第14話 主従契約
スピード重視なので、誤字脱字等、ミスはご了承ください。
「はぁ、はぁ、た、耐えたぞ!」
「ま、まさか、全力を耐えられるとは思わなかった・・・。」
お互いハァハァと息も絶え絶えで会話する。
しばらく、無言で休むとロネシリィが近づいてきた。
「私のあの黒炎は、聖属性じゃないと相殺でずに分解されるはずなんだけど、どうやったの?」
「やっぱりか・・・普通に聖属性を付与して、それでも壊されていくから、ひたすら聖属性付与と修復を繰り返しただけだぞ。おかげで、俺のマナまでほとんどなくなったぞ。」
「普通に聖属性付与って、普通できないと思うんだけど。簡単にできたら私だっていろいろな魔法使えてるよ。」
「そうなのか、魔法使いに目覚めてからいろいろと使えてたからイメージの問題だと思っていたけど違うのか?」
「イメージぃ?そんなので魔法が使えるの?」
「まぁ、マナ操作は必須ではあるだろうけど。むしろイメージ以外にどうやって魔法を使うのか、逆に俺はわからん。どうやってブレスとか変身してたんだ?あれも魔法なんだろ?」
「イメージというかそういう物として使ってたよ。」
つまり、用意されていた必殺技をコマンド選択の用に使っていたということだろうか。できた魔法に依存しているということになるのか。
ん?依存しているということは、過去に魔法使い的な奴がいたってことになるんじゃないか?
「わっ!?」
ロネシリィの声に思考が止められた。
「・・・何してんの?」
全身びしょ濡れになったロネシリィがむーと口を尖らせていた。
「イメージでできるって言うからやってみたけど、できないじゃんー。」
ブーブーしてる。
「それは、イメージの仕方かマナの扱いが駄目なんだろ。」
「っていうか、ユウトおかしい!なんで少ししかないのにあれだけの魔法を使えるのさ!」
「何がおかしいのか知らないが、周囲のマナを使えばできるだろ?それに、お前のマナの量の方がおかしい。あのブレスを相殺するので周囲のマナがほとんどなくなったぞ。」
周囲のマナと自分のマナが無くなれば、魔法を夢叶が使うことが当然できない。ロネシリィのブレスが尽きなければ、盾を形成する為のマナが無くなり、そのままブレスに飲み込まれてしまっていただろう。かなりギリギリだったのである。例え、ギリギリのマナで身体強化4倍だーとしても、かわさなければ黒炎は分解するというから、防御力関係なくやられていたかもしれない。
「周囲のマナを使う?」
首をかしげる。
「ん?マナを感じることができるんだから操れるんじゃないのか?」
「感じ取ることはできるけど、操ることなんてできないよ?」
「え!?こう、自分のマナをちびっと出して干渉して・・・」
「ん~?」
ロネシリィはやってみるが、全くできない様子だ。
「俺以外の魔法使い的なのを見たことがなかったからなぁ。もしかして、俺って特殊だったのかな?」
「そうなんじゃない?この世界最強と言っても過言ではない、私にだってできないんだし。」
実際、ランクMであるレベル100でも足元にも及ばないのだ、それを身体強化で3倍にそこ上げしてようやく同等に戦えるほどなのだからこの世界最強と言えるのではないだろうか。対抗できるとしたら、昔に決着がつかなかったという白龍ぐらいだろうか。ロネシリィより強いのかどうかはわからないが。
「まー、私より、強いユウトだからそれぐらいはしてもらわないと困るけどね!」
なんだか誇らしげに言ってくる。
「そんなユウトにお願いがあるんだけど、私と主従契約してくれない?」
瞳を輝かせて聞いてくる。
「・・・主従契約。ほう、俺の性奴隷になると?」
「バッ!?バカ!違うよ!確かに、そういう主従契約もあるけど、私がしたいのは能力授与の主従契約なの!」
「ユウトの何かしらの能力を私に授与してもらう代わりに、ユウトが私から何かしらの能力を貰うか、何か契約、あれはするなとか、これはしろとかそういう行動に制限とかかけたりすることができるの。」
「なかなか、便利だな。主従契約って奴隷しかイメージになかったわ。・・・まぁ別に構わないが、お前がほしいのは。」
「マナ操作!」
ビシッとサムズアップ。
「だよなー。俺はどうしようか・・・。別にドラゴンになりたくないし・・・。その、行動に制限?とかいうのは何個ぐらいできるんだ?」
「それは、私とユウトの力の差で数が変わってくるよ。たぶん、3つぐらいは制限なら普通にできそうな気がするけど?だって、ユウトほとんど手加減してたでしょ?一番最初の攻撃なんて反応するのだけで精一杯だったもん。」
身体強化4倍だーってしてた時か。ロネシリィの強さがわからなかったからなぁ。
「それで、契約はどうすればいいんだ?」
「あ、あと、そのお互い授与した能力は契約している間だけだよ。」
「ふむ。そっちは本当に良いのか?一応黒龍で最強なんだろ?」
「うん、だって、ユウトは私より強いし。頭に乗られた時、あのキングラビットにしたようなことされたら私もただではすまなかっただろうし。私の、最大の攻撃にも耐えたんだから言うことなしだよ。」
うんうんとするロネシリィ。
「わかった・・・いいよ。」
「本当にいいの?」
確認するように顔を覗いてくる。
「ああ、だって、お前、俺と敵対するつもりないんだろ?」
「そりゃぁ、当然。死んだら、契約のリンクが切れて能力が使えなくなるしね。」
「デメリットも特にないんだろう?」
「そだね。奴隷契約ならまだしも能力授与の主従契約では特にないよ。」
