第一章終了時登場人物+その他
・主な登場人物
アズリエナ(主人公) 年齢14
傭兵として害獣討伐でキメラに遭遇、貴族を守るため殿を務めることとなり瀕死の重傷を負い森の中で意識を失う。
傭兵と言っても実質は奴隷のようなもので、まともな食事などは与えられていなかった。
両親は物心ついたときには居ないうえ、名前を持っていなかったためイコープラと呼ばれていた。
獣人の中でも極めて人に近い容姿をしており違いと言えば狼の耳に尻尾があるくらい。
体力や自己治癒力も高く、傭兵用に配布された両手剣を使用して己が身を守ってきた。
狼の獣人であるため音や匂いには非常に敏感。
性格は奴隷であったことを疑うぐらい明るく、そして落ち着きや慎重さも兼ね備えている。後者に関してはそうでなければ生き残れなかったという面が強いが。
文字は読めなかったが、シアから教えてもらい、知識は同族に接した時にスポンジの如く吸収しているため、今では簡単なモノであれば読めなくはないし知識だけ見れば博識と言ってもいい。
少々あどけなさが節々に残るが身体はしっかりと大人に近い。赤茶色の短髪で釣り目がちな目つきで、その瞳は紫がかった黒である。
魔法を行使せず、そして魔力もあまりないけれど精霊に好かれている。
装備
小手:パヴァラから貰った小手。アズリエナは鉱石が散りばめられていると認識したが、実際は魔石や宝石であり、小手自体の金属含めて伝説級の代物。どう考えても店売りされているようなものではない。問題はサイズが小さく、また魔力を多大に内包しているため、魔力を所持している人間では反発、暴走してしまうためとてもではないが装備できない。それ故に呪いの小手などとも呼ばれていたがパヴァラは気づいていなかった。もはや魔道具の域。小手で寒さを感じなくなるのは効果の一つ。他にもさまざまな効果がある。
シアお手製の服:ともに暮らすようになってからシアがアズリエナの為に創り上げた服。大体の服にはほぼ自己治癒能力を向上させる魔法陣が描かれている。細部は全て異なる魔法陣となっている。装着する部位によって追加で隠匿、隠蔽、収納など様々な魔法陣が刻まれている。素材も上質なもので多少の打撃や斬撃ならば通すことがない。伝説級とまではいかないものの、かなりの業物となっている。当人たちに自覚はない。
両手剣:アズリエナ愛用の両手剣。傭兵として配布されたものを丁寧に使い続けていて刃こぼれもない。
『アプリピシア』 通称:シア 年齢:少なからず4000以上
アズが害獣討伐で訪れた森の近くに特殊な空間を作り出しこっそりと住んでいる魔女。
その正体は最強の通り名を持つ魔女であり、他にも複数の通り名を持っている模様。
幼少期はフォスでありグレイとは同期に近い。
アズリエナ見たシアはとてもマイペースでどこか抜けているような可愛らしい女性であるが、イズクからは美しくも底が見えない化け物認定されている。
腰上まである金の髪と比較的スレンダーでバランスが整ったモデル体型、そして柔和な表情と相まって、森にて遠目で見かけた者は女神と勘違いするほど。基本白い布地に様々な色の糸で刺繍したローブやワンピースを着ているのも要因の一つだろう。
精霊が常に集まっており後光が差しているように見えるのもそれに拍車をかけている。なお魔法でその後光は消せる模様。
知識量も多く色々なことを手掛けているようで、アズリエナが聞いたことに対して寄り添うように教える。とはいえ教えるのはそこまで上手くないとシアは言うが、結果としてモノを習得していくのでその限りではない模様。
性格は複雑怪奇で相手に合わせて変えているような節がある、が基本無邪気かつおっとりしているように見える。が、よく分からない真剣な表情を時折浮かべることがあるため不明。
魔道具を作っていたりため込んでいたり天使や悪魔などとの繋がりがあるらしい。
下級とはいえ悪魔を簡単にあしらえるほどの実力を持っている。
ハングレイシア・パスビム 通称:グレイ 年齢:少なからず4000以上
