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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第3章 剣と魔法の世界
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第58話

明けましておめでとうございます。今年最初の投稿となります。

今年もよろしくお願いします。

評価・感想等宜しくお願い致します。

「慌ただしいが活気があるな。」

 カーベダの街に入り、うろついて見た感想だ。


 正直、暗い雰囲気になっていると思っていた為、活気まであるとは全く思っていなかった。あの魔物の群れの被害はかなりの物だったはずなのに。そのおかげで慌ただしさはあるものの街の中は群れを追い払ったからか平和そのものであった。

 街の上層部の方で対策やらで慌ただしいのだろう。


 街の中にある文字も日本語ではない。ハングル文字に近い感じだ。異世界だ。


「ギルドってどこにあるんでしょうかね?」

 周りをキョロキョロとさせながら言うルーシー。



「あ、あれじゃないですかね?」

 しばらくすると、それらしき建物をイルが見つける。前の世界と似たような雰囲気がするからである。


 カランカラン。

 とりあえず、入ってみた。視線が集まる。それぞれが品定めをするように見てくる。胃がー。


「ギルドカードを作ってもらいたいのだが。」

 受付に行き、エリィが手続きをしてくれる。


「こちらの方皆さんで登録でしょうか?」

 受付のお兄さんが訪ねてくる。


「ああ、田舎から出て来たものでな。ギルドの説明等して貰えないだろうか。」

「畏まりました。あと、ギルドカード登録に銀貨1枚必要となりますが、よろしいでしょうか?」

「ああ。アーク。」

「あ、はーい。」

 金が入った革袋をガチャとテーブルの上に置き銀貨10枚を渡す。


 何やら、周りがざわつく。


「結構、お持ちなのですね。」

 受付のお兄さんが呟く。金のことだろう。まだ、ごく一部なのだが。


「あー、これは・・・。」

「ああ、門番に話は聞いた。それでここの銀貨1枚分になるのだろう?」

 銀貨の違い気づいた受付のお兄さんに門番にも話は聞いたと言う。


「あ、そうですか。念のためにこちらでももう一度確認させていただきますね。」

 門番と同じ方法で確認を採る。


「これは、約銀貨1.2枚分の価値がありますね。門番にはこの銀貨を10枚お渡しになられたのですよね?」

 受付のお兄さんが訪ねられたのでああ、と答えるエリィ。


「少し、お待ちください。」

 受付のお兄さんが渋い顔をして奥に行き、剣を持った男性に話をしている。するとすぐさま外に出て行った。


「お待たせしました。この銀貨ならば9枚、いえ8枚で通れるはずです。ですので門番は不正を働いたということになり、処罰してもらいに行きました。」

 なるほどと皆頷く。


「溶かして加工すればいいのに削るとか言っていたのでな。疑問に思っていたのだ。揉め事もいきなり起こしたくもないから黙っていたのだが、やはり不正だったか。」

 エリィがふむ。と自己納得している。


「では、こちらの書類にお名前、年齢、職業を書いていただいてよろしいでしょうか。」

 ピラっと十枚分の紙が渡される。ふむ、読めん。


 これは、翻訳と同じでこの世界の文字を見ると読めるように変換するように魔法を使えばいいはずだ。ほいっとロシィにしてもらった。


 周囲がざわつく。無詠唱だったぞ。あの人数に簡単に掛けれるとは。文字が読めないのか!?それよりもちっぱい!などと聞こえてくる。ロシィが片眉をピクピクしている。そんなロシィの肩をポンとルーシーが叩く。胸を強調して。


「ああん!?」

 睨み殺す勢いでドスの効いた声をルーシーに浴びせる。


「ヒー!ごめんなさいごめんなさい。調子乗りましたー。」

 助けてーとシルヴィの後ろに隠れる。


 苦笑いしながらエリィが紙を見ると受付のお兄さんが言った通りの3つの内容しか書かれていなかった。


「ところで、どこからいらっしゃったのですか?この銀貨は見たことがありません。」

 受付のお兄さんが怪しい目で見てくる。


「これに書けばいいんだよな?」

「だねー。」

 話を聞いていないかの如く、スルーする。


「あの、どこから・・・」

 再び受付のお兄さんが聞いてくる。


「あー、字が分からないな。頼む。」

「あーい。」

 エリィは再びスルーしながらロシィに翻訳魔法の文字版を発動する。言葉をこの世界の文字として転写するような魔法だ。それを器用だなと思いながら見る。



 それぞれ、名前、年齢、職業を書いていくというか言っていく。もちろん周りに聞こえないように小声で。

なんだあの魔法は・・・などと周りがざわつく。また、要らぬ注目がぁ。


 年齢は、ロシィは18歳、シルヴィは17歳と誤魔化すことにした。100歳以上でこの見た目とかありえないしね。シルヴィの方が年下なのはロシィをライバルとしてではなく姉のように慕うようになったからだ。やんちゃな子供っぽい姉ではあるが。


