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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第1章 魔法が使われていない世界
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第21話 白いドラゴン

3000pv突破!ありがとうございます!

「ド、ドラゴン!?」

 トコウタは目をパチクリさせている。


 バサッバサッと白い強大な翼を羽ばたかせ、上空からこちらの様子を窺っているようだ。


「白いドラゴンなんて初めてだ・・・。」

 兵が信じられない物を見たという様子で立ち尽くしている。


 白いドラゴンは、一通り見まわしたあと、高らかに吠えた。

 その場にいる全員が耳を手で塞いだ。

 コトウタは人質を捕っていたことすら忘れ、白いドラゴンに目を奪われている。それは、人質になっていたリリィナやエイリだけでなく、1番隊の兵達も同じだ。


 ズシンと地面に着地し、夢叶達の方へ顔を向けたその時、もう一体の黒いドラゴンが空から現れ、白いドラゴンを踏みつけた。


「た!助けてくれー!!」

 1番隊の後方の兵が1人走って逃げだす。それをきっかけに1番隊は一気にその場から逃げだすように走り出した。


「ま、待て!お前達!ドラゴンを放っておくわけには!」

 トコウタの声は届かず、1番隊は、トコウタと地面に転がっている下種の男のみとなってしまった。


「そんな・・・」

 さすがのトコウタの絶望している様子だ。地面に転がっている下種は何やら助けを請うているが、気付かない振りだ。


「さて、トコウタ。どうする?」

 エイリの声にハッと我に返る。


 距離はあるものの、ドラゴン相手には十分な距離とは言えないところで黒いドラゴンが白いドラゴンを足で踏みつけ、動きを封じ、首元に噛みつこうと攻防が繰り広げている。



「・・・先ほどの無礼をお許しください。お二人の事を思っての事でして・・・」

 頭を下げ、謝罪する。


「無礼を承知でお願い致します。お力をお貸しいただけないでしょうか?」

「当然だ、ドラゴンを野放しにはできない。」

 一瞬、チラッとロシィの方を見る。

「ありがとうございます。逃げて行った1番隊ですが、きっと増援を呼んでは来てくれるはずです。それまで、なんとかこの2体のドラゴンを足止めだけでもすることができれば。」


「ああ、だが、我々二人では到底、力がまるで及ばないだろう。相手は、謎の白いドラゴン。そして、もう一体は、ドラゴンの中でも最強とされるブラックドラゴンだ。おそらく、白いドラゴンもブラックドラゴンと対等に戦っているように見えることからブラックドラゴンと同等の力はあるだろう。」


「そうですね。できれば、あのままどちらかが倒れてくれたら良いのですが・・・。」


 そう言った矢先、白いドラゴンが口から白い光を纏った炎をブラックドラゴンに放つと、それはブラックドラゴンの体を貫き、こちらにも向かってきた。

 エイリはリリィナをリリィナを抱き抱えてギリギリで避け、夢叶、ロシィ、トコウタもそれぞれ避けるが、下種な男は当然動けず、白いドラゴンの炎に飲み込まれて消えてしまった。


 その炎が通った地面は抉れていた。その抉れた所にブラックドラゴンは倒れ、霧散していく。


「そんな・・・ブラックドラゴンが一撃でなんて・・・」

 震えながら言うトコウタ。何気にこの状態でも逃げださないトコウタは勇敢で民を想うからこそで、良き人物なのだろう。たぶん。



「ユウト様!」

 リリィナが夢叶にどうにかならないかと叫ぶ。

 トコウタは「様?」と思いないならも声に反応し、夢叶を見る。


「たぶん、大丈夫だと思うんだけどな。だよな?」

 と言い、ポンとロシィの頭に手をやる。


「うむ!我がいるからな!今の我が白龍如きに負けるわけがないわ!」

 フハハハーと威張る。威厳モードは続いていたようだ。


「なにをバ・・・」

『久しぶりだな。黒龍。何やら聞き捨てならない事を言っていたようだが?』

 トコウタの声は遮られ、聞き捨てならない白龍の言葉が聞こえた。


「・・・黒龍?」

 はぁ!?どういうことだ!?と夢叶とロシィを見る。


「事実を言ったまでじゃ。何せ、新しい能力ちからを手に入れたからな!」

 どやぁー。ニヤニヤ。


『新しい能力だと?何を馬鹿なことを、我ら以上の力を持った物だと居るはずがあるまい。』


 白龍はドヤ顔のロシィをジッと見て、気がついた。


『黒龍よ。貴様、まさか!?』

「うむ。主従契約をしている!このユウトとな!」


『そこの人間の少年が、貴様より強いと!?ありえん!』

「試してみる?」

 怒りが爆発しそうな白龍に対して、ロシィはニッシッシとしている。


「ユウの力を見せつけてやって!」

「ロシィ・・・」

 白龍に向かってビシッとするロシィに夢叶は暖かい目を向け、

「だが、断る!」

 定番である。


「この白龍って、昔、ロシィとドンパチしてたやつだろ?自分で決着付けたらいいじゃないか。」

「私、この白龍と戦うのもう飽きちゃって~。昔は、勝てるかどうか微妙だったけど、負けることなんてまずないと思ってたんだよね。それで今はユウから貰った能力があるから、勝つ以外に見えないっていうか~。」

 威厳モードは終わったようだ。


『き~さ~ま~。黒龍よ!我を甘く見過ぎだ!本気を出せば、貴様など屠るのは簡単なことなのだぞ!』

 怒りを爆発させてしまった白龍。あー、これ暴れちゃうんじゃね?と夢叶は嫌な予感をしていたら

「って、セリフは果たして何回目だったかな?んん?」

 ロシィの煽っていくスタイル。


『今度こそ殺してやる!!』

 ガパっと大きな口を開け、強大な炎を吐いた。

 

夢叶とロシィは左右に別れて跳び避ける。


『黒龍よ、人間如きが我に勝てぬ所を見ておくがよい!』 


 白龍は夢叶を攻撃対象に選び、低空飛行で高速で突進してきた。


「ブースト」

 身体強化魔法を発動し、突進を空中に避ける。


『愚かだな!人間!我を相手に跳び上がるとは!』


 夢叶が着地するところを狙い、白龍は旋回し、迫撃する。

 しかし、その着地先に夢叶は来ず、白龍の迫撃は失敗に終わる。


『何!?』

 白龍は驚くが、空中に浮遊している夢叶を見てすぐに察する。


『なるほど、魔法使いか・・・相手にするのは何百年振りだろうか。それでも、我が最強であったわ!』


 ガパっと強大な炎を連続で出す。それを空中でフラリフラリと避ける。


「ユウ!真面目にやりなよー!」

 手を上げて言うロシィ。



「なぁ、これは夢ですよね?」

 人間が世界最強の種族、その中でもトップのブラックドラゴンを一撃で倒す白龍と対等に空中で戦うあり得ない光景に、リリィナ、エイリ、トコウタはただただ唖然と立ち尽くして見ていたのだった。

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