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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第4章 バーザルド
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第79話 Sランクにな・・・

 カララン


「「「おめでとうございます!」」」

 盛大な拍手と共に指笛が鳴らされる。



 あれから直ぐにこなせそうな依頼がスライム退治か薬草採取しかなかった為、スライム退治はライムの知り合いを殺すかもしれないから遠慮しようとすると『所詮、世の中、弱肉強食だよ。』との事らしい。魔物は大体皆こんな感じらしい。人間の様に仲間意識等がある魔物の方が珍しいらしい。なので、適当に退治しつつ薬草採取をして、一日の足りない宿代を入手し、一晩明けてのギルドに入ったらこれである。


「何事?」

 まぁ、察してはいる。


「皆さんSランクになりました!パチパチー!」

 予想通りの答えと共に最初に出会った実は金髪で長髪、ボンキュッボンな身体つきのせいかミレディと同じ服装だがエロく感じ、大人のお姉さんといったキャラだった受付のお姉さんが寄ってくる。


「こちらがSランクのギルドカードになります。」

 ミレディが横から出て来て、一人一人に手渡して行く。


ランク  S

名前   ユウト・オウセ

所属国  ハネス

パーティ 暗黒の炎(ダークネスフレイム)

信頼度  D


 パーティ名が勝手に決められていた。信頼度が低いのはいくらランクがSと言っても実績が少な過ぎるからだろう。


「昨日のあの炎を見てこれだ!と思い。なかなか決めてくださらないので勝手に付けてしまいました!テヘ。」

 テヘペロと年甲斐もなくあざとさMAXでする受付のお姉さん。


「ちょっと、ティエラさん。どういう事ですか!?」

「えー。だってー。期待のSランクで新人冒険者だよ?唾付けとくのが普通じゃないかしら~?」

 ドヤ顔で自分の放漫なボディをミレディに見せつけている。

「ぐぬぬ。そ、それでもユウトさん達がそれを御認めになるとは限りませんけど!?」

「別にこれでいいが?」

 パーティ名の事などすっかり忘れていたし、思い付かないし、響きが何か良いと思ったので了承するとミレディの反撃とも言えぬ反撃が全く効かず、ヘナヘナと座り込む。


「ぐすん。いいもんいいもん。」

 拗ねた。


「ねぇねぇ。Sランクになるとどう変わるんですか?」

 リリィにがティエラに問いかけると、「反応もしてくれない。」とミレディが更に拗ねてイジイジしている。


「基本的には何も変わりませんが、受けられる依頼も増え、指名依頼があった場合の基本報酬額が増えます。後は、国からの依頼があればそれを最優先にしないといけませんね。」

「国からの?例えば?」

「戦争だったり、国王が他国に行く際に護衛として付いて行ったりですね。」


「・・・それは強制なのか?」

「そうですね。ハネス国に所属していますので、国王からの依頼は絶対です。さもなければ反逆者として見做されます。」

 今度は、夢叶の質問を答える。


「え~。じゃぁ、これ、いらん。」

「「「「「「「「え!?」」」」」」」」

 いらんと突き返すSランクギルドカードにその場にいた全員が驚愕する。


「え?え?Sランクですよ?黙っていても勝手に依頼が飛び入って来たり、国からの依頼の報酬はかなりの額。わざわざ、命の危険が高い所を毎回行かなくても安定した生活過ごせるのですよ?誰もが憧れるSランク何ですよ!?」