「な、なに?」

 ロシィは、ちょっと照れているようだ。


「いや、俺はそういう発想はなかったから器用だなと思って。」

「ユウが頭硬すぎるんだよ。」

 素直に言ったらプークスクスされた。ショボーン。



 書き終わり、それを渡すと微妙な顔をされたが、お待ちください。と言われたので健気に待つ。

 周りの視線が外れてくれない。


「お待たせいたしました。こちらとこちらにお手数ですが、血を一滴ずつで良いので垂らしていただけますでしょうか。お客様用と、こちらで管理するようになります。血を垂らすことにより、個人情報がカードに反映され、またお客様用と管理用に内容が同時に反映されるようになっております。」

 カード二枚に血をつけるようだ。

 指にチクっと針で刺し、それぞれがカード2枚に付ける。血がカードの中に染み込むように入って消える。


「ありがとうございます。これで、ギルドカードの作成は終了です。紛失にはお気を付けください。再発行に銀貨1枚頂戴することになりますので。あと、そちらに依頼の掲示板がございますので、紙を剥がしてお持ちください。」

「了解した。」


 邪魔にならないように受付から離れる。


 ギルドカードには、名前、年齢、職業そしてギルドランクEと書かれているだけで、下の半分ほどは空白だ。何か功績や犯罪などしたときに追加されていくようだ。ついでに職業は、夢叶は魔法使い、エリィは剣士といったシンプルな感じだ。


「これからどうする?」

 戻って来たエリィが訪ねる。


「とりあえず、金が欲しい。」

「確かに・・・。」

「だねぇ。」

「ですね。」

「「「「は!?」」」」


 夢叶の金が欲しい宣言に納得するエリィとリリィにティエ。アース家は何を言っているんだという反応。


「だって、この世界の金がないだろ?」

「ああ、確かに。」

 小声で夢叶がそう言うと、アース家は納得した。


 違う世界の金は結構ある。自家製?の魔石で荒稼ぎさせてもらったのでそれなりにある。しかし、ここの世界の国はない。今のところ違う国の田舎の国の金と思われているみたいだが、いずれ何か不振に思われかねない。しかも、この国より価値のある銀貨を大量に持っているのだから厄介ごとにもなりかねない。それにいちいち確かめられるのも面倒だ。


「何か日帰りで一泊分ぐらいの稼げるものがあればいいんだが。」

「聞いてくる。」

 その言葉にエリィが再び受付に行ってくれる。


 受付のお兄さんと一緒に掲示板に向かうようでエリィに手招きされる。


「宿泊費分を稼ごうと思えば、難易度が高いものになりますね。さすがに日帰りでできそうなのは、現在ありませんね。難易度Sクラスならありますが・・・。」


 この世界でのランクはSSが最高らしい。一番下はEである。SSランクは特殊で滅多にないが放っておくと街が滅ぶ危険性があるかなり危険なものだそうだ。


 夢叶自身も探してみる。


「なんだが、ユウが楽しそう。」

 リリィがつぶやく。初めて依頼をこなそうとしているのだ、選ぶのも少し楽しい。おなじみ薬草採取や、魔物退治といったものが数多くある。


「そりゃあ、前の世界では学校で冒険する前に揉め事起こして国を滅ぼしちゃって居づらくなったし、グラディオでは、冒険者試験だけで終わっちゃったしねー。誰かさん達のせいで。」

 ニマニマしながらリリィとエリィをチラチラ見ながら言われ、なんとも言えない顔になる二人。


「やってみましょうよ。」

 イルが声を出す。


「どれをだ?」

 シルヴィが聞く。


「そのランクSの依頼をですよ。自分たちがどの程度戦えるのかも知りたいですし、いざとなれば逃げればいいのですから問題ないですよ。」

 イルの提案にそれもそうかと思う。


「・・・ん~じゃぁ、アース家達だけで受けてみたらどうだ?」

「いいんですか!?了解です!」

 ビシと冗談っぽく嬉しそうに敬礼してランクSの紙を取るイル。本当に人間っぽくなった。夢叶達の手を借りずに何か事を成す事が嬉しいのだろう。


「ちょっと、冗談はやめてください。ランクSの依頼は経験を沢山積んで、戦闘力もかなり求められます。そうした多くの経験を積んだギルドランクSの方達が最低でもパーティを組んで初めて依頼達成できるようなものなのですよ!それを経験が全くないあなた達にできるわけがないじゃないですか!」

