表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第1章 魔法が使われていない世界
19/99

第18話 ホクシナ街へ

――――王都北側 ホクシナ街


「そっちへ行ったぞ!」

「クソがー!」

「行かせるか!」


魔物たちを街に入れまいと奮闘する兵と冒険者達。


ランクDの者達が3名怪我で奥に離脱している。


現状、その他には街の防壁に少しヒビが入り始めている。被害はその程度だ。


「ぐあぁ!!」

 ウルフファングに腕を噛まれ、それを噛まれている別の者がウルフファングの体を斬り裂きウルフファングを霧散させる。


「くそ!負傷した者は下がれ!足手まといになる!」

 腕を噛まれた者は、自力で後退する。


 すでに、当りには一面の魔物の核が散らばっている。

 魔物はまだ800体を下回った所だろうか。拾っている暇など当然ない。


 魔物使いと戦闘を開始して、約1時間ぐらいだろうか。だというのに被害がたったこれだけといのはどういうことなのか。

 

 魔物使いは、魔物を街の周囲に展開させず、襲いかけてきた所からだけしか攻めてこない。まるで魔物たちが順番待ちをしているかのようだ。

罠の可能性もあり、もう1つの出入り口である場所にランクB2名とランクC5名を待機させている。これは迎え撃った50人とは別枠の人数である。

 しかし、1時間立っているのにも関わらず、動きは何もない。


「全然数が減ってる気がしねぇ。」

「もう少し耐えるんだ!きっと援軍が来る!」


 この戦闘でほとんどの者はレベルが上がっている。


 ランクDの者はランクCに

 ランクCの者はランクB

 に上がれるぐらいのレベルアップはしている。


 ランクBとAの者もランクが上がるほどとはいかないが、レベルは上がっている。


 いくらレベルが上がり、魔物を倒すのが簡単になろうとも体力が限界に近付いている。体力がないほど当然、動きが鈍くなる。

 しかし、相手はそんなことはお構いなし当然攻めてくる。


このままでは、ジリ貧ってやつだ。




――――――ビギワンス王国 王都 王城前



「さて、お二人さん。なんか俺に付いてくるって勝手に言ってるけど、連れて行くつもりないんだが?」


「「え!?」」

 驚かれても。


「いや、でも私、王城にはもう戻れませんし・・・レベル2ですし。行く宛も・・・」

 わたわたしている殿下。いや、ただのリリィナ。


「エイリがいるから大丈夫だろう。手伝って貰ってレベルを上げればいい。」


「路銀が・・・」


「それも魔物を倒して換金すれば問題ないだろう。」

 ぐぬぬとするリリィナ。そんなに付いてきたいのか。


「あの場で、一緒に連れて行ってやったのは、旅のよしみとあの父親の対応に少し同情しただけだ。」


「でも!」

「そんなことより、魔物使いが来ているんじゃないのか?加勢に行かなくていいのか?」

 まだ食い下がろうとしているところを割って入る。


「そうでした!」


「おい、殿下・・・」

 

「ユウト様!」

「断る!」

「まだ、何も言ってませんけど!?」

 言う前に断られたことに抗議する。


「どうせ、行ってくれとでも言うんだろう?」


「そ、そうですけど!ユウト様も魔物使いが目的じゃないのですか!?」

「ユウト様、私からもお願いします。このままでは街が滅んでしまいます。最悪すでに・・・。」


 いつのまにか敬語になっているエイリにまで頼んで来られた。


「ユウト様なら、短時間でホクシナ街にまで行けるはずでは?」

 チラっとロシィを見る。


 なるほど、エイリはロシィが黒龍だと知っている。デマイス島の事はこちらがやったと思っているようだが、その移動手段はロシィというドラゴンに乗って移動したと思っているようだ。


