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第6話 ゴブリンとオーク

19人に増えた村というか集落はとりあえず俺が役割を決める。年寄りは肥料の作り方を知っていたため、汚い作業で申し訳ないが、糞尿とかを溜めてもらおう。肉や魚の骨も焼いて消毒して骨粉にしなくちゃな。今のうちに肥料は大量に作ってもらわないとな。なんで知ってるかって?年寄り2人に教えてもらったのよ。

男3人はとりあえず木材加工や土を耕すとかやってもらおう。今のところは食料はあるが、季節が変わったら野菜を植えてもらうからな。流石にこの1週間、人口が増えることはなかったな。


「ヒロナカ様、少しお話ししたいことが。」

「おうジグ爺さん、どうした?」


年寄りの1人、ジグが不安そうな顔をしている。どうしたんだ?


「その、近くに…歩いて10分くらいのところにオークとゴブリンの小規模な集落があるそうです。洞窟に住んでるそうですが…」

「わかった、高橋、山田!ついてきてくれ!お前らの仲間がいるらしいぞ!敵なら叩き潰す!知能がある奴らの場合は説得してくれ。仲間にするぞ。」

「オウ!オデ、戦い大好き!」

「いや、まだ戦うと決まったわけじゃないでゲス。」

「とりあえず鎧着ろ。武器もってこいこのドアホ。」


気がはええよ高橋。お前ら驚かれるんだから、戦おうとするのやめなさい?


3人で例の集落に向かう。さて、どうするかな?


「高橋、普段オーク達は集落の中では何やってんだ?」

「オデ達、知能ある奴らは狩りをして食ってる。ただ、食料がない時は、村に行って家畜奪う。」


野蛮すぎない?そこは変わんねえのかよ普通のオークと!なんでそこで襲うって判断するんだ!?話し合いどこ行ったよ!!


「見つかったら?」

「逃げる。オデ達、理不尽な殺しはしない。ただ見た目だけで恐れられてるだけ。だが、殺されそうになったら別。腕へし折って逃げる。」

「いや、盗まれたら追いかけるからな普通?この村でトラブル起こすなよ!?山田、ゴブリンはどうなんだ?」


いや、盗まれたら追いかけるわ。ガキでも起いかけるわ。それ見た目関係ねえよ、誰でも怒るわ!まぁいい、俺が質問したら山田が考え込んでるが…なんで?


「俺たちも似た感じでゲス。ただ俺らは近くのうさぎとかを狩ってる感じでゲスね。腕力でも人間には勝てないでゲスから。果物とか盗んで逃げるデゲスよ。だから俺達はオークと共に暮らしてるんでゲス。」

「犯罪者集団じゃねえか!お前ら教育するからな!?他の連中を国民にしたら教育だこの歴史的バカタレが!」

「まだましでゲスよ!知能が低い奴らは本当に人間を襲うでゲス!遊び感覚で襲うんでゲスよ!俺達は食い物に困った時…やつらは、見境なくデゲス!!」

「じゃかあしいわ!てめえらは教育!知能なしはぶっ殺したるわ!」

「ご主人滅茶苦茶」


うん。知能低い奴らは殲滅確定だな。我が国ではそんな事は許さん!今は集落だけど。

あと声でけえよお前、ばれるぞ!?


