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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第4章 バーザルド
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第87話 サイランの街へ

お待たせして申し訳ありません。色々忙しくて遅くなりました。

「帰ったぞー」

 ロシィが酔っ払いの親父の様にカミナの家に入る。


「どうだったの?」

 心配そうに尋ねてくるリリィ。


「・・・ゴミだったので片づけた」

「・・・ああ」

 カミナ以外は察したようだ。


「どういう事?」

「余りにもクズな奴等と言うか、ロシィに手を出そうとしたから殺っちゃった」

 軽く言う夢叶に絶句し、僅かに恐怖するカミナ。


「怖いか?」

「・・・」

「決めるのはお前だ」


「大丈夫だよ。ユウは敵には容赦ないけど見方には甘々なんだから」

「ああ。基本的に無意味に殺しはしないぞ。基本的に」

「おい、何故。基本的にって二回言った」

 苦笑いしながらリリィとシルヴィに突っ込む。


「昔は、もっと優しかったんだけどねぇ」

 昔を懐かしむように遠い目をするロシィ。


「逆鱗に触れなければ問題ないわよ」

「・・・逆鱗に触れなければな」

「おいエリィ・・・」

 ティエのフォロー?の言葉に一言余計な事を付け加える。


「さて、俺を虐めてくる仲間ばかりだが、どうする?」

 夢叶達のおふざけ?な会話にカミナの恐怖が気持ち程度に薄れる。


「・・・私は強くならなければならない。お願いする」

 覚悟を決めた様子だ。


「「よろしくー」」

 ロシィとリリィがカミナに飛びつき、カミナは苦笑いしながらも受けれいている様だ。


「よろしくな」

 カミナに向かって手を差し出す。


「・・・」

 その手をカミナは取ろうとするが、手が震えている。


「まぁ、気長に行こう。男性恐怖症か?」

 単刀直入に聞いた方が早いだろう。ロシィとリリィに抱き着かれても平気だったし。


「ん・・・昔、賊に父と母が殺されて、強姦に会いかけた。偶々、冒険者が来て助かった」

「・・・そうか。すまない」


「いい。只の賊じゃなかった・・・」

「どういう事だ?」


「父は、当時国家魔法使いだった。この国でも最強」

「それが、賊如きに殺された。・・・そいつは?」


「逃げた。転移して」

「最強の魔法使いである父親を殺して、転移をする程の余力があったと・・・。転移出来る者が少ない中でそれ程の力を持っているというのは何か裏がありそうだな」


「仇を取る」

「カミナの目的は分かったが・・・今のお前とどれくらい強いんだ?」


「父と同じぐらいには強くなったはず」

「つまり、まだそいつより強くなったわけではないから更に強くなる為にという事か・・・」

「ん。私より強い人ほぼいない」

「藁にも縋る思いと言った所か」

「否定はしない」


 復讐の為に力を求めるか・・・。


「その先・・・復讐した後はどうするんだ?」

「・・・分からない。考えたこともない」


 まぁ、復讐に手一杯ならそんな物か。


「まぁ、良い。俺達に悪影響がないならな」

「大丈夫」


「よし。取り合えず、今後の話はまた明日にしよう。寝よう」

「そだねー」

「だねー」

「うん」

「うむ」

「了解」

「ん」

 それぞれが返事をして部屋に戻る。


 カミナは自分の部屋へ。夢叶とライム。女性がロシィ、リリィ、ティエ。シルヴィ、エリィと部屋を分かれて睡眠をとった。



――――



「おはよう」

「「おはー」」

「「「おはよう」」」

「ん」

 最後に起きて来たようで、既に皆リビングに集まっており、それぞれ朝の挨拶をする。


「上級魔族とやらを倒しにサイランに行こうと思う」

 朝食を皆で取りながら話を始める。


「他にやることもないし、それしかないよねー」

 ごもっともだ。


「カミナもそれで良いか?」

「ん」

 頷き返事をする。


「取り合えず、ドラゴンの件もあるし、この魔族も何か事情があるのかもしれないからまずは話をしてみるが意義がある者は?」

「意義あり!」

 ロシィがバンと上の方を指差し立ち上がる。何処かの裁判の様だ。


「被告人どうぞ」

