんだ?」
モラセスは試験管に薬品を垂らしながら聞く。
「結果から言うと『月白のマグメル』は第一王女ヨヨが持っている。そして月白のマグメルの能力はNPCの記憶を捏造する」
「チートアイテムスギィ! はークソ、辞めたらこのクエスト」
「落ち着けシガレット」
「はよ続き、はよ」
モラセスは話を戻す。
「月白のモラセスをくれないかと頼んだところOKだけど、その代わり王女が王位継承できることが条件になったわ。そのために第一王子リオンをぶっ殺すのが約束ですな。夜通し話などをすり合わせたので大丈夫かと」
「いつからモラセスがアイテムになったんや」
「おっとこれは失礼、メロカルさん」
「んじゃあ、いよいよもってリオン狩りか」
「モラセスの言うとおりだな」
「ところで月白のマグメルでリオンの記憶を改竄すればよくね?」
「第一王女ヨヨも試みたのですが、取り巻きの記憶とリオンの記憶が深く結びついて効果が直ぐに消えてしまうそうです」
「やっぱそううまくいかねえか、ちなみにマグメルのリキャストは?」
「あー、ちょっと待ってください」
グルーパーはポップ画面を操作し、アイテム一覧を確認する。
「えっと、あったあった、リキャストは一日ですね」
「うーん使いにくい」
「そう甘く無いと言うことですね、実際第一王女も何年も掛けて自分が第一王女であることをすり込ませたそうです」
「じゃあ、第一王女は正当後継者ではないのか?」
ハードロックが二日酔いなのか気怠そうに聞く。
「彼女は狐獣人だ、頭飾りで隠しているそうだ」
「ばれても記憶を消せしゃあいい」
モラセスは悪いことを息を吸うように思いつく。
「そういうことだな、獣人人権問題といい、こりゃ政府が潰れるのも秒読みですな」
「あ、グルーパー!」
「どうしたバレット?」
「クエストのところなんだが、儀式のところがアンロックされている。儀式、七人の巫女によるアイテムの返還、月白のマグメルは第一王女ヨヨが必要みたいだ」
「こりゃあいい、これでリオンだったら玉ぶっこ抜いて脅迫してたな」
「リアル玉ヒュン」
モラセスは自分で言って自分で笑う。
「やめーや」
ハードロックが突っ込む。
「ナイス突っ込み! 突っ込み……」
その言葉を聞き逃すこと無く、悪魔と鬼畜のハーフであるモラセスが爽やかな笑みをこぼす。
「おやおや、そう言えば夜通し話していたとか……ひょっとしてベッドでボディーランゲージとかかな?」
「………………」
「おい、グルーパー?」
バレットは顔を曇らせる。
「おいおいおいおい!」
ハードロックが胃を抑え始める。
「第一王女ヨヨは今頃、ベッドの上で寝ているぜ」
丁度その頃、ヨヨはグルーパーに弱点を突かれ過ぎてベッドで失神していた。
「クリティカル性能アップってスゴいね!」
「「「「おいこの馬鹿野郎おおおおおおおおお!」」」」
タイトル変わりました。
また変わるかも