「外ニ誰カイルゾ!」

「武器ヲモッテコイ!」


あーあ、バレちゃったよ。山田、お前後で吹雪の中寝かせるからな?多分。

ボスらしきガタイのいいオークが巨大な斧を持って周辺を警戒している。あーこりゃやばいな。戦いになったら面倒だ。一回話すか。


「待て!戦いに来たわけじゃない!」

「お前ら、何をしに来た?」

「あー、なんだ。この近くに村を作っててな、お前らがいると聞いて、敵かどうかを確認しに来た。何もしなければ手出しはしない。」


ボスがフン!と鼻息を鳴らす。やべ、斧構えてきやがったぞこいつ。


「嘘をつくな。オデ達。何もしてなくても襲われる。人間は信用できない。」

「待て、オデ達のご主人はそんなことしない。むしろ、オデ達を救おうとしている。」


高橋が前に立ちボスに話しかける。おお、オークとオークが話し合う光景ってなんか新鮮だな。…いや、こいつらも被害者か。


「どういうことだ?お前も同胞なら人間の…いや、亜人の恐ろしさを知っているはずだ。」

「ご主人、寧ろオークとゴブリン、いや、多種族国家を作ろうとしている。信じてくれ、敵じゃない。」

「本当でゲス!ご主人様はオデ達に偏見がないでゲス!」


おお、山田も説得に入ったぞ!マジか!吹雪の刑はやめてやろう。


「本当だ。俺は多種族国家を作る。今は集落だけど、バカみたいだが本当にやる気だぜ?なんなら俺達と共に暮らすか?戦える奴らが欲しい。」

「お前の村に案内してくれ。まずは見てからだ。」

「わかった、ついてきてくれ。武器は置いてけよ?」


ボスが武器を部下に渡す。どうやら少し信じてくれたようだ。高橋と山田と契約しといてよかったな。

村まで案内する。歩いて10分だからそんな遠くないから、それもあるからオークのボスはついてきたのかもしれないな。俺がオークとゴブリンを率いてるってのもあるかも知れないが。


「ヒ、ヒロナカ様!?な、なぜオーク連れてきたのですか!?あなたが契約している仲間ではないのですぞ!?大丈夫なのですか!?」

「言ったろ爺さん。俺が作る国は多種族国家だ。それに、話ができるならそれでいい。」

「は、はぁ…。」


俺の目的を説明済みとはいえオークとゴブリンが近くにいるというのは不安かも知れないな。オークのボスが驚いている。こんな最北の果てで暮らし始めたこと、奴隷とはいえ高橋と山田が受け入れられていることに。


「ここにくればいい。俺としては助かる。」

「なんでだ?」

「戦えるのが俺を含めて4人だけだ。お前らがいれば守れる。」


いやーボスの表情が変わってくねー。そりゃそうでしょ。この前あの爺さん達を襲った賊のアジトに4人でカチコミかけて全滅させたら鶏が8羽いたからとっ捕まえて家畜にして育ててるし、牛二頭も3日前に行商人から購入して育ててるもの。それなりに発展してるのよ。


オークのボスが考えている。そんな事でいいのか?本当に襲ってこないのか?という不安だ。


「お前らの集落は何人いるんだ?」

「20人。女子供は合わせて10人。仲間に迎え入れてくれるというのなら来る。」

「いいぜ。家だって割り振ってやるよ。廃村だったからボロしかないが、そこは自分たちでどうにかしてくれ。」


オークのボスが戻っていく。数分後、集落の仲間達を連れてくる。


「うーむ、ヒロナカ様、あのゴブリン達には何を?」

「それなら決めてるから安心してくれ。」


ゴブリンとオーク達を呼ぶ。さてさて、役割分担をしないとな。


「んじゃ男のオークは武器を持って見張についてくれ。この集落を警備してくれればいい。ゴブリンは男女共に牛や鶏に餌やりを。子供達は草むしりとかだな。ボス、名前はあるか?」

「ある。俺はジャグ、よろしく頼む。」

「OKジャグ、頼むぜ。」


19人から39人になったぞ!

戦える仲間も増えたから大助かりだ!力仕事も、軽作業できる奴らも増えた!いいねいいね!これで流民と難民を増やさなくちゃな!さぁ、地道だが頑張るぞ!


一仕事終えて家に戻る。シルクとルキを呼び、少し話す。


「どうしたの?」

「話したい事って?」

「ああ。お前達のことなんだが、一ジャグ達から聞いたんだが、見るとここから結構離れた所だが、獣人の村があるらしい。とは言ってもその周辺は治安が悪すぎて行くのは難しいがここが大きくなったら交易ができるかもしれない。もしかしたら何年もかかるかもしれないけどな。」


2人の表情が明るくなる。親や友人に会いたい気持ちは仕方ないだろう。

必ず約束は守る。


「う、うん!それでも…!」

「父さん、母さんに会えるなら…!」

「ああ。この村が大きくなって、人手が増えたら捜索もするからな。」


2人は頷く。


「オデも手伝う。ルキとシルクは仲間。見捨てることはしない。」

「そうでゲスよ。俺たちは最初から奴隷として買われた仲でゲス。困った時はお互い様でゲスよ。」


仕事の終えた高橋と山田も入ってきて宣言する。聞いてたのか。


「仕事終わったのか、早えな。」

「全員に教えたでゲスよ。オーク達が2人1組で見張ってくれてるし安全でゲス。」

「おー。ハナが戻ってきたら飯にするか。」


さーて、飯食ったら寝て明日も頑張ろう。この世界ではやる事があるんだから。


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