第9話 僕は懲らしめる
第9話 僕は懲らしめる
村に着いてみると多くの破壊跡があり、無事な者達が治療に当たっていた。
そんな中、空気を読まない者登場!!
「お~、随分派手に壊されておるの~」
治療にあたる村人達の視線が一斉に集まる。
『『『?!?!?!』』』
「コ、コモドドラゴンの子供か?しかもしゃべっている?!」
村人たちは一斉に武器を構える。
逆にカクさんもコモドドラゴン扱いされ腹を立てており、その村人達を睨み付ける。
「誰がコモドドラゴンか。どう見てもドラゴンであろう。しっかり見るのじゃ~」
ドラゴンと聞き、村人たちは怯え、臨戦体制をとった。
「こらカクさん。ちょっと黙ってなさい。後で話があります。エリーゼさん村人たちに説明を~……」
カクさんを下がらせる。
「ルーニー領当主の娘、エリザベスです。みなさんにお話があります。現在この村を荒らすコモドドラゴンの退治に参りました」
村人たちは一斉にカクさんを見る。
カクさんは反論しようと口を開けたが、こちらを見て目が合うと、黙っている事にしたようだ。
うん。偉いぞ~
エリーゼさんが交渉相手を探す。
「村の代表はどなたですか?」
「私が村長のエドモンドです。まずそこのコモドドラゴンの子供から退治してくだせぇ」
カクさんの口が一瞬動くが、しゃべらず。
うんうん。
偉い偉い。
「こちらのドラゴンはフレア様といって古代竜です。この大陸の元覇王でいらっしゃいます。ご無礼は許されません」
カクさんは凄いドラゴンと言われて満更では無い様子。
さっきまで怒っていたはずなのに、チョロいね…
ちなみに昔は凄かったって、誉め言葉じゃないから。
まぁ、カクさんが嬉しそうなので、ほっておきますけどね。
「そ、そうなんですか?このちっこいのが?コモドドラゴンの子供くらいしか無いのに、本当に強いのかのぅ?」
信じて貰えない様子。
こちらを見る村人たちの視線が、どんどん怪しい者を見るようになっていく~。
うーん‥‥
あ、そうだ!!
「カクさん。あの山の向こうに見える背中はコモドドラゴンだよね?」
せつかくなので一石二鳥でいこう~
「そうですな」
「村長さん。今、あのコモドドラゴンを退治に行っている人はおられますか?」
村人たちはガヤガヤと相談を始めた…
結果、退治に行った冒険者はいないとの事。
「よし!カクさん。懲らしめてやりなさい」
『『『え?!』』』
仲間たちの、え??がハモる。
「承知」
『『『え?!』』』
村人たちも、え??がハモる。
〈ブッシャーーーーーーー!ドドドトドーーーーーーン!〉
「お~~。たーまやーーだね~♪」
この前に見た火炎弾の連打だね♪
結果、向こうの山が半分、吹き飛びました!
『『『あわわわわわわ。。』』』
素敵な表情で固まる仲間達。
腰を抜かして地面に座り込む村人たち。
「取り敢えず一匹退治出来ましたなー」
『『『えぇーーーーーーーー?!』』』
みなさん動き出しました。
そういえば、コモドドラゴンって、何匹いるのでしょうね?
真っ先に復帰したのは、やはりエリーゼさん。
「コウ様。今のは??」
「コモドドラゴンの退治だけど」
みんなポカーンとしている。
「山が無くなりました…」
そうだね。
あんなでっかいのが退治するときに暴れたら、
どのみち山が無くなりそうだしね。
そんな中…
「ありがとうございますだ!あのコモドドラゴンはここいらのボスですんで、あれを退治すれば他のも逃げ出しますだ」
村人たちは喜んでいる。
ようやく状況が追いついた者たちは、涙を流し始めた者もいる。
「あれには先祖代々の因縁がありますだ。みんなで金を貯め、何度も討伐隊を組んで退治しようとしました!その度に南の国境を越えて逃げられてただ」
「これからはやっと農業に専念出来るだ~」
「んだんだ~」
みんな喜んでる~。
良かった良かった。
「…………。か、解決出来て良かったデス」
なんか腑に落ちない様子のエリーゼさん。
「この距離であのサイズに見えるコモドドラゴンは反則ですわ。近くで見たら、きっと戦う気が失せましたわね」
空気を読まない者‥‥
参上!
「コウ様。これからは気をつけなければなりませんなー。今回は頑張って手加減しましたが、山が消えましたなー。ブレスを撃つ際にくしゃみでもしたら、見渡す限り消えて無くなりますな~。わっはっはーー」
わっはっはーーっ!!じゃない~