第7話 僕と愉快な仲間たち
第7章 僕と愉快な仲間たち
「おはようスケさん」
「コウ様おはようございます。今日はいかが過ごされますか?」
「そうだね。街にも出てみたいし、でも買い物をしようにもこの星のお金もってないんだよね。エドワードさんに魔法を教える約束もあるし、流れに任せて過ごすとするよ」
うん。
臨機応変がもっとうです!
場当たり的?
いやいやチガイマスヨ‥‥
〈コンコン〉
「コウ様お目覚めですか?」
小セバスチャンがお越しに来てくれたらしい。
「はい。どうぞ~。おはようございます」
今日も小セバスチャンが部屋まで案内してくれる。
その移動中、今日の予定を話した。
「コウ様、今日のご予定はお決まりでいらっしゃいますか?」
「さっきスケさんとも話していたのだけど、特に決めてはないんだよね。エドワードさんの約束もありますし」
案内されて部屋に着くと、直後にエドワードさんがエリーゼさんを連れて入ってきた。
挨拶をして、二人も席に着く。
「コウさん。本日の予定を私の約束に付き合って頂けるとお聞きしました」
エドワードさんは嬉しそう。
「はい。お宿と食事を世話になっておりますし、どうぞお力になりますよ」
一宿一飯の恩義は返さなきゃね!
「それでは、カインが手配した優秀な魔法使い達に、テイムの魔法を伝授ください。もちろん、その対価はお支払い致します。セバスチャン、例の物をお渡しして」
セバスチャンから皮の袋を受け取った。
中をみると銀貨が何枚か入っており報酬らしい。
通貨の単位も分からないし、魔法の対価も分からない。
多分、悪いようにはなっていないと思う。
「ありがとうございます。これでお受けいたします」
エリーゼさんは嬉しそうにしている。
「良かったです!伝説クラスの魔法の対価が分からなくて、実は少々困っておりました。お父様と一緒に悩んで決めましたけど、足りないとおっしゃったらどうしようかと思っておりました」
「まぁ、無償でも受ける気がありましたし、問題ないですよ。いろいろお世話になりっぱなしですからね」
「コウさまにそう言って貰えましたら、本当になりよりです。魔法伝授の結果、使えるようにならなかった場合でも問題ございませんので、安心してご教授ください」
「では、力まずに頑張りますね。スケさんも新しい仲間が出来るしね」
「コウ様、ありがとうございます。楽しみです!」
責任が無いと言われると、余計責任って感じるけどね。
その後、迎えに来たカインさんに連れられて〈ギルド〉と書かれた看板のある建物に入った。
カインさんが受付でなにやら済ませ、僕は奥の部屋に案内され、カインさんは仕事へ戻っていった。
部屋に案内されると、中にはゴツい感じの男性1人、ザ・魔法使いの格好をした男性1人、女性2人が待っていた。
「あら、エリーゼさん。その格好は…、魔法使い??」
「な、なんだと貴様。エリザベス様に向かって無礼な…、ポフっ」
何やら一瞬絡まれたような気がしたけど、いきなりゴツいおじさんに殴られて、男性はダウンした。
「アベル!さっきあれ程、無礼の無いように伝えたでしょ!」
エリーゼさん…
そのアベル君?は、多分、聞こえてないよ……。
「すまない。コウ様、ちゃんと伝えてあったんだがよ。」
ゴツい人が小さくなって謝る。
「いえいえ大丈夫ですよ。それよりそのアベル君?は、ゴツいパンチを喰らっても大丈夫なのでしょうか?」
絡まれた私が言うのも変だけど、誰かアベル君を心配しようよ。
「改めて、ルーニー領全体と、ロンドのギルドマスターを任されているギルバートだ。です。見ての通り戦士だ。です」
顔にも言葉にもキズのあるギルバートから挨拶を受けた。
「自然な言葉で大丈夫ですよ。その敬語不自然すぎて、何を言っているのか分からなくなりそうです」
「すまねぇな。丁寧に話すのは得意じゃねぇんだわ。で、そっちの姫様は分かるな?エリザベスさまで、隣のがメアリーで、さっきのアホがアベルだ」
言葉も説明も乱雑だった。
「メアリーですわ。今日はエドワード様たっての願いにより、来て差し上げましたの。私はいずれ世界最高の魔法使いになる逸材ですのよ」
これは凄い自信だ!
セリフと実力が伴うのか興味が沸いてきた…
「じゃ、メアリーさんには説明を少なくして難易度を上げる感じにするのでよろしくね」
目を見開いたメアリーさんが、エリーゼさんに視線を送ったら、なんかしょんぼりし始めたけど、大丈夫なのかな?
「アベルだ。です。魔法使いです…」
こっちは微妙な顔押しているね。
まぁ、言いたいことは何となく察するけど。
「僕の名前はスケさんだよ」
スケさんが話すとエリーゼさん以外の表情が固まった。
「まさか本当にスライムがしゃべるとは…。てっきり騙されていたものと…」
アベル君、酷いね。
それ、口に出しちゃダメじゃん…
「ちょっとアベル!コウ様、本当にごめんなさい」
エリーゼさんは恐縮しっぱなしで、ちょっと可哀想になってきた。
「いやいや。この街のことは良く分からないから気にしないでいいよ」
「それで伝説クラスの魔法を教えて頂けるというのは、本当でございますの?」
伝説クラスかどうかは知らないよ~。
「後で魔物を家臣にするので、それを見てね。あと少しならアドバイスもしてあげるね」
『おぉ~!?』
みんなの心は一致したようだ。