「なら、とっとと始めよう。」
「うん!」
元気よく始める。
「えっと、手を出してくれる?」
「こうか?」
右手の手の平を上にして出す。すると、そこにロネシリィの手を重ねてきて
「汝の能力は、我に。我の能力は、汝に。我、汝を主と認め、我の能力は汝の為にあると誓う。」
重なっている手が光る。
「あ、契約の証しに、お互いの体に紋を刻むんだけど、どこがいい?」
「んー。」
「あんまり、長く考える時間はないよ!」
「先に言っとけよな!じゃぁ、肩で!」
あまり表にでない場所を選んだ。
「肩出して。」
左手で右肩を出す。肩に光っている手を当て、
「我が求むは、マナ操作の能力。その能力を糧に我は汝を主と承認する!」
すると、肩に黒色のドラゴンのエンブレムのような紋様が現れる。
「次は、ユウトの番。」
「どうやるんだ?」
「えー?あれだけの魔法使えるのに知らないの?」
「うるへー。」
「いい?我が求むは、汝の行為、この後に、私に紋を刻む場所に触れながら、私に望むことを言って。能力はいらないんでしょ?」
「わかった。紋場所はどこがいいんだ?」
「ユウトにお任せ。」
「やっぱり、あまり表にでないところがいいよなぁ。」
うーんと考える。
「早くしないと、やり直しになっちゃうよ!」
「よし、じゃぁ、へその下あたりでどうだ?」
「え!?」
「え?」
ロネシリィの驚きの声に驚く。
「変態・・・」
顔を少し赤くして言う。
「なんで!?」
「なんでって・・・私、今、ワンピースなんだよ!」
「あ・・・」
そう、ワンピースなのだ。スカートまで繋がっている為、へその下を出すには、スカートをめくり上げるか、上をはだけさせるしかない。つまり、上か下。どちらかが見えてしまうのだ。
「す、すまん。俺と同じ所にするか。」
顔を赤くして、謝りながら肩の方へと手をやる。
「べ、別にいいわよ!ほら、ちゃっちゃとやりなさい!」
バッと勢いよく、スカートをめくり上げる。可愛らしいパンツが見えロネシリィの顔が真っ赤だ。ドラゴンだが、こういう人間の女の子みたいな羞恥心はあるらしい。または、人間生活しているうえで身に付いたのだろうか。
「いつまで見てるの!は、早くしてよ!」
「わ、悪い。」
夢叶も真っ赤にしながらヘソの下へと手をやり、「んっ」という反応をしていたのは聞かなかったことに、無心に・・・。
「えっと・・・我が求むは、汝の行為、えーっと、俺を絶対に裏切るな。・・・今はこれぐらいかな。」
ある部分をガン見しながら唱える。
「それだけ!?」
手の光が消えかかっている。
「これを対価に我の従属となることを承認する。って言って。」
「こ、これを対価に我の従属となることを承認する!」
その瞬間、夢叶よりも一回り小さい、夢叶と対となる黒のドラゴンのエンブレムような紋様がへその下に現れた。しかし、その紋様の色は、紋様の枠はあるが、中の色が少ししか黒色に染まっていない。染まっているのは10分の1程度だろうか。
「うそ!?」
その様子に驚きを隠せない。
「そんなに、差があるの!?」
「どうした?」
「どうしたもこうしたもないの!これ見てよ!」
「ん??」
へその下の紋様を指差す。当然、スカートはロネシリィ自らが上げたままで、夢叶の視線はその少し下を見る。
「この紋様の中の色が染まりきっているとお互いの要求に力の差からなる公平な契約が成立したってことになるの。色が染まり切っていないということは、それだけ、お互いの力に差があり、お互いが要求した内容がその力に公平になっていないということなのよ!」
「俺が、それで良いっていってるんだから別にいいじゃないか。」
ムラムラしてきた。
「問題大ありなの!公平な契約がされていないということは、その差分だけ私に能力がユウトから流れて来ないの!わかった!?」
バサっとスカートが下ろされる。残念。
「・・・いつまで、見てる気?」
スカートで隠れた先ほどまで見えていた光景を思い出しながらまだ、その部分見ていたら、顔を真っ赤にしたロネシリィが指の骨を鳴らして怖い顔をしていらっしゃる。
「・・・眼福でした。」
手を合わせる。
「このエロ主!」
顔面を思いっきり殴られた。とっさに身体強化しなければやばかった。が、しかし、星になった。
「痛いじゃないか!お前なぁ、危うく死にかけただろう。」
テレポートでロネシリィの前にシュンと現れる。今度は、軽く頭をチョップされる。
「お前じゃない、ロシィって読んでよ。主になったんだからそれぐらいは当然だし、信頼もしてるつもりだよ。」
頬を赤くして、笑顔で言う。
「・・・ああ。よろしくな。ロシィ。」
頭をくしゃっと撫でる。
「それで、他には私に要求することないの?」
「うーん。主従契約を聞いた時に決めたのはあれだけだったからなぁ。」
「何か要求してくれないと私、マナ操作たいしてできないんだけど。」
ほら、とさっきびしょ濡れになった程度の水をプカプカさせている。
腕を組んで考える。
「あ、あの黒炎ってどうだ?」
「あれは、私の、黒龍の固有能力だよ。普通の炎は焼くという感じだけど、あれは滅する。という炎なの。だから、黒炎と同等の力を持つものに対しては分解っていう形で効果がでるじゃないかな?ユウトのあの時の盾みたいなのには。」
「なるほどねー。簡単に出せるものなのか?」
「出せるよー。ほら。」
と手にボッと黒炎を出す。
「普通の炎の二倍ぐらいのマナ消費かな。」
「ちょっとやってみよ。」
黒の炎、滅する炎をイメージ。
ボッ!
