第56話 剣と魔法の世界
第3章突入です!
ゲート潜り、次の異世界に出た先は見渡す限りの荒野。そして、その荒野を埋め尽くさんばかりの魔物の群れであった。
黒い髪、黒い瞳、黒いデニムパンツに赤いTシャツ、そして黒いカッターシャツを真ん中でボタン1つだけ留めて、あれー?と顔をしている男。往世 夢叶。
肩より少し長い黒い髪に真紅の瞳。背中を開けた黒のワンピース。その上に黒い大判サイズのストールで前を赤い宝石で留めて身を包んで、何故かニヤリとしている黒龍でもある女性。ロネシリィ・ノアルーフ。背中は翼を出しても服が破けないようにする為で、その為肌が出てしまうのを防ぐためにストールで防いでいるという形だ。ついでに、ワンピースの中には短パンを履いており、飛びまわってもパンツは見えないようにしている。夢叶の他の奴に見せてたまるかということらしい。それなのに何故、ワンピースのままなのか、それは尻尾を出すからである。その為、短パンも尻尾の妨げにならない特殊しようである。
白い、銀色のような髪に左右を大きめの黄色のリボンで結ばれたロングツインテールに銀色の瞳、立派な黄色を基調とした鎧に白を基調として黄色のラインがあるズボンを着て腰に剣を左腕に白い宝石を埋め込まれた篭手を装備して顔を引き攣らせている女性。リリィナ・ビギワンス。グラディオの世界の王族である。
ロングスカートからズボンになったのは見えてしまわないようにする為!
純白のように白く、腰まである長い美しい髪に、白い肌、真紅の瞳、そしてロシィ(ロネシリィの愛称)と同じ仕様ではあるが色が白が基調となったワンピースとストールを身に纏い、ロシィと同じくニヤリとしている、白龍であり神龍でもある女性。シルヴァリア・ブランシュ。
黒い長髪の後ろの方で結んだポニーテールに黒い瞳。リリィ(リリィナの愛称)と同様の黒を基調とした鎧に短パンにニーソ。そして、腰マントを靡かせて腰に剣を2本装備してリリィと同じように顔を引き攣らせている女性。リリィ親衛隊隊長、エイリ・ザファース。
短い青い髪に青い瞳、青を基調とし、白のラインが入ったローブを纏い、先端に青い宝石がはめられているロッドを手にして、立ち竦む女性。アクシア・アース。
金髪の短髪に黄色い瞳、青を基調とし、黄色のラインが入ったローブを纏い、戦隊に黄色い宝石がはめられているロッドを手にして立ち竦む男性。イエルス・アース。
赤髪の短髪に赤い瞳、青を基調としたエリィ(エイリの愛称)と同じ鎧の仕様に赤いラインが入ったズボン、腰マントを着用し腰に剣を左手に丸い盾を装備して立ち竦む男性。レンディル・アース。
腰近くまである茶髪の後ろで三つ編に茶色い瞳。そこそこ豊満な胸を青を基調としたエリィと同じ鎧の仕様で包み、茶色のラインが入ったズボン、腰マントを着用し腰に剣を左手に縦長の盾を装備して立ち竦む女性。ルシアナ・アース。
アース家はエリィ師匠に憧れ、尊敬して真似しているのだ。しかし、エリィはリリィが大事でリリィの親衛隊という特別である為、ある程度御揃いにしているのである。
肩に届かない程度のエメラルド色の髪にエメラルドの瞳。リリィと同じ服装に装備をし、違うのは緑のラインを入れてあるかどうかと篭手に緑色の宝石が埋め込まれているというところだけである。リリィの肩に摑まりガクガクブルブルしている女性。アーティエ・グラディオ。
これらが今回、異世界に来た面々であり、状況である。
「さ、さー。アース家の諸君!修行の成果を見せる時だ!」
変な所に出てしまった言い訳をしている。魔物の群れもこちらに気付いており、様子を見ながら近寄ってきているようだ。
魔物の群れの大半は見た目通りならゴブリンとオークばかりである。過去二つの世界と同等の強さなら今のアース家の4人でも対処できるははずと思ったから案外言い訳でもないのだがタイミング的に言い訳にしか聞こえないのである。この視界のどこを見ても魔物が目に入る状況で4人でも対処できると思ったわけは、グラディオの世界にいたころのエリィ1人でもゴブリンとオークなら100体は軽く倒せるからである。そこにエリィとの修行を積み、グラディにいた時のエリィの強さを得てそこに魔法が使えるとなれば簡単に対処できるだろうということだ。
なぜ、エリィと同様の強さを得ているかって?グラディオに行ってステータスプレートを使って強くなったからに決まっているじゃないか。
「わかりました。頑張ります!」
「やってやるさ!」
「やればいいんでしょ!やれば!」
「やりますよ!」
