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異世界召喚されないので、行ってみた。  作者: 手那
第1章 魔法が使われていない世界
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第12話 なんか俺TUEEって言えるようになったんだが

「経緯を聞いても良いかしら?」

 殿下が問う。


「あー。簡単に言うと。出立の準備をしてくれている間、暇だったから、ちょっとレベル上げにロシィと一緒に行ったんだよ。それで、ロシィにできないことがあったから、ロシィが。」

「それ、ほしー!」

 ロシィが間に入る。

「って、事で主従関係の契約をすれば手に入れるってことで契約をした。以上。」


「つ、ついでにその力っていうのは?」

 殿下が呆れたように問う。

「当然、秘密だ。」

「はぁ。」

 と溜息を付く殿下。

 しかし、その殿下の横でエイリの顔が青くなっている。察したのだろう、ロシィがほしいと言った力の事を。

そう、魔法だ。

 殿下には、当然魔法の事は言えないから適当に秘密で押し切るがエイリはすでに魔法を使えると知っている。

 あの、只でさえ、凶悪な黒龍であるロシィが魔法を使えるようになればどれほど脅威になるのか分かっているのだ。


 そもそも、主従関係の契約にもいろいろとあり、

  ・お互いに体の一部に主従契約の紋が現れる。

  ・紋は対となり、主人より従者の紋の方が一回り小さい。

  ・契約方法によっては、お互いに力を分け与えたりもできる。

  ・従者の方は、主人は1人しか持てない。

・契約には特殊なアイテムが必要

契約例 

・一方的な契約。囚人の力の方が圧倒的に強い場合、絶対服従とかできる。奴隷とか。

  ・主人の力が欲しい場合等、従者は何かしらの力、行動の制限等の権利を主人に与える。



 だいたいこのような感じになっている。

 今回は、契約例では2つ目の方だ。


――――― 3時間ほど前

 

殿下達と、出立する話しが終わってから待っている間。

「暇だ・・・」

 ということでロネシリィと2人で、ベッドでゴロゴロしていた。

「ねえ、ユウト。暇なら魔法見せてよ。」

 ロネシリィが座りなおして言う。

「自分でも魔法使えるんじゃないのかよ。」

 体を起こしながら答える。

「使えるけど、炎を吐くのとドラゴンになること以外、あまり得意じゃないの。」

 えーっとめんどくさそうにする。

「ねーえー。見-せーてー。」

 駄々をこねてきた。

「あ、そうだ。見せるのはいいとしよう。しかし、ここでは狭い。移動する魔法があるんだが、この魔法を他人にはまだ使ったことがない。他人に使えばどうなるかわからない。最悪、死ぬかもしれない。それでも行くか?」

 実際、ペンなどは短い距離でなら転移させたことはあるが他人には試したことがない。

「行くー!」

 即答かい。

「早く早くー。」


ロネシリィの肩を掴み、テレポートをする。


「わー!すっごーい!ここどこー!?」

 転移先で速攻きゃっきゃしている。

ここは、キングラビットがいた森だ。

「上手いこといった。よかった。」

「ねぇねぇ。他にも見せてよ!」

 人が成功して安堵しているのに・・・。

「ほら、呆けてないで!早く!」

「ったく。しょうがないな。」

 うーん、と腕を組んで何にしようかと考えていると、後ろにズシンとキングラビットが現れた。

(っく!まだ、俺にこのラビットを殺せというのか!教えてくれゴヒー!)


 手を翳し、涙ながらに雷撃を喰らわせる。ビリビリと、プスプスしながら霧散した。

「っく。すまない。」

 可愛い動物?を殺すのはまだ慣れない。


「キャー!今の雷!?雷を操るなんて、雷龍ぐらいしかいないと思ってた。」

「雷龍?」

「ん?えっとねー。」

 

 ドラゴンはそれぞれ、突出した属性の力を備えているらしい。 


四代元素

  火、水、地、風

 その上位に

  氷、雷、光、

 さらに上に

  聖、闇


という感じらしい。

 四代元素のドラゴンはただでさえ、この世界のトップクラスで人1人ではほぼ勝てないような相手である。しかも、そのさらに上に君臨するのが、これである。ニコニコしている闇属性の黒龍、ロネシィを見る。