「2人は、もう国の人間というか、ただの冒険者だろ?もう、民をわざわざ助けに行かなくてもいいんじゃないのか?」

 ロシィが暇なのか抱きついてくる。


「国の人間とかそんなことは関係ありません!人として困っている人達を放ってはおけません!」


「それに、まず俺はまだ、お前達2人を全く信用していない。」

「そ、それはそうかもしれませんが・・・」

 苦悩の表情をしている。


「わかりました!では・・・」

 あっ、とここは、まだ王城近く、人通りもあることに気付く。

 門番もさきほどから不思議そうにこちらを窺っている。


「申し訳ありません、少しこちらに。」

 人気の少ない所に移動する。



「主従契約をしてくれませんか?契約を結ぶ為のアイテムも必要ないみたいですし、そうすれば、私があなたを裏切る心配はなくなるでしょう?」

「殿下!?それは!」

「はぁ!?」

「ほぅ。」


 ロシィだけニヤついている。


「わかっているのか?ロシィとは能力授与の主従契約だったが、今回は一方的になるはずだぞ?それとも、お前にはなにか特殊な能力でもあるのか?」


「いえ、ただのレベル2です。一方的な契約となるのは承知の上です。」

 決心している顔だ。

「本当か?俺が性奴隷として扱うかもしれないんだぞ?」

「本当に、そうするおつもりならそんなことはお聞きにならないでしょう?」

 どうやら自分が悪いようにされないとなぜか確信しているようだ。



 困ったというように頭を掻く。


「仮に契約をしたとしても、エイリはどうするつもりなんだ?」


 エイリの方をリリィナが見る。エイリが複雑そうな顔をしている。当然だ、奴隷になれと言われているのだ。そう簡単にはいと言えるわけがない。


「どうして、リリィナだっけ?どうして、自分の身を犠牲にしてまでできるんだ?」

 正直、王族であるが為の使命感としか思えない。


「あたりまえじゃないですか。私は、いずれこの国の王になるつもりです。それなのに救えるはずの民を見捨てていては話にならないじゃないですか。」


 そう言いきった。


「でもな、俺と契約したら奴隷なのに王様になるんだぞ。」


「ぅっ・・・そ、そこは隠しきってみせます。」

 先行きが超不安。


「私も契約をしてください。たとえ、奴隷となっても眼の前の民を救えるというのならこの身も捧げます。」


 もう、なんなのさ。


「エイリはなにか持ってたりするのか?」

「これでも、ランクMですのでスキルは使えますが。」


 スキルあったのか!?


「この世界でのスキルはどういう仕組みなんだ?」

「あ、そうか。あれは、当てはまらないのですね。」

「ああ、たぶん。」


 リリィナがなんの事という顔をしている。もちろん魔法のことだ。

 ロシィはジィーとこっちを見ている。

 なんだろ?


 スキル

  ランクS以上取得。以降、ランクが1つ上がるにつれ1つ取得。

攻撃、防御、サポート。

主に大きく3つのカテゴリに別れる。

  発動条件はスキルによって異なる。

  発動方法は、スキル名を言うこと。心の中でも可。

  マナは必要とせず、体力、生命力を必要とする物が多い。

  パッシブスキル(常時発動)も存在する。耐性系が多く、消費も無い物が多い。

  


 大まかにこのような感じらしい。


「・・・どうやって、覚えるんだ?」

「ランクがSに上がる時に目覚めるはずだが・・・」


 ・・・ふむ。今、俺はレベル100。ランクM以上は確定だから、おそらくステータスプレートを更新しないと取得できないのだろうな。

 さすがに、レベル100だと目立つだろうし。でもスキル欲しいし。悩む。



「ユウ、ユウ。もう、契約してあげなよ。」

 ロシィにしては不思議なことを言う。


「何か企んでるのか?」

 ロシィは契約で裏切る行為はできない。つまり、企みといっても悪戯程度しかできないのだ。


「うーん。何も?旅のよしみってやつ?」

 

 旅のよしみすげえな。


「あと、おも・・・たくさんいた方が旅は楽しいでしょ?」


 言ってはならなそうなセリフを吐きかけやがった。


(ロシィ、旅と言っても俺達の移動手段わかってるだろ?)

 耳元に小声で喋りかける。

(そんな移動ばかりじゃなくって、旅もしないとこの世界を堪能できないよ?)