 受付のお兄さんが冗談もたいがいにしろと怒っている。


「大丈夫です。腕には自信ありますので!」

 イルが言い切る。


「わ、分かりました。・・・た、ただし、試験を受けてもらいます。」

 はっきりとした自信に満ちた返事に、思わず返事をしてしまった受付のお兄さん。


「試験ですか?」

「はい。ちょうど、ランクSの方がまだ街に滞在していますのでその方達にあなた達の腕前を見ていただき、問題ないと判断すれば許可を出します。私もむやみに依頼を受けさせてはギルドの信頼にもかかわってきますからね。少しお待ちください。」

 何やら誰かに駆け寄って話をしているようだ。ランクSの人だろうか。


「お待たせしました。こちらが、試験を担当してくださるランクSのお二人です。」

 受付のお兄さんが戻ってきて二人が自己紹介を始めた。


「俺は、チームエメランスのリーダー、ランエス・ニーベル。ランクSの冒険者だ。」

 20歳前半だろうか、エメラルド色の髪にエメラルドを基調とした武器防具に服装で身長180cmぐらいある背中に柄が少し太めの同じぐらいの長さの槍を少し斜めにして背負い、ニカッと白い歯を輝かせ爽やか笑顔だ。ガタイの良い体をしている。


「私は、同じくチームエメランスで副リーダーをしている、エメラ・マールよ。ランクSで、職業は魔法使い。こっちは戦士になるわ。」

 ランエスが言っていなかった職業を親指で指して捕捉しながら自己紹介するエメラは、ランエスと同じエメラルド色の髪にエメラルドを基調とした武器防具に服装、身長は160cmはあるだろうか、スラっとした体形で十分なものをお持ちになり、背中に杖だろうか、身長ほどのランエス同様身長ほどの長さをしている。


 まぁ、あれだ。ランエスとエメラ。二人で立ち上げたパーティらしく、二人の名前を付けてエメランスとなり、この二人は恋人でペアルックという感じだ。服装の違いはズボンかスカートの違いだけで鎧も同じである。


「細かいこと気にするな。それに、わざわざこれから戦うっていう相手に情報を与えるのもどうかと思うぞ。それで、誰が相手をしてくれるのかな?」

 ランエスはもっともな意見を言いながら、夢叶一行を戦う相手は誰かと見渡す。


「やはり、試験はこのお二人と戦うのですね。」

 アクシアはつぶやく。エメランスと戦うのではなく魔物と戦う方がよかったと内心思っていたからだ。なぜなら正直、加減がわからないのだ。前の世界では、グラディオのステータスプレートによりチート成長により人外と思えるぐらいの強さ、圧倒的な強い肉体を手に入れている。魔法はさすがにグラディオのステータスプレートの範囲外ではあったが、夢叶が殺した国家魔術師程度にはなっている。魔法の急成長は、詠唱に魔力を乗せて発動という決められた事象を起こすため魔法ではなく、イメージによる魔法を取得させたからだ。この世界ではどういった魔法の使い方をしているのかわからないが、念の為に誰にも喋らないようにと釘は刺している、

 なので、人と戦ったことがあるのは夢叶一行の誰かとしか戦ったことがない。夢叶一行は全員ステータスプレートによる肉体強化がされているから参考にならないのだ。


「試験を受けるのは僕達四人です。」

 イルがアース家を両手で広げるように紹介する。


「は?君たちが?冗談だろ?まだ成人していないんじゃないのかい?」

 ランエスは驚きの声を上げる。となりでエメラも目を見開いている。あれ?とイルが首をかしげると、この世界の成人は18歳ということを教えてくれた。


「そうなのですか?私達のところでは16歳が成人、一人前として扱われるもので。」

 イルがそうなんだと言う。ついでにアース家は全員16歳だ。


「一体どこから来たんだ?これでも結構いろいろな所に行っているがそんなところ聞いたことがないな。」

 そのような場所はあっただろうかと記憶を辿って唸っている。


「それよりも試験はどうするんだよ。」

 レンが割って入る。


「あ、そうですね。裏側に試験用のスペースがありますので、そちらに移動お願いいたします。」

 受付のお兄さんが先頭を歩きだす。どうやら、こういったギルドに入ったばかりの者は自分の実力が分からず、高ランクの依頼を受けて死ぬ者が多く出て、依頼と同等のランクを持つ者が試験者としてギルド側から依頼して行うようになったと道中に聞いた。


「ここが会場です。」

 そこは、甲子園球場のような広さでベンチなど観客席もある。地面に芝はなく、土だけだ。そして、見渡す限り360度ある観客席はほとんどが埋まっていた。なんだろう、デジャヴを感じるのは気のせいだろうか。


 今回は自分が出るわけでは胃が痛い。リカバー。



感想は参考及び、返事がしやすい内容は極力したいと思ってはいます。

本年も宜しくお願い致します。

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