「別に、俺。この国が好きって訳じゃないし。戦争に何て駆り出されたくない。反逆で捕まえに来るなら別に構わないが、国が滅ぶ覚悟で来いよ?」

「経験者は語る。」

 ボソっと言ったロシィの言葉は静寂の中では近くにいた全員に耳に入った。


「け、経験者!?」

 ざわつきが大きくなる。


「コラ。ホントの事でも言っても良い事と悪い事があるだろ。」

 ペシとロシィの頭を叩く。


「ほ、本当の事って言った!?今!?ねぇ!?」

「いや、でも最近国が滅んだなんて聞いたことないし。」

 ざわつきが大きくなる。


「ま、まぁ。信じる信じないかは自由だ。とりあえず、国の言う事は面倒だから聞きたくないから返すわ。」

「ちょーっとお待ちください。ギルドマスターと話をして貰っても良いですか?このままでは本当に反逆とみなされてしまいます。」

 慌てるティエラ。


「だが、断る。ギルドマスターって今病院だろ?面倒。」

「ちょ!?え!?おま!?・・・ゴホン。え・・・えっと。せめて、保留という形ではいけませんか?こちらから話をしてみますのでその間お待ちいただいても構いませんか?」

「はぁ、しょうがないなぁ。待ってる間、依頼とか受けていいんだろ?でないと宿代稼げないんだけど。」

「ちょっと待ってください。」

 ティエラとミレディがコソコソと話している。



「申し訳ございません。お待たせしました。えー。依頼を受けるのは待っていただいてもよろしいですか?宿代等はこちらが出しますので。」

「ん?んー。まぁ、それなら構わないが。」

「ユウ。この人達は依頼を受けてそのまま違う国に行かれると困るから援助するんだよ。」

 ティエラの対応に少し違和感で首を傾げるとリリィがそう捕捉してくれた。


「あー。なるほどね。」

 ジッとティエラとミレディを見ると顔が少し引き攣っている。


「じゃぁ、違う国に行こっか。」

「「キャー!それだけはお許しください!それでは私達が処分されてしまいます!」」

 ティエラとミレディの見事なシンクロ率での涙ながらのダブルジャンピング土下座である。


「分かったよ。早めにしてくれよ。」

「「ありがとうございます!ありがとうございます!」」

 ペコペコされる。


 周囲の様々な視線が痛い。・・・気まずい。


「宿は直ぐ近くの所で泊まってるからまた声を掛けに来てくれ。」

 いそいそと立ち去る。


「本当に滅ぼす程の力をもってやがるのかねぇ。」

「そんなのSランク冒険者も人外のような強さという話だが、国と戦えるのかどうか・・・。」

「俺は張ったりと思うがね。」

 などと立ち去る背中越しに話が聞こえてきたが特に気にしなかった。




―――― 数日後


「「まーだーかーなー。」」

 ロシィとリリィが宿の食堂で食事をしながら椅子で足をブラブラさせている。


 バン!

「バン!」

「バン!」

暗黒の炎(ダークネスフレイム)という者達はここにいるか!?」

 勢いよくドアが開かれ、バン!と現れた3人組。


「バンって口で言ってるよ。可愛い。」

 リリィがそう言い。バンと口で言った二人は、男女の15歳ぐらいだろうか、二人とも金髪で動きやすい、軽装な防具を装備し、腰に剣、背中に弓を背負っている。まるで双子の様に顔がそっくりで、女の子の方は髪が肩に掛かるかどうかぐらいの長さだ。


暗黒の炎(ダークネスフレイム)という者達はここにいるか!?」

 残りの1人の20歳前後の男、黄金と言える鎧に身を纏い、腰剣を4本、背中に剣を3本とそんなに何に使うのかという程の剣を持っている。金髪でまるでどこかの最古の王か?と言えるような人物だ。


「大事な事なので2度言った感じ?」

「だね。」

 ロシィとリリィはボソボソと言う。


「そこ!聞こえているぞ!・・・そうだ!大事な事なので2度言ったのだ!」

 フンと若干ドヤ顔である。


「ふーん。・・・あれ?何の話してたっけ?」

「えっと、確かねー。」

 スルーされて、若干イラつきが顔に出る。


「おい、貴様等!もう一度言うぞ?大事な事だからもう一度言うぞ?暗黒の炎というパーティはここにいないのか?」

「大事な事だからね。うん。二回言ったんだよね。」

「うん。でも二回言う所が違うと思うんだけど。」

 ブフーと笑うロシィとリリィ。

 男が顔を赤くしてプルプルさせている。


「コラ。失礼だろ。からかい過ぎだ。結構ダメージデカいんだぞ。経験者は語る。経験者は。」

 大事な事なので2度言いました。

「あ、あー。そうだね。」

「「ごめんなさい。」」

 潔く、頭を下げる二人。

「連れが悪いな。それで漆黒の炎には何のようなんだ?」

「ん?あ、ああ。何やら調子乗ってやがるみたいだからな。お灸をすえに来たんだ。」

「お帰りください。」

「は?」

 即答で帰れと言われてキョトンとする。


「ここにはいませんので、お帰りください。」

「いないのか・・・?おかしいな。ギルドに聞いたらここに宿泊していると聞いたのだが。」

「聞き間違えたんじゃないですか?取り合えず、いません。お帰り下さい。」

 ドアの方に背中を押して移動させる。


「むぅ・・・しょうがない。ギルドに聞き直しに行くか。行くぞ。二人とも。」

「「はい!」」

 ビシっと敬礼する二人。



「・・・行ったか。よし、早く食ってここを出るぞ。」

「だねー。個人情報漏洩だよー。」

「そうだね。どういうつもりなのかな。」

「流石にこれは見過ごせませんね。グラディオでも個人情報はしっかりと守っていたのだが。」

「問い詰めに行った方が良いのではないか?」

「でも、それだと鉢合わせにならない?」

 それぞれが口にする。


「ああ。だから、ギルドの近くの店で出てくるのを待とう。聞き直すだけならさほど時間は掛からないだろう。」

「それじゃぁ、直ぐに行かないとだね。んぐ。」

 ロシィは口の中に残りの食べ物を詰め込み椅子からピョンと降りた。そのロシィの後を追って皆、宿を出た。



 宿から歩いて5分程した所にギルドがある。


「お、ラッキー。丁度出て来たじゃないか。」

「「だねー。」」


 向こうもこちらに気付いたが、宿でのからかいにあったが為にあまり良い顔はされず、微妙な顔で通り過ぎて行った。15歳程の男女は、「「べー。」」とあっかんべーをしてきた。それに対抗するロシィとリリィ。

 ・・・リリィ。君、一応王女だろ?一応。



 カララン。


「あ!さっき、皆さんをお探しの方がいらしてましたよ。」

 ギルドに入るなり、ミレディがそう言って駆け寄ってくるその頭にチョップ。

「痛!?」

 頭を両手で抑えて何で?という顔をしている。


「何で?と思っているだろ?」

 夢叶の問にコクコクと頷くミレディ。


「個人情報漏洩。」

「え?あ?あ!」

 ペチペチとお凸を軽くデコピンを連打する。


「申し訳ございません。普段はお教えする事はないのですが、あの方はSランク冒険者で金色の英雄とも言われるお方。国のお抱えSランク冒険者の方で、国王から貴方を見て来いと言われたそうで、国王の指示であるならばこちらはあまり逆らえませんので。申し訳ございません。消さないで下さい!」

 90度に頭を下げるミレディ。

 

え?消さないでって、俺ってかなりの恐怖の対象になってる?