「・・・そんな気楽にやられては、私の立場がなくなるんだけど。」
口元が引きつっている。
「いやー、でも、むずかしいわ。ちょっとロシィの黒炎とぶつけさせて。」
ポイっと夢叶が黒炎をロシィの黒炎に投げつける。すると、夢叶の黒炎は、ロシィのに当たるなり瞬時に消されてしまった。
「あれ?」
ロシィが首をかしげる。
「おそらく、滅することはできるんだ。黒炎の威力より弱い物に対してなら。でもそれ以上になるとロシィの用に分解に切り替わることなく、逆に消滅させられるんだと思う。分解もできるようにすることもできるが、その場合、通常の炎の4倍ぐらいのマナ消費はしてしまいそうだ。ついでに、今のは2倍消費だ。」
と、ロシィに説明しながら自分でも整理していく。
「よし、じゃぁ、その黒炎でどうだ?」
「むー。私の取り柄が無くなる気がするんだけどー。」
悩んでいる。
「しょうがない!いいよ!マナ操作をもっと使えるようになったほうがいろいろと面白いこと出来そうだし!」
親指をビシっと立てる。
「じゃぁ、また、紋に触れてさっきの承認したときの詠唱を・・・」
顔を真っ赤にして顔面を再び殴ってくるが、今回はしっかりと避けた。
「ひ、ひと思いにやって!」
ガバッとスカートを再びめくり上げる。
へその下の紋様に手を当て、
「えっと・・・我が求むは、汝の能力、黒炎を対価に我の従属となることを承認する。」
紋様が光、黒色に染まっている部分が増えている。10分の3ぐらいだろうか。
「もしかし、要求するものによって変わってくるのか?」
紋様をまじまじと見ている。
「・・・もういいかな?」
ロシィの顔が真っ赤になりながら怒筋が見える。
「あ、はい。」
すいませんとあとずさる。
「おー。さっきできなかったことができるようになってる!」
きゃっきゃと水を操り、氷にしたり形にしたりといろいろしている。
「転移は、できないのか?」
「やってみる!」
「あ、おい!」
止める間もなく、消えてしまった。
「やっほーい!できたできた!」
後ろで喜んでいるロシィを見て胸をなでおろす。
「ったく。転移系は思っているよりも危険なんだぞ!」
「そうなの?」
どこが?という反応。
「適当に考えて転移して、転移先が魔物の群れのど真ん中だったり、地面の中になったり、マグマの中とかだったらどうする。転移先で、そのままわけもわからないまま死ぬことになるんだぞ!」
「・・・ごめんごめん。」
一瞬考えたが、ことの重大さに気付いて誤る。にへぇ~。
「なに、笑ってるんだ?てぃ。」
「あいた。」
注意したのにも関わらず、顔を緩めてニヤニヤしているロシィのオデコにデコピンをする。
「いやー。まだ、会って一日しかたってないのにこんな親密になって、私を心配してくれるような人って初めてだから、つい嬉しくなっちゃって。」
確かに。正直、出会ってこんなに他人?他龍?を信頼するような気持ちになったのは初めてだ。それに、ロシィはこの世界最強クラス。今まで心配されたことなんてなかったのだろう。
「もう、気を付けて使えよ。あと、しっかりと練習な。」
「うん!」
元気よく頷くロシィの頭をポンポンする。
「さて、と・・・これ、どうするかな。」
辺りを見渡すと森林は見るも無残になり、島の向こうの大陸が見えるほどの大地が広がっている。魔物すら姿が見えない。
「まぁ、誰も来ないし、別にいいんじゃない?」
お気楽に言うロシィ。
・・・いいのだろうか。
・・・ま、いっか。
「帰るか、ロシィ。」
「うん!」
こうして、夢叶とロシィは、テレポートで宿のベッドの上に戻ったのだった。
2017/10/03 ロネシリィがマナ感知できていないような描写になっていたところを修正。誤字等微修正




