第31話 魔法の世界
第2章開始です。よろしくお願いします。
「・・・ここどこ?」
「・・・さぁ?」
ビギワンス王国があった世界ところとは別の世界に来てみたものの、日が傾きかけた時間帯、辺りには荒野が広がり、廃屋がちらほら。人影は見えない。
とりあえず、今度は魔法が日常的に使われている世界だといいなと思うのだった。
「ちょっと空から辺りを見回してくるわ。」
「あ、それなら私の背中に乗る?」
「いいのか?」
ロシィの提案に賛同する。
バサッっと翼と尻尾を出し、みるみる姿が変わっていく。
「フッフッフ。さぁ、乗るが良い。」
威厳モードのロシィだが、犬の伏せの状態だ。
「悪いな。」
「ありがとう。」
「すまない。」
それぞれ、感謝しながらロシィの背中に乗って行く。
「ほう、これはこれは・・・。」
悪い顔をしながら乗るシルヴィ。と思ったらすでに足をグリグリしていた。
「んな!?シルヴィ!何をする!」
器用にシルヴィのいる所から黒炎を出す。
「シルヴィ!そんな悪いことはしたら駄目だ。悪戯じゃなく、ただの嫌がらせじゃないか。」
少しきつめに言う。
「む、むぅ。ロシィ相手だとつい。昔ながらの因縁というかだな。」
シュンとなる。
「今はもう、仲間なんだからしっかりと助け合ってくれよ。」
「善処しよう。」
複雑そうな顔をしているが頷いてくれたのでとりあえずは良しとする。
「おー。」
「これは、すごいな。」
初めての空に感動するリリィとエリィ。
地上の荒野とは異なり、圧倒的な青空が広がっている。
「お、あっちに結構大きそうな街が見えるぞ。」
「あーい。んじゃ、行ってみるねー。」
進路をその街に向け移動を開始する。
「そういえば、ステータスプレートの影響はやっぱり、切れてないな。細胞を変化させるとかなんとか言ってたしな。なんだかんだでマジェストって凄い奴だったんだが。」
「本当。最強とか言ってただけのことはある。」
うんうんとリリィとエリィも頷く。
「あ、ロシィ、見つからないようにな。少し離れた所で一旦降りてから行こう。」
「あーい。」
街に近づくと、都会といった感じだ。
城の門の所に人が列をなしている。なんだか、デジャブ。行商人や、いかにも魔法使いですと言わんばかりの杖を持って三角帽子にローブといった服装の人達が多い。
「この金貨で行けたらいいんだが。」
「無理なら適当に奪っちゃうとか?」
「物騒なことは言うな。」
いろいろと話していると順番が来た。
「ここは、魔法都市 マジカルシティだ。何しに来た?」
どこかの魔法少女のような何とも言えない街の名前だった。
「旅の途中で寄っただけなのですが。」
「ふむ。旅のわりに、軽量だな。杖も持っていないようだが、盗賊が出たらどうしてるんだ?」
「えっと。」
杖で魔法を使うのか、でも念願の魔法世界で間違いなさそうだ。しかし、マジェストは杖を使用して戦っていなかった。巻物に魔法陣という戦い方だった。やはり最強だからだろうか。
「ここに着くまで護衛を頼んでいたので。今は、任務終了で護衛の人はどこかに旅立って行きましたが。」
連れてこいとか言われたら面倒だから、旅立たせた。
「そうか。」
問題なく入らせてくれそうだと思った矢先。
「通行料銀貨1枚だ。」
やっぱり金取るのかよと思ったのだった。しかも、地味に高い。
「これで大丈夫ですか?」
銀貨1枚渡す。
「うむ、通ってよし!では、次!」
「通貨は一緒のようだな。」
「ああ、これで金に困ることはなさそうだ。」
ビギワンス国王、リリィの父親から魔物使いを倒した報奨金を結構な量を貰っているのでこの程度痛くも痒くもない。
ついでに金貨100枚貰っている。
マジカルシティに入ると、そこには先ほど列にも並んでいたいかにも魔法使いな三角帽子の格好をした人達と商人が多く行き交いしていた。
「おー、でも、魔法都市と言う割に、魔法を街に使ったりはしてないんだな。」
「うん、ビギワンス王国とたいして変わらない感じ。」
「そうだな。」
「うむ。」
「そんなことより、どっか行こうよ!」
ロシィの全くな提案により移動を開始する。
「まずは、宿を確保しようか。」
「この街の地図を探さないと。」
「あそこにある。」
キョロキョロしているリリィ。見つけるのが早いエリィ。
地図に従い、宿に辿り着く。どうやら、この街、・・・いや。この世界かどうかまではわからないが、宿とギルドが一体となっているようだ。
「5名様ですね、ステータスプレートを提示お願いできますか?」
受付のお姉さんが言う。
ステータスプレートか・・・前の世界のものでも使えるのだろうか?いや、マジェストもこの世界の人間のはずだ、レベル100ではトップクラスと見られる可能性がある。ここは・・・
「すいません、持ってないんですけど・・・。」
「あら?村の方ですか?それなら仕方がありませんね。」
「そ、そうなんです。」
リリィが受け答えをしてくれている。
村、田舎ということか?村の人間はステータスプレートを持っていないのは普通らしいからそれに乗っかることにした。
「それでは、御作りするのですが、銀貨1枚頂戴させていただきますがよろしいでしょうか?」
