第15話 王都到着
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「それにしても、契約に必要なアイテムなんてよく持っていたわね。」
殿下が聞いてくる。
「アイテム?」
夢叶が首をかしげる。
「「え!?」」
殿下とエイリが首をかしげる。
「契約には、アグリメントっていうアイテムが必要なのよ!?手に入れるのにも金貨100枚は必要なのに一体どうやって!?」
「え?普通に、契約の時に詠唱しただけだけど?」
そうか・・・おそらく、契約する時にはマナを必要とするのだろう。アグリメントというアイテムを使えば、詠唱に反応して、契約に必要なマナを消費して契約できると言うことだろう。夢叶とロシィはマナを操作、感知できるため、不要だったというわけだ。
ところどころで、魔法の存在が見え隠れするな。ステータスプレートだっておそらく魔法の一種のはずだ。昔になにかあって魔法使いが全滅したのだろうか。
「殿下・・・このように規格外の2人ですので、我々に助力していただけるということは、かなり大きい戦力かと。」
エイリが殿下に諭すように言う。
「そ、そうね。ありがたいわね。・・・怒らせたら非常によろしくないということも経験したし・・・」
チラっとロシィを見る。にっしっしっと返ってくる。
「あー。悪いが、戦力としてあまりあてにされても困る。」
「なぜ!?」
「俺達はあくまで、魔物を操る術を知りたいだけだ。その過程で邪魔な魔物を退治はしてやるが、操る術を知るのが最優先だからな。」
「しかし、それでは多くの犠牲が出てしまうわ。」
「そこは頑張れとしか言いようがないな。もともとそっちの都合だ。まぁ、こっちも無闇に血が流れるのは好まないから出来る範囲で助けてはやるがな。」
「・・・あのね、ロネシリィさんの手前我慢していたのだけど、なぜ、あなたがそんなに偉そうに、上から目線なの?確かランクBなのでしょう?」
ぁぁん?とロシィが殿下を睨む。
「あなた、私の主であるユウになんて態度なの!?」
ビクっと殿下がする。ガクガク。
「だって、ロネシリィさんの主といっても少しばかり特殊なことができるだけでしょ?それ以外は大した力もないのに、仮にも助けていただいたのですから、しゃべり方は我慢できます。しかし、この態度は気に食わないのです。まるで、自分がいれば解決できるような態度が。身の程をわきまえて喋っていただきたいものです。」
「いやー、すまん。言い方が悪かったのか。以後気を付ける。」
平謝りの態度に立ち上がり、手を上げる。
「殿下!いけません!」
エイリが止めに入るが遅い。
パーン・・・
夢叶の顔を叩く音が響く。
平手打ちにより、顔は横に向いたがステータスのおかげか痛くもなんともない。
「死にたいようだな。私のユウにそんなことをしていいと・・・」
「ストップストップ。殿下さんがまたやらかしちゃいそうなので馬車での旅ができなくなるだろう。」
ロシィの殺気に座り込んでしまい尋常じゃない震え方をしている殿下を見ながら止めに入る。横に座っていたエイリも震えている。
一度経験しているからだろうか、今回はギリギリ大丈夫だったようだ。
「知らないようだから教えてやる。ユウは、私より強いぞ。」
ドヤっと腕を組み威張っている。
「うそ!?」
信じられないという顔だ。しかし、エイリの方は顔を真っ青にして震えている。
「つ、つまり、こんな短時間で私より強くなったってこと!?昨日では、まだ私の方が強いか最低でも同等だと思っていたのに。」
目に見えて動揺している。それほどまでに、魔法とは強力な物なのだろうか。なんにせよ、彼らを絶対に敵に回してはならないということが分かった。
沈黙が続く。
しばらくして、沈黙に耐えられなくなったのか、殿下が口を開く。
「あの、ロネシリィ様がユウとおっしゃっているのは、ユウト様の愛称でしょうか?」
殿下がついに敬語を使うようになってしまった。
「うむ。私もユウに愛称で呼ばれるからな。私も呼びたいと言ったら許してくれたのだ!」
良いだろうと自慢げだ。
ロシィに呼びたいと言われた時は困ったものだ。もともと、あだ名なんかで呼ばれたこともなく、そう言うとロシィが愛称を安直だが決めてくれたのだ。ほかに、どう呼べって感じではあるが。初めての愛称に少しくすぐったい感じがするだけだ。
度々、気まずい空気になりながらも2日かけて無事に王都に到着した。
(もう、馬車の旅はいいや。)
と思っていると、門に馬車が近づいた時、兵士が駆け寄ってきた。
「お帰りなさいませ!殿下!」
「うむ。御苦労。」
「大至急、王城にお越しください。陛下がお待ちです。」
「何があった?」
「ッハ!その話しもお越しくださった後に話すとの事です。」
エイリと目を会わせ、男親衛隊に急ぐよう言う。
「行ってら―。」
ロシィと2人で手を振る。
「何を言ってるのですか。おそらく魔物使いのことですよ!」
殿下がこっちに対する話し方が普通に敬語で話すようになっている。
「いや、俺、そんな胃が痛くなるようなところに行きたくない。」
ヒヒーンと、どうやら馬の鳴声で夢叶の声はかき消されたようだ。そして、馬車に乗っていたため、そのまま王城の前まで連れて行かれる。
横で、ロシィが笑いを堪えているのジト目で見る。
「こちらが、王城です。」
立派だ。まさにTHE 王城といった感じだ。
「お帰りなさいませ、殿下。こちらのお方は?」