あまりの数の多さに立ち竦んでいたアース家であったが、夢叶に修行の成果を見せる時と言われ、やってやる!という気になる。この世界でどれほどの自分達の強さが通用するのか、それもアース家は気にもなっていたし、グラディオでのレベル上げも誰かに付いて貰いながら強い魔物を倒し、卑怯とも言えるような速度でのレベルが上がっていき、戦いもエリィを中心に圧倒的な強さを誇る夢叶のメンバー内でしか模擬戦をしたことがない。その為、自分達は世界でもどれくらいの実力があるのかわからないのだ。
「「「「行きます!」」」」
アース家、元奴隷達は言葉使いを直すようにと言っていたが結局敬語だけは完全には治らなかった。アース家同士で話すのは普通に話すが、夢叶達に向かって言葉を出す時はどうしても敬語になってしまうのだ。仲間と同時に主でもありますので敬語だけは譲れませんと言われた。しかし、内容は砕けたような感じになり、気楽に話すようになったため、妥協した。
「ちょっとタンマ!」
ロシィの声に駆けだそうとしたアース家が、ガクっと崩れる。
「あっちに戦っている奴がいるっぽいよ。」
魔物が一番密集している付近に魔物が吹き飛ばされたり、何やら魔法の光だろうか時折、その周囲が光る。
「んー。助けに行くか?この世界の強さの基準がわからないから、下手に一掃すれば面倒そうだしなぁ。恐らくこれだけの数の魔物が集まっているというのは異常な現象が起きていると言っていいだろうし。あそこの様子を見る限り、人数もたいしていなくて大規模な魔法も放てる者はいないようだしなぁ。」
うーんと首を傾げる。魔物の群れが近寄って来る。
「私がまた通りすがりのドラゴンにでもなって一掃しようか?」
「む、それならば今度は妾が!」
ハイハーイと手を上げて言うロシィにシルヴィが異議ありと言う。
「そうだな。そうしてもらうか・・・。じゃんけんで勝った方が行ってもいいことにする。」
「よーし。正々堂々と勝負だー!だーだー。」
自らエコーを掛ける。
その横で、私達の修行の成果は・・・?とガックシと肩を落とすアース家。
魔物はだいぶ近くまで近づいて来ていた。
「いくぞー。」
「来い!」
こっちは真剣のようだ。
「ドーラゴンじゃーんけん、じゃんけん、ッポイ!」
バサっとロシィとシルヴィが背中の翼を広げる。
「やるなロシィ!」
・・・なんだこれ?
「アーイコーでドーラゴン、じゃんけん、ッポイ!」
ロシィは背を向けて尻尾を出し、シルヴィは翼で体を包み体を丸めた。
・・・なんだこれ?
魔物たちが走り出してすぐそこにまで迫ってきた。
「なー!?」
「すまんな。今回は妾が行かせてもらう!」
頭を押さえショックを受けるロシィ。勝ち誇るシルヴィ。
ドラゴンじゃんけん。
翼で体を包み体を丸めるのがグー。
尻尾を出し背を向けるのがチョキ。
翼を広げるのがパー。
だ、そうです。
「あ、シルヴィ。最初は軽い威力で頼む。どの程度の強さか見るためにも。」
「了解した。」
『グアアアァアアー!』
夢叶達の頭上で白龍の姿となったシルヴィは360度に咆哮と共にブレスを普通に吐いた。
普通に燃えた、燃え尽きたよ、真黒にな。
どうやらこの世界のゴブリンとオークも他の世界とたいしてかわらない強さらしい。
そのまま、見えるゴブリンとオークの群れをブレスで薙ぎ払い、戦闘があった所にきたシルヴィ。
「な!?白い・・・ドラゴン!?」
戦っていた人間達と魔物達両方が手を留めてシルヴィの方を見る。
人間の方は役20人といったところか、街の入り口を魔物を入れさせまいと護っているようだ。周囲にはすでに何人も死んだと思われる人間が倒れていた。
すぐに動いたのは魔物の方でそれに我に返る人間達。前衛に剣士が斬り込み、それをサポートするように詠唱された魔法が放たれている。
(ふむ。剣と魔法、お互いをサポートし合っている。この世界はどちらかだけ、どちらかだけが優遇といったことにはなっていない、ユウが求めていた関係みたいだな。)
空中で顎を撫でながら見ているシルヴィ。
人間達は、そんなシルヴィ、白龍を不気味にチラチラと様子を窺いながら眼の前の魔物の群れに必死に対応していた。
「ギャッ!」
短い悲鳴を上げ、人間の男が倒れた。
『おっと。』
眺めている場合じゃなかったなと思いだし、人間達の近く以外の魔物をブレスで薙ぎ払い、飛びさる。
数えるほどの数になった魔物は瞬く間に殲滅された。
「あの白いドラゴンはいったい・・・。」
人間達は白いドラゴンが飛び去った方の空を見つめるのであった。