「わかりました。5人分お願いしてもよろしいですか?」
「かしこまりました。」
何やら視線が集まっている。
「それでは、こちらのアーティファクトに手を置いてください。」
ビギワンス王国と同じステータスプレートを作る石板が出てきた。思わず、リリィとエリィ2人の顔を見る。どうやら、マジェストの世界で間違いなさそうだ。このアーティファクトを改良して普及させたのだろう。
まずは、リリィが手を置くと、体全身が薄い光に包まれ、光が消えたと思えば、石板の横からステータスプレートが出てきた。
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リリィナ・ビギワンス
職業 無職
クラス F
魔力 40
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え!? これだけ!?全員を見ると全員驚きの顔をしている。
「一般的な魔力値ですね。次の方。」
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エイリ・ザファース
職業 無職
クラス F
魔力 38
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「こちらの方も一般的な魔力値ですね。次の方。」
「やった、エリィに勝てるなんて。」
「複雑です・・・。」
守るべき相手より弱いというのは悲しく、強いと言うのもそれはそれで喜ばしいことなのだから。
ロシィが石板に手を置く。体全身が先ほどまでと違い少し強く光った。
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ロネシリィ・ノアルーフ
職業 無職
クラス F
魔力 180
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「180!?」
受付のお姉さんが思わず声に出る。その声に周囲がざわめく。
「え?あの小さな女の子が魔力値180!?」
「素晴らしい逸材だ。」
「うひょひょ。」
なんだかおかしい声も混ざっているが、かなり凄いらしい。
「ねぇねぇ、それはどれくらい凄いの?」
ロシィが調子に乗って聞いてみる。
「あ、はい。えっとですね。」
魔力値 40 まぁ普通の一般人
魔力値 100 期待の魔法使い
強力な魔力値 150 天才
魔力値が高いからといって、当然そのままの数値が強さと言うわけではない。修練しなくてその高い魔力値を弄ぶことになり、なんの意味もなさない。
しかし、魔力値が高ければ高いほど潜在能力が高いということで修練すれば、トップクラスの魔法使いになれるという。
魔力値は、鍛えれば上げることも当然できるが上昇するのは微々たるものらしい。
この世界の最大魔力値は今の所210らしく。
「ロシィ、次は妾じゃ。」
何やら火花を散らしてながらシルヴィがアーティファクトに手を置く。ロシィと同様の輝く。
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シルヴァリア・ブランシュ
職業 無職
クラス F
魔力 183
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「183!?」
「183!?」
受付のお姉さんと共にロシィが驚いた。周囲はさらにざわついている。
「おやおや、ロシィさんや、そんなに驚いてどうかしたのか?」
「キー!なんでよ!?なんでこいつの方が私より上なの!?」
「そう、申されましても・・・。」
足をダンダンさせながら受付に文句を言う。それをシルヴィが勝ち誇った顔で長い髪をヴァサっとして見ている。
「落ち着け、この俺が黙らせてやろう。」
夢叶がドヤ顔でアーティファクトに手を置く。
「やっちゃいなよ!ユウ!」
決してYOUではない。マナ操作がある夢叶、最強と名乗るマジェストすら圧倒する力を持つ夢叶。一体、どれほどの魔力値になるのか。
ステータスプレートが出てきた。
ん?
「今、何も起こらずに出てきた気がしたんだけど・・・?」
騒いでいたから気付かなかったのだろう、そう思いとりあえず見てみる。
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ユウト・オウセ
職業 無職
クラス F
魔力 18
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「「「「「「18!?」」」」」」
受付のお姉さんも夢叶一行全員が叫んだ。
「あの年で魔力値が18とかあるのか?」
「いや、俺は初めて聞いた。」
「10歳の子供でも20はあるよな?」
「ああ、年齢とともに魔力値も増え、普通の家では修行もするから旅立つ頃には40前後が普通になるはずだが・・・」
「つまり、修行もせず、年齢でも魔力値が増えなかった残念な少年ってことか!?」
説明会話とともに少年いただきました。




