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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第4章 バーザルド
92/99

第91話 召喚!?

―――― ????


『王よ。こちらをご覧ください』

 そう言って、大きな水晶を使い、プロジェクターの様に映像が移される。


『・・・素晴らしい』

『彼こそ相応しいのではないだろうか』

『ああ、さっそく準備に取り掛かるぞ』

 広い部屋に大きなテーブルを囲う人々が遠視だろうか、大きな水晶によって映し出された夢叶が街の人々を消し去る姿を見て、何やら話し合っていた。


――――


 ガード達の後をのんびりと追って来ていたロシィ達が見たのは、


「夢叶―!!」

 ガードが残る魔力を絞り出し、魔力を圧縮する。その魔力の圧縮にまるで大地が震える様な後継だった。

 両手で腹の前で黒く、黒く圧縮された魔力玉。


「死して償え、深き闇より訪れる死への道、死と隣合わせの我がぎょく。デスボール!」

 見た目はサッカーボール程の大きさの黒い球だが、その威力はデビルフレイムの数倍はあるだろう。ガードはデスボールを放ったと同時に、魔力切れか力なく倒れてしまう。そばにカミナが駆け寄るのが目に映る。


「普通なら、普通の人間ならこれは防げないんだろうな・・・」

 夢叶はデスボールを見てもそんな事を考えていた。


 マナ操作。戦いなどで日々使っている何気なく使っているマナ操作。使えば使う程、どう使えばよいのか頭の中に浮かび上がり、そして、そのチートっぷりの強さを実感する。

 マナ操作とは、現象を操ることが出来る。つまり、デスボール消えろとマナを操作すれば簡単に消す事が出来るというチート能力だ。前までは魔法を使う為に魔力を搔き集める様にして使っていたのだが、今ではその使い方は間違っていたのだと気付く。この気付いた事はまだロシィ達に言ってはいない。これ程の力を使えるようになれば、ロシィ達がどういう行動に出るか分からないからだ。契約で裏切れないとなっていてもその契約をマナ操作という能力授与での繋がりを維持したまま、制約されている部分のみを解除する事も恐らく可能だろう。俺を殺せば、能力授与が消えるが、その前に定着させることもマナ操作で授与されているマナ操作を消えないという現象を起こす事は可能だろう。そうなれば俺は用済みとなる。

 男女の関係にまでなったんだ。それはないとは信じたいが、どうしても疑心暗鬼になってしまい、言えずにいる。


 せめて、マナ操作が出来る者同士の争がどういった事になるのかが分かれば良いのだが、それを実験する為には結局ネタ晴らしをしなければならない為、言えずにいる。それでも、ほぼ無限と言って良い魔力とステータスプレートによるデフォルトの身体強化がある為、マナ操作が出来る者相手以外ではやられるようなこと滅多にはないとは思っているからそれなりにロシィ達の安全は確保できているので無理に言う必要もないと考えている。


「爆ぜろ、リ・・・」

 リアルと続けて色々と言いそうになったが自重した。

 デスボールが爆散し、煙で辺りが見えなくなる。


「ば、馬鹿な・・・」

 伏せながらもその結果を見て絶望するガード。その横で息を飲むカミナ。


 その煙が晴れてくるなか、夢叶の足元に魔法陣が出現した。


「は?」

 光輝き、光の柱が夢叶を飲み込む。咄嗟の事にテレポートで逃げる事を忘れ、その場で身を守る事を選択してしまった夢叶。その結果、夢叶はその場から姿を消してしまった。


「え?ユウ!?」

「嘘!?」

「「!?」」

 ユウが光に飲み込まれ消えてしまうのは予想外過ぎたのか、エリィ達は同様を隠せない。


「あの魔法陣は・・・」

 只一人、そう呟いたロシィ以外は。



 しかし、近くで見ていたガードとカミナ、ロシィ達以外には、まるでガードの攻撃が跡形もなく消し飛んだかの様に見えたのだ。


「「「お・・・オオオオーーーーーーーーーー!!」」」

 大きな歓声が広がる。


「あんた、すまなかった。」

「ありがとう。ありがとう」

 手の平返しのように感謝し、ガードとカミナの周りに集まる街の人々。


「私達は離れよう。ガード達からはユウの仲間で敵だと思われているだろうし」

「でも!ユウが!ユウが消えちゃった!」

「あれは自分でテレポートしたわけじゃなかった!」

 リリィとティエが夢叶の心配をする。


「大丈夫。契約の繋がりも残っているし、強制的にテレポートさせられただけだから。夢叶がやっていたこととほとんど同じ。・・・規模は違うけど」

 最後の呟きは誰も聞こえていない程の声の大きさだ。


「だけど!」

「いいから離れるよ!ユウなら大丈夫だから!」

 無理やり、ロシィにテレポートさせられる。ロシィ自身気付いていなかったようだが、普段のおちゃらけてる感じを漂わせていなかったのが、余計にリリィとティエ、そしてエリィとシルヴィも不安にさせていたということを。



―――― 謎の空間


「ここは・・・」

 そこは足場もない、まるで浮いているかのようにフワフワとした感覚がある不思議な空間。周りには何もなく、真っ暗とまでは言えないが、薄暗い、何もない空間であった。幸い、マナはあるようだ。むしろマナがなければこの空間自体が可笑しい現象、場所となるのだが。この空間を存在させる事自体にマナが必要となるのだから。


『よく来た。異世界の住人よ・・・貴様は召喚の儀式により選ばれたも・・・のぉお?』

 何処からともなく背後に現れる大きな影。そこから威厳ある声で話しかけられるも最後が何故か困惑気味の疑問形になっていた。


「誰だ!?」

 振り向いて目の前にいたのは、龍化したロシィよりも一回り、いや二回りは大きい程強大な黒いドラゴンであった。


「貴様・・・イザナギか?イザナギだな!?」

「は?」

 喜びの声を上げる大きなドラゴン。イザナギってあの神様的なやつか?


「やはり生きておったか!」

 バシバシとない地面を叩いている。


「そうなると我からのギフトは何もないな・・・」

 困ったという感じだ。


「いや、何の事だかさっぱり分からないのだが・・・」

 さっぱり話に付いていけていない夢叶。


「ん?・・・なるほど。記憶を失っておるのか・・・ならば、その記憶をギフトとしようではないか」


 記憶を失っている・・・!?


「待って、父上」

 そこに予想外の人物が現れた。

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