第17話 新たな種族
まーた急いで外に出る。このクソ忙しい時に全く!つうか何しにきた!?なんでケンタウロス!?難民じゃないのにどうなってんだい!
とまぁ若干イラつきながらケンタウロス達の前に出る。
「お前がこの街の代表か。」
「ああ。お前呼ばわりとは随分偉そうだな?」
上から目線な態度に流石にイラッときてつい荒い口調で言い返す。だがその態度が出るのもわかる。ケンタウロスは荒々しい性格だと言う。実際筋肉が発達しており、ドワーフやオークにも負けないだろう。
「ふん。人間が面白い街を作っていると聞いてな。興味があってきたのだ。この北部で急激に発展しているとも。それ故に我々は来た。」
「なるほど。だがお前らにも街や村があるだろう。故郷は?」
「ない。我々は遊牧民だ。季節毎に移動する。とは言えど最近北部も物騒になってきてな。ダークエルフ達の街が人間の街に襲われたと聞いて我々もきたのだ。」
腕を組み、堂々と言い放つ。
「我々としても罪無き者たちを殺戮するものは許せぬ。我々も加勢したい。」
「…いいのか?ここに住んでもらうぞ?」
「構わん。それに…また新たな仲間が来る。コボルトだ。」
コボルト?なんでコボルトが俺たちの街にくるんだ?今まで来たことがないのに。
「うむ。なぜ?と言う顔をしているな。簡単だ。ダークエルフの仇討ちのために参陣したいのだ。それに、やつらも見た目から迫害されてきた種族。故にこの町で暮らしたいのだ。みむ
「なるほどな。あいつら隠れるのが得意だから見たことないがどんな見た目してるんだろ。柴犬見たいのだったらいいな。あとお前名前名乗れよ。いくらなんでも失礼でしょうが。」
「これは失礼した。アルスだ。よろしく頼むぞ人間よ。」
「本当態度でかいなお前!まぁいいや、弘中牧男だ。よろしく頼むぞ。」
「うむ。そうだ、伝え忘れていたが来るのは3000人ほどだ。」
コボルトはファンタジー設定だと小柄で集団戦闘が得意で数も多く、罠を張るのが得意な犬かトカゲに似た種族だったのは覚えてる。犬が好きな俺は昔飼ってた犬を思い出して妙なニヤけ顔をしてしまう。お、足音が聞こえた。モフろう。もふもふしよう。
「…ん?」
コボルト達が現れる。左右に種族ごとに分かれていて右は犬系、左はトカゲ系で1500人ずつの合計3000だ。300ほどの戦える者達は前衛に立ち。代表の2人が前に立つ。
「自分はリュック、犬族のリーダーだ。よろしく頼む。」
「俺はベック、トカゲ族のリーダーだ。よろしく頼む。」
「弘中牧男だ。よろしくな。」
代表の2人が頭を下げる。身長はゴブリン達と同じくらいか。
「ダークエルフ達の話を聞いた。俺たちも加勢したい。」
「我々コボルトも迫害と差別を受けてきたから気持ちはわかる。だからこそ許せないのだ。我々もヒロナカ殿の盟に加えて頂きたい。そしてこの街に我々も住まわせて頂きたいのだ。」
「感謝する。だが…今は家が足りないからテント暮らしになるがいいか?急いで作らせることを約束しよう。」
それは仕方ないとコボルトの2人は頷く。アルスがテントなら遊牧民である我々が持っているから貸すことを提案してくれて解決だ。
「一気に人口増えたぞおい…5000人なんて予想できるか。1万3千人になったぞ…。」
「別に良いのではないか?」
「そりゃそうだが…家がないから申し訳なくてなぁ…。」
もう少し受けれ態勢を整えておくべきであっただろう。今までは多くで数百人規模だ。それが5000人近くなんて予想がつくわけがない。ケンタウロス達は遊牧民なのとテント暮らしで充分と言っているからいいが、問題はダークエルフとコボルト達だ。千以上の家が必要なのだから。
「ドワーフ達とエルフ達をかき集めてくれ。もちろん人間の大工もだ。フル稼働して家を。木材でも石造りの家でもいい。」
テントやバラックでも充分かと思うかもしれないがそうはいかない。難民、流民だらけの街で鍵もドアもない家など肉食獣に囲まれた草食獣のようなものだ。ハイエナに囲まれた弱った生き物でもあるだろう。つまり、治安の悪化は免れない。今は問題なくても必ず悪化するどれだけ周りと親しくても時間がかかれば黒い感情は渦巻きはじめる。だからこそ作らねばならない。
「オークと人間達の兵士でキャンプの巡回を頼む。高橋、ジャグ、指揮を頼むぞ。」
「まかせろ。」
「わかった。」
人口が増えるのは嬉しいことでもあるが、苦労がまた多いのも事実だ。とにかく長達に指示を出しやることをやらせよう。
大工達は朝夜交代制で家つくってくれるそうだ。給料を倍にしなくちゃな。と心の中で笑いながらぼやく。
家屋を作るのも当然だがもう一つある。ダークエルフの街を襲ったところの情報とそことの戦争についてだ。戦争に備えるための装備をも増産しなければならない。
とにかく今日は大騒ぎの1日だったが、明日はさらに会議が大変だろう。北部統一の目標を達成するために、どれだけの苦労があるのか、これからももっとあるのかを考えると少し胃が痛くなるのであった。