 ついでに、ロネシィと争っていたという白龍は聖属性である。


「じゃぁ、ロネシリィはこの世界最強と言っても過言ではないわけか。」

「すごいだろ!」

 えっへん!と威張る。のを無視して、キングラビットの核を拾う。

「おい!無視をするとは悲しいじゃないか!」

 プンプン!胸をポカポカしてくる。本気で怒っていたら、胸が穴だらけになっていただろう。むしろ、跡形も無くなっていただろう。

「スト―プ。どこかに人がいなくて暴れまくってもいい所ってないか?」

「ぉお!?もしかして!?」

 ロネシリィが瞳を輝かせている。

「ああ、無視したお詫びに派手なの見せてやるよ。」

「やっほーい!」

 夢叶の周りを飛び跳ねている。

 首根っこを捕まえて、場所を聞く。

「ぐえ・・・。え、えっとね。この大陸の一番端っこから島が見えるんだけど、そこには誰も人が住んでなくて、帰って来た者もないって話だよ。ランクMですら帰ってこなかったんだって。確か、デマイス島・・・だったかな。」

 ランクMですら帰って来れないって油断したら速攻で死ぬやつだ。まぁ、テレポートすればなんとか大丈夫だろう。ロネシリィもいるし。何より、それほど強い魔物がいるならレベル上げも楽そうだ。


「先端の島と空間を繋げ、扉となせ!ゲート!」

 この大陸の端、誰も帰って来ない島をイメージする。

 空間に穴が空き、ゲートが展開される。その穴の先には違う景色が見える。


 テレポートとゲートの違いは、この門を作るかどうかだ。テレポートでも明確なイメージがなくても転移することは可能ではあるが、イメージが明確でないと飛んだその先でそのまま死に至る可能性がある。しかし、ゲートの門を作ることにより、直接転移しなくても、門の先を窺うことができ、安全を確保できるのだ。

あと、テレポートは振れている者しか一緒に転移できないが、ゲートはその門を潜るだけで、開いている間は何人でも移動させることができる。


「ぉお!?どうなってるのこれ!?」

 ロネシリィが門を頭だけ潜らせたり、その周辺をグルグル回っている。

「早く、入れ。これ維持するの結構大変なんだから。」

「あーい。」

 ピョンと入る。その後を追う。

「ここで、合っているのか?」

 通った正面には絶壁があり、後ろには禍々しい感じのした森林があった。

「あってるよー。」

「帰ってるやつがいるじゃないか。・・・あ、人じゃないのか。」

 自己完結した。


「じゃぁ、早速見せて!」

 瞳を輝かせている。

「その前に、ここの魔物ってどれくらいの強さ何だ?」

 どの程度の威力を出せばいいのか、中途半端では、派手にする分、多くの魔物に影響を与えるだろう。囲まれたりしても面倒だ。

「さあー。でも、ランクS以上の魔物ばかりだったと思うけど?」

 サラマンダーより強い魔物ばかりがこの島にうようよしているのか。そりゃあ、ランクMでも帰って来れなくても不思議はない。かなりの威力で魔法を放たなければ倒せないだろう。


「じゃぁ、とりあえず・・・。赤き炎、一筋の閃光となれ。・・・紅蓮の一閃」

 腕を横に振り、それと同時に森林の方へ、赤い細い線の閃光が行きわたる。

 直後、森林が横に真っ二つへと割れ、炎に包まれた。

「っちょ!?まじで!?森なくなったよ!?」

「ちょっと、張り切りすぎた。」

 当然、自然のマナを使っているわけだが、自然のマナを扱うには、自分のマナを僅かでも干渉させなければならないのだ。

 干渉した自然のマナで炎やらの魔法を顕現させているからそこの消費はない。ただ、範囲が広いとその分、自分のマナを出し広げなくてはならないため、範囲が広いほど消費は大きくなる。