 周囲を見渡すと腫物を見ているかのような視線で見られている。


「また、やっちゃったか。最近、何だか過激になってきている気がするのは気のせいか?」

「気のせいじゃないから、気を付けてね。マジで。」

 ロシィはちょっと冗談っぽく言っているが声が何故かいつになくマジトーンだ。

「お、おう。」


「それで、場所の他には何を教えたの?」

 リリィがミレディをズイっと近寄り問い詰める。


「え、ええとこの前の夢叶さんが3人を消し炭すら残らない程に消した事、国を滅ぼした事があるとかないとか、弄られるのが苦手と言った所、後はパーティ構成といった所でしょうか。」

「今回は許すが、今後一切勝手に喋らないでくれよ。・・・とは国王が絡むと無理なのか。」

「・・・はい。恐らく、夢叶さんに喋れば殺されると言っても、国王側からすれば、今すぐ死ぬのとどっちが良い?と言われたらどうしようもありません。」

「だよなぁ・・・。ちょっと国王絞めてくるか・・・。」

「「「「「はぁ!?」」」」」

 普通に言い放つその大胆発言に周囲が驚く。まぁ、当然だろう。国に喧嘩を売りに行くようなものだ。


 カララン。


「カララン。」

「カララン。」

 入って来たドアのベルの音を復唱する男女の声。


「あ!?いた!」

「あなた達だったのね!もう一度行って宿の人に聞いたら教えてくれたわ!」

 その声に振り向くとやはり先ほどの宿に来ていた3人組だった。


「貴様等。さっきはよくも騙してくれたな。お蔭で無駄な手間が増えたではないか。」

 怒っていらっしゃる。


「理由を知りたいか?」

 怖気づかず、そう答える。


「・・・ほう。言い訳か?聞いてやろう。」

 偉そうに聞いてくれるらしい。


「面倒。」

「・・・は?」

「面倒。」

 キョトンとした金色の英雄と言われている人にもう一度言う。大事な事なのでrya。


「・・・ふざけているのか!?この俺が誰だか知らないとでも言うのか!?」

 怒鳴り散らす金色の英雄。


「事実、宿の時点では全く知らなかったな。今しがら、金色の英雄とか言われていると知ったくらいだ。名前すらまだ知らん。」

「「どやー。」」

 ロシィとリリィの援護射撃。


「ぐぬぬ。良いだろう。まだ世間知らずの阿呆共がいたとは教えてやる!」

 手を前に翳した。

「黄金に輝く姿!」

「幾千幾万の剣の雨に立ち上がれる者はなし!」

 15歳の男女二人が何やらポーズを取りながら語りだした。


「「金色の英雄と言われるそのお方の名は!」」

「ギルバート・アイオニルである!」

 ドーンと後ろで爆発が起きているようだ。実際には起きていないがそんな雰囲気である。


「で?」

「「「「「「「「「「な!?」」」」」」」」」」

 ギルバート含め、ギルド全員が驚きの声を上げた。皆一緒に驚くの大好きだな。


「あいつ、殺されるぞ。」

「ああ。ギルバートさんはこの国でもトップの強さを誇る。」

「彼こそ、本当に一人でも国を亡ぼせると言われているお方だ。」


「ふん。俺の強さが分かったか?謝るなら今の内だぞ?」

 ドヤ顔の見下した感じで言ってくる。


「ん?ああ。宿でいないって言った事に関しては謝る。あと、からかった事ももう一度謝る。辛さは俺も分かるからな。すまなかった。」

「ん?あ、ああ。まぁ良い。許してやる。」

 潔く頭を下げる夢叶に思わず許すギルバート。


「それで?」

 再び聞く。


「おい、あいつ。あのギルバートさんと対等に話してないか?」

「ああ。俺達ならさっきの態度で無事には済んでいなかったかもしれないのにな。」

「何者なんだ・・・。」



「ああ。国王にお前の強さを見て来いと言われた。俺が十分な強さがあると判断したら貴様等を国のお抱え冒険者、国家冒険者として雇いたいとの事だ。その為には俺と同等か、俺に地を付かせる程度はしてもらわないと困るがな。」


「いや、別に国家冒険者とかどうでも良いのでお帰り下さい。」

 どうぞどうぞと出口へと促す。」


「「「「はああ!?」」」」


 このギルド連中、何回一緒に驚けば気が済むんだ?


いつもお読みいただきありがとうございます。

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