ver.4
「うーん。」
『?どうしました?』
「カッツには敬語が似合わない!これからは普通で良いよ!」
だいたい猫の獣人とはいえ、見た目は豹だ。食物連鎖の上位に位置する獣が敬語なんて、似合う似合わない以前におかしい。
『………バレた?』
「うん。だいたい敬語使ってる時、ビミョーに顔がひきつってたの、気付いてた?」
『うっそマジで!?』
「くすくすくす。案外バレるの早かったねー、カッツ。」
「あ、マッド。少し振り~。」
「やぁスノウ、少し振り。……何で僕に似た感じになってるの?」
「あ、これマッドのせいじゃないのか。てっきりマッドが悪戯してきたのかと思ってたんだけど、違ったんだ。」
「いやいやいやいや。変な事して、珍しい人材が逃げたら困るでしょ。僕はそんなメリットがない事しないから。」
『多分考える事がこのマッドに似てたんじゃないのか?こいつも魔物の生態とか進化とか、研究してみたいとか言ってたから。』
うーむ。なんとなく同じコト考えてそうだなぁ、とは思ってたけど、それがこんなトコに出るなんて。
「よし。それじゃあ僕から餞別だ。この特別装備の贈呈だ。」
ピコン!
[GMマッド=サイエンスから、プレゼントです。]
イカれた科学者の白衣
狂った保護眼鏡
不可思議な安全靴
『ちょっ!お前それ結構な装備品じゃないか!それはちょっと優遇し過ぎだろ!』
「ん?あぁコレ?大丈夫大丈夫。あのイカれた性能は、GM仕様だから。コレはちゃんと落としてるよ。」
『それなら良いんだが。………ふざけて変なの入れてないよな!?』
「スノウ。スキルは、メニューパネルの中のスキルの欄で見れるよ。メニューは、呼ぶ事で出てくるから。」
カッツの話をさらっと流したマッドは、何故か私にスキル取得の方法を教えてきた。
『ちょっ、おま話聞け..「カッツ。人が話してる時は邪魔しちゃイケないよ?」..うぐっ。………悪かったな!』
「さて、それじゃあやってみて?」
「分かった。」
さっき言われた通り、メニューと呼ぶと、様々な項目がある薄水色のパネルが現れた。そしてスキルと表示されている項目に触れると、パネルの画面が変化した。
【スキル】
NS
格闘:未設定です
魔法:未設定です
生産:未設定です
補正:未設定です
JS
〔ダンジョンマスターβLv1〕
AS
未獲得です
「うんうん。大丈夫みたいだね。」
『って言うか何時まで居るんだよ!お前がやると俺の仕事がなくなるんだよ!』
「良いじゃん。この娘僕の妹みたいな見た目だし。ちょっと面倒見させてよ。」
「あのー、どっちでも良いんで、話を進めてくんない?このまま放置されるのイヤなんですけど?」
「あぁ、ごめんごめん。それじゃ未設定のところをタッチして。」
言われた通りに格闘の欄をタッチすると、
【取得可能なスキル (格闘)】
〔短剣〕〔剣〕〔棒〕〔杖〕〔盾〕〔槍〕〔槌・鎚〕〔斧〕〔喧嘩術〕etc.
「おぉ~。何か色々あるんだね!」
「そうそう。その中から選ぶんだよ。…まぁ、ダンジョンマスターはほぼ戦わないし、違うやつ取った方が良いよ。」
『こいつの言う通り。最初に選べるスキルは十個までだから、使わないスキルは今は取らない方が良い。それより"鑑定"が良いんじゃないか?』