 山?島火事だ・・・

 全ての切れた所から火が出ている。

「おー。さすがにこの規模の火事は初めて!」

 嬉しそうである。

「とりあえず、消さないといろいろまずいだろな。」

 次はどんな魔法が来るのかとドキドキして夢叶を見ているロネシリィ。


「数多の水よ集え、燃え盛る炎を飲み込み鎮圧せよ!」

「・・・貴様か。我の縄張りを!?」

「タイダルウエーブ!」

 なんか、ドラゴンっぽいのが火の中から顔を出した気がしたけど、気のせいだ。

 サラマンダー戦の時よりも規模の大きいタイダルウエーブを放つ。

 あ、水の中にさっきの顔がうっぷうっぷと苦しそうにしているドラゴンっぽい顔が見える。体がタイダルウエーブに飲み込まれており、ドラゴンでいいのかまだ分からない。サラマンダー系の魔物かもしれないし。顔はドラゴンなんだけど。

 ドラゴンっぽいのが必死で溺れないように頑張っている所を見ていたら、タイダルウエーブの津波が引き、全ての火が消えた水に濡れた地面が見えてきた。そこに、先ほどの、やっぱりドラゴンだったのがグテーっとして倒れている。


 突如、ステースプレートが激しく光出し、夢叶を包む。

「レベルアップか!?」

 そう、レベルアップである。紅蓮の一閃で森林と一緒に、大量の魔物が倒されていたのだ。その数はおそらくサラマンダーより強い魔物100体は超えているだろう。

 光が収まると体全身に激しい痛みが襲ってきた。

「っぐ!?ぁあああ!!」

 痛みに立つことができず、膝をつく。

「どした!?お腹痛いのか!?」

 ロネシリィが茶化す。自分の体を抱きしめ、痛みに耐えている。体の内側から焼けるような痛みだ。

「うぐ・・・」

「お、おい!?大丈夫か!?」

 夢叶の様子がおかしいと、ロネシリィが茶化すのをやめ、真剣に心配している。

 回復魔法である、治癒力向上のヒールを先ほどからしているが一向に治る気配がない。痛みは少しはましにはなるがその程度だ。


「はぁ、はぁ。」

「だ、大丈夫か?」

 しばらくすると、痛みが消え、汗だくとなっている夢叶にロネシリィが声を掛けてきてくれる。結構、良い子じゃないか。ドラゴンだけど。

 

「あ、ああ。今はなんの痛みもない。なんだったんだ、今のは。」

 そういえば、レベルが上がったんだった。ステータスプレートを見てみる。


―――――――――――――――――

 名前  ユウト・オウセ

 職業  冒険者 ランクB

 レベル 100

体力  1200

 力   350

 防御力 350

 素早さ 350

 次のレベルまで 4980500

―――――――――――――――――


「ん?」

 ・・・こうして俺TUEEが出来上がった。


 しかも、レベル100よりも上に行けるようだ。

 さっきの痛みは急激なレベルアップによる反動だろうか。


「おー!?レベル100!?人間のレベル100なんて見たの2人目だ。ちょっと、試してみてもいい?」

 試すというのは、当然ロネシリィと戦うということだ。


「少し、休憩してからでいいか?さすがに、さっきのは痛みは堪える。」

「!?、わかった!」

 戦ってくれるとは思わなかったのだろう、一瞬驚いた様子だったが、すぐ喜びの表情になった。

 レベル100、人間で2人目ということは、人間ではおそらく1位か2位の強さになったということだろう。レベル25でも無理をすれば、ロネシリィと渡り合える、やられはしないと思っていたのだ4倍もの強さとなれば、勝てる気にすらなる。しかし、ロネシリィはレベル100以上でも圧倒する力を持っていると前に言っていた気がする。そこを身体強化でどれだけカバーできるかだ。正直、試してみた。俺TUEEがしたい。


「ところで、あそこに倒れているドラゴンは魔物じゃないのか?見た所死んでるっぽいんだが。」

「あー。あれは純正なドラゴンだね。純正な魔物は消えないし、核もでないんだよ。」

 なぜ、いちいち純正と付けるのか。ドラゴンは消えないということでいいのだろう。特に深く考えなかった。

「どれくらいの強さ何だ?」

「んっとね。レベル100でも勝てるかどうかわからないぐらいかな。技量が凄ければ勝てると思うけど、レベルだけの身体能力にものをいわせた戦い方じゃぁ、まず勝てない相手だと思うよ。それをレベル100でもなかったのにあっさりと倒しちゃう夢叶っていったい何者なの?」

「ただの魔法使いに目覚めた一般人だけど?」

 そう返すしかなかった。


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