「お前、まさか!?」

 思わず声が大きくなる。


 ニコっと笑うロシィ。

 

「あー。もう、わかったよ。やってやるよ。旅は道連れってか、たく。」

 頭を掻きやれやれとする。


「じゃぁ、ちょっと脱げ。」

「「え!?」」

 顔を真っ赤にする2人。


「あ、すまん。言葉足らずだった。へその下あたりにでも契約の紋を付けようかと思ってな。」


 何せ、2人は鎧を装備しているのだ。とてもじゃないが、鎧を脱がずにへその下に紋を付けるのは無理だ。


「そ、そういうこと。・・・ユウト様がそんなことするはずないわよね。」

 ホッと安心する2人。


「そうでもないよ?私の時なんて・・・」

「はいストーップ。何を言おうとしているのかなロシィちゃんは?」

 ロシィの口を押さえキレ気味に言う。


「え?え?だ、大丈夫ですよね?」

「もの凄く心配になってきたのですが・・・」


「やめとくか?」


「い、いえ!お願いします。ユウト様を信じていますので!」

 リリィナは諦めないらしい。


 ガチャガチャと鎧を脱ぎ、トップスをめくろうかとした時に気付いた。

 リリィナの服はトップスとロングスカートの一体型なのだ。


 リリィナが顔を真っ赤にして震えている。


「デジャブ?」

 夢叶の額に汗が出てくる。


「・・・なるほどそういうことですか・・・」

 リリィナはロシィのワンピース姿を見て察してしまったようだ。


「ひと思いにやってください!!」

 ガバっとスカートを捲り上げる。


「ちょっ!」

 止めに入ろうとしたエイリだが、遅い。


 そこには、なんと気品があふれるとでも言えばいいのか、少しエロっぽい・・・良いパンツが現れた。


「デジャブだね。」

 ロシィも何かと思う所があるようだ。


 夢叶はリリィナのへその下に手を当て、詠唱しようとする。当然、目線は少し下になっている。


「えっと・・・なんだっけ?」

 ロシィに聞いた。なんだか、リリィナがワナワナしている。


「えっとねー。」

 ロシィがニヤニヤしながらじらしている。さすがにこの時の視線はロシィに向いているが、パンツを晒し続けているリリィナにとってはかなり辛いものだ。


「私に続いてね。我が求むは、汝の行為」

「我が求むは、汝の行為」


「はい、要望したい事を言う。」

「俺を絶対に裏切るな。」


「これを対価に我の従属となることを承認する。」

「これを対価に我の従属となることを承認する。」

「以上!」


 白色のクィーンっぽい紋様がリリィナのへそに浮かび上がる。しかし、ほとんど枠だけである。


「え!?うそ!?行動を制限されて、殆ど紋が埋まってないなんて!」

 信じられないという反応をしている。


「それより、これは!」

「はいはい、さっさとしないとまた最初からだよー。丸見えだよー」


 真っ赤にして、手を離し、バサッとスカートを戻す。

残念。


「この辺りに頼む。」

 そう言いながら左の鎖骨下辺りを指差す。


「我の全ては、汝に。我、汝を主と認め、我の全ては汝の為にあると誓う。」

 ロシィはリリィナの手と重ね、夢叶が指定した場所に手を当てる。


 契約にもマナは必要で、アグリメントというアイテムでそのマナを使用するサポートをしてくれている。しかし、今は、アグリメントはない。マナ操作をできる夢叶は問題ないが、リリィナはマナを操作どころか感じることすらできない。それをカバーするためにロシィがサポートしている形だ。


 夢叶の鎖骨下に対となるクィーンの紋様が現れた。


「次はエイリ、どうする?」

「お願いします。」


「我が求むは、汝の行為、俺を絶対に裏切るな。これを対価に我の従属となることを承認する。」


 エイリは、短パンな為、少しめくるだけで問題ない。残念だ。


「我の全ては、汝に。我、汝を主と認め、我の全ては汝の為にあると誓う。」


 リリィナと同様詠唱する。

 紋様の場所は、リリィナの左どなりになるようにした。


 お互いに黒い騎士の紋様が現れる。


「私でもほとんど紋様がそまりませんね。」

 底が知れないと夢叶を見る。


「っじゃ、行くぞ。ゲート」


 空間に穴が開く。


「な、何これ?」

「これが魔法・・・」


「魔法!?エリィ、あなた知ってたの!?」

「・・・はい、ロネシリィと初めて会った日に。口止めはされていましたが。」


「なぁ、ホクシナ街?っていうのはここでいいのか?」

 覗いて見ろと指を指す。


「っわ!?すごい。ホクシナ街が見える。」

 リリィナが覗く。


「こんなことができるなんて、ほんと何者なんですか?」

 何故か、呆れられている。


「ただの平民の魔法使い・・・かな?」


「ちょ、ちょっと。凄い魔物の数がいます!早く向かいましょう!」


 リリィナに呼ばれてゲートをくぐった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