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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第1章 魔法が使われていない世界
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第19話 魔物使いとの戦い

――――王都北側 ホクシナ街


「まだか!?まだ来ないのか!?」

「体力が限界だ!」

「あと、あと少しだ!」


 魔物群れは約700体にまで減っている。しかし、疲労による動きの低下により、被害も大きくなってきている。


 ランクS 1人

 ランクA 5人

 ランクB 10人


 現状、残った人数はたったこれだけだ。拾う困憊で格下の相手ですらちょっとした油断が命取りになるような状態だ。

 幸い、怪我人は出ているが、死人はいない。



「よく、ここまで耐えてくれている。」

「だねー。」

「早く助けにいきましょう。」

「待て、何かおかしくないか?」


 離れた丘の上から見ている夢叶達。


「・・・確かに。一体何のつもりだろうか?」

 エイリが気付いたようだ。


「ああ、単純に魔物使いが頭悪いならそれにこしたことはないんだが。魔物たちを順番に戦わせて行く意味がわからん。展開、包囲すればとっくに落とされていたと思うんだが。」

 夢叶が考えを言う。


「そうですね。何か、不気味ですね。」


「しばらく様子を見よう。」

「でも、そうしている間にも、街が!?」

 リリィナが早く助けに行こうと動こうとする。


「お前が行っても何もできないだろ。それよりもあれを見ろ。」

 魔物と戦っている方へ指を指す。



「大丈夫か!?悪いが、自力で後退してくれ。」

 ランクBが負傷してまた1人減った。

 兵達は、自分達の事で精一杯で、動ける負傷者には構っている余裕がない。



「な?敵の動きが怪し過ぎるだろ?」

 さっぱりわからないリリィナ。

「どういうことですか?」


「今、負傷した奴がいるだろ?」

「はい。」

「普通、攻めるなら負傷した所からあの少数ならほころびができて、そこから一気に攻めてしまえば相当な実力がない限り数で簡単に街を落とせるんだよ。」

「そうですね。」

 相槌を打つ。

「しかしだ、迫撃すらしようとせず、別の奴に順場と言っていいかんじで襲っている。」

 言いながら、自分でもどういうことだと必死に頭を回転させている。



 ドドドドッ


地鳴りが聞こえてきた。


「援軍だ!王都から援軍が来てくれたぞ!」

「やった、これで助かる!」

 300人ほどの兵士が援軍として駆け付けた。


「あれは、1番隊。」

 エイリが呟く。


「強いのか?」

「そうですね。強さでも王都の中ではトップクラスです。ですが、一番隊は隊の人数が少ないですが、行軍速度が速い編成でされていて他の隊よりもかなり早く移動することができるようになっているのです。」

エイリが説明をしてくれる。



 今までこれといった動きがなかった魔物の群れが援軍に対して動き出した。

 500体ほどの魔物を援軍にきた兵士たちに向かわせたのだ。


 

 さすがと言うべきか。500隊もの魔物を圧倒している。みるみる内にどんどん数が減って行く。


 しばらくすると、500体もの魔物を殲滅、警備兵や冒険者達と合流し、残りの魔物も殲滅したのだ。


「やるなぁ。」

「遠目で、はっきりとは言えませんが、魔物がランクCばかりに見えますのでその程度なら1番隊にはたいした足止めにすらなりません。」



 魔物の群れの後衛に大きな影が複数現れた。


 ランクA サラマンダーだ。


 今となっては、簡単に倒せるだろうが、魔法を使えない者たちにとってはかなり辛い相手と言えよう。何せ体に炎を纏うのだ。迂闊に近づいては大火傷を負ってしまう。


 そのさらに後ろに、魔物の群れから1体・・・いや、1人が離れて行くのが見えた。


「捕まえるぞ。」

 エイリとリリィナの肩を掴みテレポートする。


 離れていた1人の前に瞬時に現れる。



 やはり人間の男だった。しかし、その目は黒色に充血のような目をしていた。


「え?え?」

「ここは!?」

 リリィナとエイリはきょろきょろと辺りを見回しているとロシィもテレポートで現れた。


「な!?貴様らどこから現れた!?」


 男の声にハッと我に返る。


「き、貴様、どこの国の者か!?」

 エイリは、少し動揺したような問いかけになってしまった。

 

「フン、何者かは知らんが、私をそこらの人間と同じと思わないでいただきたいね。」

 そう言うなり、何かを懐から取り出し、地面に手をつく。


「主!?貴様が主犯じゃないのか!?」


 地面からランクA サラマンダーが出現した。


「「「な!?」」」

 驚いている暇もなくサラマンダーが突進をしてきた。


「主の為、貴様らにも役に立ってもらおう。」


 夢叶はリリィな抱きかかえ避け、ロシィとエイリも跳び避ける。


「サラマンダー程度では!」

 エイリは、突進を避けるとすぐさまサラマンダーに向かって走り出し、首を刎ね落とし霧散させた。


「ぐっ。貴様ら、タダものではないな。」

 サラマンダーがあっさりとやられたことに驚くが、再び何か取り出し、地面から魔物が出現した。


 ランクM レッドワイバーン


 ドラゴンほど大きくもなく破壊力はないが、ドラゴンよりも素早さがある厄介な魔物だ。ドラゴンより破壊力がないといってもランクMな為、それ相応の破壊力は当然持ち合わせている。


「・・・ランクM、レッドワイバーン。まさか、こんな魔物まで・・・」

 さすがのエイリでも一筋縄ではいかないようだ。


「くっくっく。せいぜいがんばって倒してくれたまえ。」

 瓶を取り出し、地面に叩きつけるとその周辺が光出し、魔物使いが消えてしまった。


「逃げ脚の早い奴だ。あんな物まで持っているとは。」

 エイリが言う。


 ん? 魔物使いが消えたことには驚かないのか・・・。ということは、さっきのは魔法アイテムだろ?

