ver.2
『Generic World Oneline、GWOの世界へようこそ。』
眠りについたような暖かな暗闇が晴れたかと思うと、目の前には美人と称するに相応しい、中性的な見た目をした恐らく獣人さんが現れた。………いや、私が出たのか。
「こんにちは。ダンジョンマスター志望のアバター名スノウが良いと願う、柊雪子と申します。」
『あ、ご丁寧にどうも。こちらはGWOの案内人のカッツです。皆さんよく聞いてくるのですが、男です。一応猫の獣人になります。』
まるで営業マンのようなやり取りをしつつ、私は本題を聞いた。
「質問です!ダンジョンマスターにはどうしたら成れるんですか?」
『へ?』
「だーかーらー、ダンジョンマスターです!」
『え!?え~と、ちょっと上と話してきますので、少々お待ち下さい。』
そう言うと、まるで蜃気楼のようにゆらゆらと消えていった。そして、20分も経つと、丸眼鏡を掛けたエリートっぽい、ちょいマッドな研究者風の男性を引き連れて現れた。
「ふーん、君かい?悪役と名高いダンジョンマスター志望の新人テスターって。」
『えぇ。最初の自己紹介でそう言ってたので、多分そうなんでしょう。最初スルーしちゃいましたけど。』
カッツは、乾いた笑い声を上げながら、言葉を続けた。
『ただ、このVRの力で、ある程度嘘は分かるので、嘘を言っていない事は確かなんですけど、』
正気の沙汰ではないのでは?と思いまして。
そう言外に告げたカッツに対して、研究者風の男は苦笑いをしながら、
「素質はかなり良いけど、どうするかなぁ?…………君はどうするの?」
と聞いてきたので、私は堂々と
「勿論、ダンジョンマスターになります!」
と宣言してやった。反省も後悔もしてない!……多分。いやしてない!してないったらしてないんだ!
ちなみに二人の反応は、ポカーン、だった。ですよね~。
~15分後~
「カッツ、君面白い子連れてきたね。」
『いや、連れるって言うか、釣れるですけどね。』
「いや、何ドヤ顔かましてんですか。特に上手くないですから。」
何故か無性にイラつくドヤ顔をキメたカッツを、バッサリと斬り捨てる。…………何故だ!?って顔をしていたと補足しておこう、一応。
「さて、話を戻そう。君がダンジョンマスターに成りたいという事は分かった。次は理由を聞こう。何故、それに成りたい?」
「簡単な話です。ファンタジーの魔物が大好きだからです。特に雑魚モン。あれを最強に導く、これはかなりのロマンが有ると思いませんか?」
「成る程。つまりPK職人に成りたい訳ではない、と。」
「えぇ。まぁ、ダンジョン経営の最中に死人は出るかも知れませんが、プレイヤーなら問題はないでしょうし、NPCは………まぁ、その時によって考えます。」
『大丈夫ですよ。どちらも、殺っちゃったとしても、それが貴女のプレイスタイルになるだけですから。』
「そうそう。それに運営側で敵は作るけど、PC側だと、それこそPK職人位しか居ないんだ。だから、ダンジョンマスターになってくれるのは非常に有難い。一応魔物の進化とかは考えてるけど、新しく思い付いたらGMコールしてくれれば、無理のない範囲で実装するよ。」
「え!?良いんですか!?」
「あぁ。本当はスキルを取ってからじゃないと出来ないんだけど、今回は特別。…まぁ、β特典とでも考えといて。」
彼はそう言いながら、後ろに振り向き、いつの間にか現れたドアに向かって行った。
「ちょっと待ってください!貴方の名前を教えてください!」
「ん?僕?そうだなぁ、この見た目だし、マッドで良いよ。それじゃ、またね。」
あ、自分の見た目をよく理解してらっしゃるようで………。
そんな事を思っている間に、マッドはドアをくぐって居なくなってしまった。
『あのぉ、いきなりで申し訳ないんですけど、見た目ってどうします。』
若干感慨に浸っていると、カッツが本来最初に行うべき事を聞いてきた。ちなみに見た目はランダムで選んだのだが、マッドに妹が居たらこんな感じ……?みたいな感じになった。……………解せぬ。
まぁ、そんなこんなで夕飯の時間になり、私はGeneric World Onelineから一度ログアウトした。
モンスター案募集中。どんなモンスターでも大歓迎ですが、テンプレ雑魚モンスターの進化系中心にお願いします。
例)ゴブリン→ホブゴブリン 的な。
他にも、進化の概要だけでも大丈夫です。
例)ゴブリンとかが剣を使うと進化できる。 みたいな。
此方で進化条件として使えるかどうかを判断します。もし、モンスターの進化として使わなくても、本編のスキルの取得条件にするかもしれません。
勿論、誤字脱字、変換ミスその他の報告や、GWOシリーズの質問も受け付けております。酷すぎる誹謗中傷でない限り受け止めますので、安心して感想を送ってください。待ってまーす。