聖戦の頃からシアと付き合いがある魔女。大魔女様と呼ばれていて、ヴァイオレットとイージスの師匠でもある。
シアと違い魔女らしい恰好をしており、腰下まで白銀の髪を伸ばしたグラマラスな容姿は確かに大魔女とふさわしい威厳を醸し出している。
ヴァイオレット 年齢:16
グレイの弟子の一人。プライドが高く出来ることに関しては自負が凄い。
反面知らないことに関してはとことん吸収しようとする貪欲さを持つ。
容姿は青紫の髪を肩下まで伸ばし、濃紫の瞳を持つ。全体的に成長途中の体格。
イージス 年齢:13
グレイの弟子の一人。ひねくれているけれど、その上で卑屈。
イージスの名は伊達ではなく、破邪魔法を完全にコントロールしきっている。
獅子の獣人であるが故に少々本能に従うところがある。
その為ヴァイオレットに叱られることもしばしば。
容姿は顔つきを除けば髪は長く茶色で、体格も比較的すらっとしていて女性にも見えなくは無い。少し成長の余地はあるが、もう成人男性並みの身長ではある。
獣人の特徴としては耳と尾、そして腕と足の一部。
フィー 年齢:25
街で宿シファーヴンを営む若女将。従業員はいることには居るのだけれど、彼らも実は魔法使いや魔女。
アズリエナたちが訪れたときこそトラブルまみれで人が足りていなかったけれど、実際はそこそこな人数居る。
フィーは水の魔女で宿の花全て自身の魔法で水を供給している。
外側が質素なのはその維持を行うためにはどうしても人目に付かない必要があるとから。
そのせいで人の入りは常に赤字と黒字の際であり、少々怪しいところがある。
魔女としての資質はあまり無い方だけれど、優しく、他人を労わるところから人々に好かれている。
容姿は赤毛の少しうねりがかった長髪で、青の瞳。基本スレンダーなのだが出るべきところはしっかりと出ている。
イズク 年齢:22
切ったときに自分を吹き飛ばす刀と鋭い刀の二刀流の女性。英雄の一人でディアムと組んでいる。
武術こそ一線を画すが非常にポンコツ。罠は踏み抜くわ、道に迷うわ、早とちりするわ、たまに人の話は聞き逃すわetc,etc……。ディアムと組んでようやく普通の人のように振舞える。というのもそういったへまを嫌々ながら全てカバーしてくれるから。
特段頭が悪いわけではないのだけれども面倒くさくなるとすぐに思考を放棄する。
容姿は茶の短髪で淡い金色の瞳。痩身ながらも筋はしっかりしているため見た目以上の力をふるう。全身に浅い切り傷みたいな跡があるが、一つも戦闘による傷ではない。
服装は動きやすいようなるべく身体にフィットするものを選ぶが、装飾はそこそこあるので、割と身体のラインは分からない。
装備
反射の刀:魔道具の一つ、物を切ることは出来ないが、物を切りつけることによってその反動で持っている人物が吹っ飛ぶ。刃が本体で、ディアムお手製の柄が付いている分には誰でも扱えるが、抜き身では効果が強すぎる為持ち手を大いに傷つける。常人ならば一分も持たないで肉体が崩壊する。ほぼイズク専用装備。
ディアム 年齢:15
トレジャーハンターでイズクと組んでいる。というか放っておけなくて付き添っている少女。フォロー能力が凄まじいが、イズクのあまりのポンコツさに、とんとんと言ったところ。
表情は豊かだが一切言葉を使って話をしない。なお、イズクのフォローはとても嫌そうな顔をする。
自作の道具を多数使う戦闘方法なため、複数のポーチを腰回りに身に着けている。身長もアズの肩ぐらいの小柄な少女。黒髪長髪を後ろでシニョンにしている。前髪はうっとおしいのかヘアバンドで止めておでこを出している。釣り目でもたれ目でもないが、瞳の淡い黒に対して瞳孔がとても黒く、そこは光を反射しないほど。その瞳孔のお陰で罠を察知しやすい。厳密には魔力が見えているのだが、魔法使いでないため自覚はない。当然人も分かるし、魔力量で見極めることもできる。
なお魔法使いに関しては無関心、ないし容認よりである。獣人に対しても特に何とも思わない。話ができたり、ちゃんとディアムと付き合えば気にしない。