 

 ・・・いろいろと出来そうで期待が膨らむじゃないか。


 レッドワイバーンがエイリに向かって踏みつぶそうと跳びかかって来た。


 夢叶達3人は、距離を取り、離れて見ている。

 エイリは手伝ってくれないのかという顔をしているが気にしない。


「ユウ、やっぱり妙だよ。こっちには、可弱いおいしそうな女の子がいるのに、あのレッドワイバーンこっちに見向きもしないよ。」

「ちょ、それってどういうことです!?食べられちゃうんですか!?私!?」

 涙目になるリリィナ。


「そうだな、やはり妙だ。」

「食べられちゃうんだね!?」

「やっぱりそうなんですか!?」

「それはもういい。」

 バッサリと言うとロシィがションボリし、リリィナが安心する。


「レッドワイバーンだっけ?なんだか、様子を見ながらと言うか、加減しながら攻撃しているように見えるんだよな。」

「確かにそうだね。あいつって火を吐けたはずだよ。私より全然よわっちいけど。」


(私よりよわっちぃ?)

 リリィナの頭に?マークが出る。


 そのおかげか、エイリは問題なくレッドワイバーンの攻撃に苦も無く対応しているが、エイリの攻撃も致命傷は与えることが出来ていないようだ。


 通常なら、死ぬ物狂いで必死に戦うような相手だし、空を飛ばれては、迫って来た一瞬の隙しか本来ならば攻撃をすることすらできないのだ。

 しかし、今回、レッドワイバーンは常に低空飛行で高く跳んでもそれは回避する為の動作だけで、剣が届く所にいるのだ。


「やっぱ、何か裏があると思うべきだろうな。そろそろ、助けに行ってやるか。」


 そう言った途端、向こうから一番隊が駆けてきた。


「早いな。」

 

 数体のサラマンダーを倒しすぐにこちらに向かってきたのだ。

 レッドワイバーンもそれなりの大きさな為、こちらで戦っているのが見えて駆けつけてくれたのだろう。


「あなたは!?エイリ親衛隊隊長!?」


「久しぶりだな!?一番隊隊長、トコウタ・ハヤテ。」

 くっ。とレッドワイバーンの攻撃を避けながら言う。


「加勢します!皆の者!エイリ親衛隊隊長をお助けしろ!」

「「「オオーー!!」」」


 そのあとは、一方的だった。レッドワイバーンは最後まで火を吐くことすらなく霧散して消えた。



「御助力、感謝します。エイリ親衛隊隊長。」

 お辞儀をするトコウタ。それに続き、後ろの兵士達も揃ってお辞儀する。


「残念ながら、私はもはや、ただのエイリ・ザファースだ。親衛隊隊長ではない。」

 少し暗い顔をしながら言うエイリ。


「それは、一体どういうことでしょうか?」


 トコウタは、広間で騒ぎになる前に出陣していた為、出来事をまだ知らされていないのだ。


「そして、私もただのリリィナ・ビギワンスだ。」


「殿下!?」

 離れていたリリィナが近づきそう言い放つ。さすがに、急な殿下の登場に周囲はざわつく。


「こ、これは、一体・・・説明をお願いできますか?」


「まぁ、簡単に言うとだな。わからずやの現実を見ようともしない父上と大喧嘩して、王都をエリィと一緒に飛び出たという感じだな。」


 リリィナが苦笑いしながら言う。

 え!?という反応をする一番隊。


「何、私にはエリィがいるし、こちらの二方もいてくれるから心配ない。」


 急に紹介されて、心臓が早くなる。・・・リカバー。


「こちらの方達は?」

 トコウタが問う。


 リリィナは、どういった者かとチラリと夢叶を見る。


「初めまして、ユウト・オウセと申します。こちらは、ロネシリィ。殿下の護衛を務めさせていただいています。」


 護衛と聞いて、眉をピクっと上げるコトウタ。

「失礼ながら、このような少年少女に殿下の護衛は務まらないかと思うのですが?」


「コトウタ、それには心配に及ばない。この方達の腕は私が保証しよう。」


「この方達?どうして、殿下とその親衛隊隊長であるエイリ様がこのような者達に敬語を使っているのですか?」

 もしや、脅されているのでは?というような目だ。


「王都を出た時はエリィしかついて来てくれませんでしたので、そこで信用できるこの御二方に無理を言って護衛を頼んだのですから、当然のことです。」


 笑顔で返すリリィナだが、コトウタは納得しないようだ。

 

 これでもコトウタは腕に自信があり、王都でもランクSSの中では1番強いと自負しているぐらいである。


「失礼ながら、殿下の御言葉を信用してはいるのですが、納得ができないのです。そこの御二方とお手合わせさせていただいてもよろしいでしょうか?」


 ギロっと夢叶とロシィを見る。


「え!?やだよ。」

 即答した。


皆さん、一話に対する文字数ってどれぐらいが良いのでしょうか?

3000~5000前後を目安に書いているのですが。

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