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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第1章 魔法が使われていない世界
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第16話 えらいこっちゃ

 居心地の悪さに気分が悪くなり、リリィナとロシィと共に広間の廊下へ出て、椅子へ座る。その横にロシィも腰掛ける。


「も、申し訳ございませんでした。」

 声を震わせ、何度も頭を下げるリリィナ。

「いいよもう。あとで、内容しっかりと教えてくれれば。」

 ぐてーと椅子にもたれかかる。

 早く、広間に戻れと手をひらひらさせる。


「申し訳ございませんでした。」

 再び頭を下げ、広間へと戻る。

 その様子を広間の警備兵がヒソヒソと話していた。まぁ、殿下が平民にペコペコと頭を下げていたら不思議がるわな。


「廊下でもやっぱ、居心地悪いな。外に出て待たないか。」

「わかった。歩いて外に行っていい?見て回りたい!」

「んー。見て回るのはなしだ。俺らが単独でウロウロしてたら目を付けられるだろ?」

「え~~。わかった~。」

 残念そうにガックリと肩を落とす。


「・・・ああもう。歩いて外に出るならいいだろ?」

 人目がない所で、テレポートして外に出るつもりだったが、仕方がない。

「やったー!さすが、ユウ!」

 腰に抱きついてくる。


 ・・・柔らかい。



「広いねー」

「・・・ああ」

 呑気に言うロシィに疲れた返事をする夢叶。

 

 広間は一階にあった為、適当に歩いたら出口らしいところに出るだろうと甘い考えで適当に歩いていた。しかし、王城というだけあって、かなりの広さで曲り角も多い。そして、元の場所、広間に戻ってきてしまったようだ。

 ただ、不幸な事に、広間の外にいた警備兵が違うようで、

「貴様、平民風情が何故ここにいる!?」

 2人の警備兵に槍を突き付けられる。今日は槍の日らしい。


 なんで警備兵このタイミングで変わっているのさ!?


「えっと・・・迷子?」

 正直に言った。

「正直に言わないと痛い目に遭うぞ。」


 何やら物騒な事を言う。


「いや、事実なんだが・・・。外へ行く道教えてもらえませんかね?」

 聞いてみた。

「構わないが、まずは牢屋にご案内しよう。素姓のわからぬ者を逃がすわけがないだろう。」

 デスヨネー。


「まぁ、まて。君しだいでは、見なかったことにしてやってもいいぞ。」

 下種顔でもう一人の警備兵がロシィの体を舐めまわすように見ている。ロシィの顎を引き、顔を近づけてくる。もう一人の警備兵も意図を気付きニヤついている。

 ロシィは、もの凄い拒絶の顔をしているが、警備兵はその顔を気にも留めようで

「顔も良い。・・・胸は少し物足りないが、成長すればかなりの上玉になるだろう。」

 ニタァとしながら顎を引いた反対の手がロシィの胸へと伸びる。


「おい、俺のロシィに何をしようとしている?」

 ガシっと胸へと伸びていた手を掴む。


「あ?何のつもりだ?不法侵入を見逃してやろうと言うんだぜ?ここは王城だ、最悪死罪だぞ、ああ?」

 チンピラだー。


「ねっ、ねっ。ユウ!今の、もう一回言って!」

 ロシィは、夢叶に抱きつきながら目を輝かせ、嬉しそうにピョンピョンしてる。照れ臭そうに夢叶は目を逸らした。

 ほんと、自分でも驚きなぐらい、たった数日で殺し合いと言っていいほどの事をしたのにロシィの事が大切になってるんだなと言ってから気付いた。

 2人の世界に浸っている。


「俺達は2人ともランクSだぞ。わかったらとっとと野郎はうせな。ヒッヒッヒ。」

 ステータスプレートを見せ、下種な笑いをする。その笑い声で2人の世界が壊された。


「ねぇねぇ、ユウ。こいつ殺していい?」

 気持ち悪い物を見る目で聞いてくる。

「そだな、殺そっか。」

 こういう奴らは、頭、治らないからな。


 あ、でもここって王城・・・

「ちょっ、待った!」

「え?」

 遅かった。チンピラ警備兵は広間の扉をぶち破り飛んで行ってしまった。

「あ。」

幸い?ギリギリの所で待ったと言った為、当るのに間に合いはしなかったが、止めようとしたため跡形も無く消えることはなく、吹っ飛んだだけですんだ。

「あちゃー。」

 と頭を掻く。



 ドガンと扉がぶち破られ、兵士が飛んできた。

「何事だ!?」

 陛下が叫ぶ。

 扉の方を見ると先ほどの者達が苦笑いして立っている。


「大丈夫か!?」

 広間内にいた警備兵が駆け寄る。

「貴様!やはり、私狙いか!?」

 陛下のその言葉に再び、囲まれ槍を突き付けられる。


「お待ちください!何か事情があるはずです!」

 エイリが止めに入る。

「そもそも、陛下が狙いと言うのならば、最初に入った時に実行しているはずです!」


「た、確かに。」

 もっともな意見だ。

「すまない。取乱した。槍を収めよ。その者達よ、名はなんといったか。」


 そういえば、まだ名乗っていなかった。

「ユウト・オウセです。こっちが、ロネシリィ・ノアルーフです。」

 相手は王様だ。一応、敬語を使っておく。リカバーも忘れない。


「中に入って事情を説明してくれぬか?」

 