「何故被告!?・・・ないけど」


 むぅと座る。やりたかっただけのようだ。

 他の者はネタが分からなく首を傾げている。


「それじゃぁ。飯を食べたら行くぞー」

 それぞれが返事をして食事に集中した。



「カミナ。サイランで人気のない場所知っているか?」

「路地裏。少しいる」


「人通りが少ないって程度か?」

「ん」


「んー。いつも通りで行くか。ゲート」

 ブオンとゲートを開ける。


「「ヒャッハー!!」」

「ヤッ!」

 ロシィとリリィが飛び込み、その後にティエが続く。そして、エリィとシルヴィが軽くジャンプしてゲートを潜る。

 カミナは何故皆飛んで入るのか疑問に感じつつ、同じようにジャンプしてゲートを潜り、最後に夢叶が入るとゲートが閉じる。




「んん!?」

 空から落ちているカミナの必死で悲鳴を上げるのを耐えている様子が可愛い。


「何見てるのさ」

 真っ先に入ったはずのロシィが上からズシンという感じで背中に乗って来た。空中の為、速度もある程度合わせているのか重さは特に感じない。


「可愛いなと思って」

「無口キャラのこういうのは萌えるよね」

「全くだ」

 ロシィは嫉妬もあるのだろうが、萌えの共有の方が今は勝ったようだ。リリィ達からも少し嫉妬気味の目線を感じるが気のせいだろう。カミナも可愛いと言う言葉に顔を赤くしている。

 

 そして、いつも通りにサイランの上空から人気のない所を見て転移する。


「先に言って」

 ムスっと膨れっ面なのがまた萌える。


「まずはやっぱり、ギルドだな」

「ムー」

 話を流したのが不満そうなカミナ。


「こっち」

 不満ながらもサイランを訪れた事が会ったのだろう。案内してくれる。


 カララン。


 サイランのギルドに入るとお馴染みの視線が向けられる。


「あの人は、まさか!?」

「カミナ・ミツキ!?」

「どうしてここに?」


 カミナの顔は結構知れ渡っている様だ。恐らく、アイミスと同じで冒険者以外には差ほど知れ渡っているような気はしないが・・・。


 カミナをチラっと見ると自慢気な顔を向けていた。


「上級魔族退治」

「これ」

 受付にカミナの言葉でロシィが契約書を見せる。


「あ、はい。少々お待ちください」

 契約書に目を通すと何やら書類を持ってきた。


「お待たせいたしました。上級魔族が最近頻繁にこの街にやって来ては、人攫いを行うのでそれの討伐依頼ですね」

「何故、その魔族は人を攫うんだ?」

「申し訳ありません。理由は定かではありません。ただ、攫われた人達は全て何かしら命に危険がある者ばかりだという事が報告されています」

「命に危険がある者?つまり、死に掛けの人間を攫っているのか?」

「はい。その様です。病気で死にそうになった者、大怪我をして死にそうになった者達を攫っているようです」


「これは・・・フラグだな」

「「だね」」

「ん?」

 ロシィ達は気が付いたようだが、カミナはいまいちピンと来ていないという事だ。


「あくまで可能性だが、その魔族は攫った人達を助けている可能性がある。もしくは何かしらの実験に使用しているかだ」

「・・・実験ですか?」

「死に掛けを攫うという所から可能性としてだが、蘇生か回復系の実験じゃないだろうか」

「蘇生!?人を生き返らせる事が出来るとでも言うのですか!?」

「落ち着け、あくまで可能性の話だ」

 少し声を荒げる受付員をドードーと落ち着かせる。


「申し訳ありません」

 潔く謝る受付員に「別に良い」と言い話を続ける。


「仮にだが、その魔族が人を攫ってその者達を助けていただ場合も討伐しなければならないのか?」

「そうですね・・・。依頼としましては討伐ですので討伐しないと報酬を出す事が出来ませんが、依頼主のこの街の町長に交渉して頂ければ支払いも可能となります」

「そうか、分かった。」


 必要な情報は大体揃ったのでギルドを出ようと出口に足を向ける。


「カミナ様。こんな若造共より、Aランク冒険者である俺らを連れて行ってくれないですかい?」

 5人が近付いて来てはそうカミナに言い。後ろの4人がニヤニヤと威圧するように笑っている。


 ワンパターンだな・・・。


 皆して大きなため息をつくのだった。

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