王城の槍を持った門番が訪ねてくる。
「私の客人だ、父上は広間か?」
「っは!広間でお待ちです。」
「この者達も連れていく。」
「しかし、殿下。部外者を連れて行っては!」
「構わない、責任は私が持つ。」
「持ってくれるのはいいけど、俺達行かないぞ。」
え!?と驚愕する殿下。
「え、魔物使いの情報が手に入るのですよ!?それに、現状をユウト様にも聞いておいていただきたいのですが・・・。」
「いやいや、現状を俺に聞かせてどうするの。それに、なんで至急というだけで、魔物使いということになるのさ。もし、そうだったとしてもあとからお前に聞いたらいいだけだろ?」
チャキ
「貴様、殿下に向かってお前とは何様だ!不敬であろう!死にたいのか!?」
なんか門番さんに槍を突き付けられた。
「お前を殺してやろうか・・・?」
ギロリと夢叶の横から覗くように睨みつけるロシィ。
見た目は、可愛らしい少女にも関わらず、この禍々しい殺気は一体なんだと、ゾクリと冷や汗いっぱいで門番さんは一歩下がった。足が震えている。
・・・その気持ちわかるぞ。ボソ
何か殿下が言ったような気がした。
「この方達は、構わん。むしろ、お主たちがしっかりと礼儀を弁えて対応するように。」
雰囲気を切り返るように言う。
「は、はぁ。」
と、頷くしかない門番さんでした。
「父上!只今戻りました!」
広間の扉を開け、入ると、正面に玉座に王が座っており、その両側に側近と思われる騎士が2人仕えている。床は赤カーペット、橋の方にまさにといった場所だ。
「トイレ行きたい・・・」
殿下の後ろでボソッと言う夢叶。
「すまない、我慢してくれ。」
クソー。とりあえず、リカバー。
殿下の後ろにエイリ、夢叶、ロシィ。その後ろに男親衛隊と付いて来ていた。
広間に来るまでの間、殿下に、「さぁ行きましょう」とか言いながら手ガッシリと掴まれて引っ張って来られたのだ。
入る時にその手は離しているが。
「おお、リリィナ。よくぞ無事に戻って来てくれた。」
リリィナ?と首をかしげていると。
「・・・殿下のお名前だ。」
答えてくれたエイリに、あーという顔をしたら、呆れられた。
「エイリ親衛隊隊長及び、ジェイクス親衛隊もご苦労だった。」
ジェイクス?またも首をかしげる。
「「ッハ!ありがたきお言葉。」」
という声で誰かわかった。馬車を運転してくれていた男親衛隊だ。
ここに来て、初耳な名前が多いな。
「して、その者達は?」
王が問う。
「はい。この方達は、魔物使いを相手に力を貸していただける方々です。」
「ほぅ。それだけで、余の前に王城に入れてきたのか?リリィナよ。」
周囲がざわつく。
当然、普通はただ、戦力になるというだけで王城に入れるなどありえない。
「実は、力を貸していただける代わりに条件をおっしゃいまして・・・その内容が私が独断で了承するには手に余る内容でしたので連れてまいりました。」
少し困ったように言う。
「・・・条件?」
「はい。そ、それが・・・魔物を操る方法を知ることだそうです。」
俯きながらリリィナが言った。
「ふざけているのか!?」
「これは、国家反逆罪と言っても過言ではありませぬぞ!」
「この者達を捕えよ!」
などと、周囲の側近達がざわめき、夢叶とロシィに兵士達が槍を突き付け取り囲む。
「・・・まて。そこのあまり顔色が良くない者にそれほどの条件を言える強さがあると?」
リリィナは顔色が悪い?と首をかしげながら夢叶の方を見ると本当に顔色が悪そうだ。
「ちょ!どうしたのですか!?ユウト様!?」
兵士を掻きわけ夢叶に近づき心配する。その様子に周囲のざわめきが大きくなる。
「殿下があのような者に様付けでお呼びしているぞ。」
「思い返せば、この者達に対する殿下は常に王族が平民に言う言葉遣いではなかった。」
「何者だ・・・?」
「心配しなくてもだいじょーぶ。ユウは、緊張してるだーけ。」
槍を突き付けられているのにも関わらず、それを気にも留めずにニコニコとリリィナに話している。
「俺、マジでこういう場とか雰囲気って苦手なんだよ。注目されたりするの苦手なんだよ。嫌いなんだよ。どうにでもなれって思っちゃうんだよ・・・」
リリィナは、ブツブツ言う夢叶が結構危険な状態だということを察した。
「申し訳ありません、まさかユウト様が畏まった場所がこれほど苦手とは思いもしませんでした。広間を出ましょう。」
「悪い。」
夢叶は胃をさすりながらリリィナに寄り添われながらロシィとともに広間を出た。
「大変失礼いたしました。」
しばらくして、リリィナが広間に戻ってくる。
「・・・リリィナよ。あのような者に魔物の操る方法を教えてまで力を借りる必要性があるのか?」
明らかに不満な王であるが。
「はい。」
とリリィナは言いきった。
「ランクMであり、我が国最強の騎士であるエイリよ。貴殿が付いていながらどういうことか説明してもらおうか。」
跪いて頭を下げる。
「僭越ながら、あの者達に助力していただけるように頼んだのは私でございます。」
「なんと!?」
先ほどからざわついてばかりだ。
「とても、そのようには見えないが・・・。」
「彼らを怒らせないようにしてください。最悪、この国が滅ぶといっても過言ではありません。」
一瞬ざわついたが。
「ハッハッハ。まさか、エイリ親衛隊隊長がそのような冗談を言うお人だとはおもいませんでしたな。」
「ぐわっ!!」
ドガンと扉が壊れ、兵士が飛ばされ、広間に転がって来た。