「えー。」

 嫌そうな顔をする。しかし、逃げるとさらにめんどくさそうになりそうだ。しぶしぶと中に入り、陛下の前まで進む。

 周囲の警戒が上がり、剣の柄を握っている。それを、よいと陛下が手を上げる。


「簡単に言うと、あいつが、ロシィに対して、下種な発言をした挙句、犯そうとしやがったからだ。あと、そっちのやつも。」

 警備兵2人を指差す。


 ブッ飛ばされなかった方の警備兵の顔が青くなる。


「・・・まことか?」


「い、いえ。そ、その。その者が城内をうろうろとしていた為、問い詰めたところいきなり・・・。」

 しどろもどろになりながら答える。


「こう、申しておるが?」

 こっちに問うてくる。


「・・・俺は事実を言った。あとは、王さんがどちらかが正しいか真実とするか決めるだけだ。・・・です。」


「・・・ふむ。双方、自分の言葉に嘘偽りはないか?」

「は、はい!」

「ない。」

 陛下の問いかけに双方答えた。


「ならば、双方に決闘で白黒をつけてもらう。」

 

「陛下、それではあまりにそちらの方が可愛そうではありませんかな?陛下の近くに居られる者達は、警備兵だろうとランクSばかり。」

「その通りですな。多少、腕に自信があるようですが、あの伸びている者は、油断していただけでしょう。まさか、王城で吹き飛ばされるようなことをされるとは思いますまい。」


 周囲の重鎮らしき老人達が可哀想だと笑いながら話している。


「ユウトと言ったか?何か問題があるかね?」


「何か、こいつら鬱陶しくなってきたんだけど。」

 ロシィが周囲を睨みつける。


「何だ!?やはり敵か!?」

 陛下の横に仕えていた2人が前に出て、周囲も戦闘態勢に入った。


 リリィナとエイリがはわわ、あわわとしている。


「エイリ親衛隊隊長!何をしておる!剣を抜かぬか!」

 陛下の近くの重鎮らしき立派な髭の老人が叫ぶ。


「しかし!」

 エイリは、夢叶とロシィの力を知っている。


 というか・・・

「殿下さんとエイリ・・・俺達の事まだ全然話してないのか?」


「貴様!殿下に向かってその態度は何だ!」

 詰め寄ってきよる。


「まだ、魔物の操る方法を条件に助力してもらえるということだけしか・・・」

 エイリが申し訳なさそうに言う。それなら、しょうがないか。

「いや、それで助かるよ。面倒になりそうだし。そもそもだ、この国でも魔物を操る方法はまだ知らないんだろ?俺は、もしも入手したら教えてくれたらそれでいいんだけど?」


「ふん。何をほざきよる!貴様のような得体の知れない者にそのような重要な情報を入手したとしても渡すはずがなかろう。殿下もエイリ親衛隊隊長もどうかしておるわ。」

 フンと鼻息荒く言い放つ。


「じゃぁ、交渉決裂ってことで。こっちはこっちで独自に動くとするわ。」

 っじゃ。と手を上げ、立ち去ろうとする。


「待たぬか!この罪人がぁ!!」

 立派な髭の老人が叫ぶ。


「なぁ、ロシィ。ドラゴンが人になってるのって普通なのか?」

「たぶん、私と白龍の奴ぐらいだと思うよ?四代元素以上のドラゴン達は人になれると思うけど、なる必要もメリットも特にないしね。」

「やっぱそうかー。ロシィみたいに暇つぶしとかぐらいでしか人にならないってことだよなぁ。だったらそんなことをこいつらが知るわけないよなぁ。」

 ボソボソと会話する。


・・・うーん。


「何を喋っておる!ええい!この者達を捕えよ!!」



「とりあえず、逃げるか!」

「えー。」


「ユウト様!お待ちください!」

 リリィナが呼び止めようとする。


「じゃぁ、これをどうにかしてくれ!」

 攻撃を避けながら走り回る。

 広間を逃げ回っているが、だんだんと広間に兵士が集まって来て逃げ場がなくなってきた。


「ようやく、追い詰めたか・・・逃げるのだけは上手い奴だ。」


「お父様!どうか、お止めになってください!このままでは!」

 リリィナが必死に叫ぶ。


「このままではなんだ?ユウトとやらが死んでしまう・・・か?・・・まさか!?リリィナお前このような輩に心を奪われたのではなかろうな!?」


 王が激おこだ。


「陛下!!」

 広間に声が響き渡る。


「ど、どうした。エイリ親衛隊隊長。」

 今まで聞いたことのないエイリの叫びに動揺する、陛下。


「・・・このままでは、この王都は無くなってしまいます。」


 ざわっ


「な、何を言っている。我が国最強のお主がいて王都がなくなるなどと・・・」

 目を逸らし、苦痛の表情に陛下が叫ぶ。

「バ、バカな!この二人にそれだけの力があるとでも言うのか!?」



 静寂が広がる。



「ま、なぁ、そんなことよりも至急な用事があったんじゃないのか?」

 何気に気になっていたことを今言った。


「そんなことはどうでもいい。デマイス島のことなどあとから調査できる!今は貴様たちだ。」


 ん?


「どこかで聞いたような・・・」

「ユウ、あそこだよ、私と戦った島。」

 ポンと手を叩く。


 周囲が後ずさり。


「ユ、ユウト様?ロネシリィ様?そ、それはどういうことですか?」

 震えながらリリィナが訪ねてくる。


「あ、えっとー。」

 やべっっと顔に、エイリが顔を引き攣らせている。美人な顔が台無しだぞ。と心の中でツッコミを入れておく。



「失礼します!緊急です!魔物使いが現れました!」


グットタイミング!


「すぐに兵を出して救援に向かわせろ!」


 陛下が指示を出すとこちらをギロリと睨んできた。

「まさかとは思うが、魔物使いの仲間ではあるまいな・・・」


全くグットタイミングではなかった。

 余計に怪しまれてしまった。

 ・・・えらいこっちゃ


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