英雄の一人ではあるらしい。
装備
ポーチ:ディアム作成の道具保管ポーチ。異次元収納の魔道具を元に創り上げられた特性の鞄。ディアム作成の様々な道具を保管してあり、ディアムであれば瞬時に欲しいものを取り出せる。作成素材が非常に貴重なので自分用のみ。なお効果は異次元収納には劣るため積載量に上限がある。重さは感じない。
パヴァラ 年齢:35
シフアーヴンが経営されている街の北の川で船員をやっている一般人、のはず。
危険なことが割と好きな中年男性。割と旅行も好きで、各地を回っていたりする。
当然魔物や怪物相手だと手に余るが、凶暴な野生動物ぐらいならなんとかできるので、相当の訓練を積んでいるに違いない。たぶん。どうやら冬場だけ船員として仕事をしている模様。
サピス 年齢:37
パヴァラの上司で船長を務める。情に厚く、また的確な判断ができる人徳者だが、
自分の年齢や、若さなどをネタに話始めるとブチ切れる。特殊な場所で船長やってるだけあって、割と変わり者。
見た目が男に近いことも少し気にしている。が、実は船員の皆からは同僚としてもかなり好かれていて中には異性として見ている者もいるらしいが、当人は気づいている様子はない。なお同性からそこそこもてる。
裏社会に通じているためそこそこの汚れ仕事を請け負うことも。
マルノ 年齢:27
パヴァラの同僚の女性。サピスのことがそこそこ好きだがサピスにそういう気がなさそうなので何か言うことは無く見守る。ただし無駄口は叩きまくる故よくサピスに怒られている。
割とそれがご褒美になっていたりする。無骨なしゃべり方をするが、想像に反して繊細な行動をする。口以外は。割と華奢。
ビエリ 年齢:少なくとも4000以上
ティマのダンジョン周辺を住家としている巨大な白狼。
体長はおおよそ一軒家と同じくらい、もしくはそれより一回り小さいかぐらいの高さ。横幅だけでゆうに10メートルは在る。
精霊言語を使える能力を持ち、状況が整えばそこいらの強い英雄とも渡り合えるぐらいの力は示せる。
シアとは聖戦のころから知り合いであり、たまにシアが一人で近くを通りかかると、会話するくらいには仲がいい。とはいえシアの立場を理解しているため、人と共に討伐しに来ることも想定している。その場合勝てないことを承知の上で徹底抗戦するつもりらしい。
寿命もあるが、まだしばらく先である。
他の白狼に指示をだして色々したりしている。結構苦労人。人じゃないから苦労狼。
シアのことをエレスティーノと呼ぶ。
ローヴ
アズリエナが助けた白狼。ビエリを除いたときに白狼の中で長を務めている模様。
仲間思いで頭が回る賢い白狼。なおイズクのことはあまり好きではない様子。
・凶暴な野生動物、モンスターなど
スノーラ
鷲と鷹が混じったような見た目の肉食鳥。地上または川の中に住む動物を狙い捕食する。
急降下して切り裂いてくるその爪や嘴は薄い金属ぐらいならば容易に切り裂いてしまう。
生息地は山付近であればより出やすい。寒さに強いため冬でも気が付くと出てくることも。ほかの鳥に比べて強い。
ガレファリ
カモメとカラスが混じったような肉食鳥。主に川の中に住む動物を狙い捕食するが、船の上の動物も見境なく狙う。集団で一体の動物に群がり肉をついばむ方法をとるため、決して一人で何とかしようとしないことがもっとも襲われた際に生存率を上げる。
水辺にすむため、その付近では年中警戒が必要となるため、害鳥として認定されることが多い。個々の強さはそれほどでもない。
ピラサ
鮭とピラニアが混じったような性質の肉食魚。陸地でも短時間なら呼吸可能で、ヒレを上手く使い砲台のごとく飛んでくる。
当然それと同時にかみつきも行ってきて、多少の金属板ぐらい凹ませ削るのは容易。
冬場は群れて川の上を通るものを見境なく襲う。
スノーラやガレファリと争うこともしばしば。大抵痛み分けで終わる。
冬場は寒い地域の川上に生息し、それ以外の季節は割とどこにでもいる。
冬場においては川上に近づかないことが安全への第一歩。




