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第13話 交渉と拡大

交渉のために街に入る。酷いとしか言いようがない。戦闘前に誘き出すために少し入ったが、その時は一部だけだ。屋敷は立派だが、他の建物は重税により修復もできないのだろう。ヒビが入っており、ボロボロだ。ホームレスも多く、痩せこけている人が多い。

街の人々が俺たちと捕虜を見てざわつくが気にしない。

屋敷の中に入り、俺が護衛と共に会談の場で待つと先ほどの隊長がくる。互いに椅子に座り、交渉が始まる。ほぼ形式的なものだが。


「さて、この街の長を出してもらおうか。」

「死んだ。部下達に親分と呼ばれていた奴だ。」


死んでたんか。んじゃNo.2を呼ぶか。


「んじゃ副長を」

「そんなものはいない。奴が全てを仕切っていた。」

「もういいや…あんたが交渉の場についてくれ。」


めんどくせえな!?マジでダメ人間じゃねかあいつ!無能にも程があるわ!仕方ない、この隊長さんに頼むしかねえよほんと。


「…わかった。」

「まず名を名乗ってくれ。俺は弘中牧男」

「…ダルトンだ。」


ダルトンか、かっこいい名前じゃねえか。まぁそんなことはどうでもいい。交渉を始める。


「ダルトンな。よし、じゃあ交渉に入ろう。まずこの街は俺らの傘下に入る事。」

「当然だな、俺たちは負けた。もう抵抗する力もない。」

「その次は街を建て直す。スラムから立派な街並みにしてやるよ。その代わりあのバカ親分の資産は全部俺たちが貰う。そして俺がアストリスから購入した奴隷、全ての人種を受け入れる事。税率は俺の街と同じくする。それが条件だ。」


傍目から聞けば甘すぎる条件だ。だが俺は真剣だ。この北部統一には対立も、遺恨も全てを消さねばならない。何より厳しすぎる条件をつければ即座に内戦だ。まぁ大国同士でないし街同士だからほぼ小競り合いだからな。


「それでいいのか?むしろ我々に有利すぎでは?」

「いや、それでいい。俺たちの目的は北部統一。領土を広げる事だからな。罪のない街の人々まで苦しめるわけにはいかないからからな。」

「わかった、その条件を呑もう。」


俺が紙を取り出し、署名させる。ダルトンがスラスラと書き、条件を呑む。交渉とは名ばかりの契約だ。例え敵だったとても仲間になるならしっかりした扱いをする。なにより元の親分は悪政を敷いてたのだからな。民達は俺たちの政策にどう反応するか見ものだ。


翌朝、俺は帰り、ドワーフやエルフ達をアルビとレグノに派遣する。そして親分とやらが持っていた数多くの財宝をマルクスに頼み売却し、資金にしてアストリスに護衛と輸送隊の計30人を派遣していつも通り奴隷達を購入させてくる。

ダルトンはレグノの街の長に就かせた。あの街の人々や部下からも信頼されてたからな。


「開戦前に派遣していたのが戻ってきたから…また各種族50人ずつ…。レグノとアルビに半分ずつ分けて…」

「ヒロナカ様、書類仕事って大変だな。」

「だろ?手伝ってもらって悪いなシルク。さて飯にするか。おーいルキ、飯を持ってきてくれ。」

「はーい!」

「ルキ、明るくなりましたね。」


ハナがルキの返事に微笑む。それなりの月日が経ったが、本当に明るくなったな。病弱でこの街…初期の廃村に来るまでの移動中はあまり喋らなかったし高橋と山田には怯え、ハナは優しく接していたがそれでも不安があったのだろう。

廃村について、最初は子供達と遊び、農業を手伝い始めてから明るくなった。


「ああ。本当にな…」


目の前に昼飯が置かれて食事をとる。さーて、飯を食いながらこれからこの街の拡大を考えなくちゃな。


人口推移を見て、作物や家畜の数などを見て…交易などで得た資金、再来月あたりから来る買われた元奴隷、全部考えねばならぬ。


「新たな流民や難民がまたきましたから人口は今は5000人ほど…。」

「私が聞いた話だと北部の難民達がここを知って向かっているそうだよ…?」

「人口は増えて嬉しいが…各村に分配しないとなぁ。最近子供が産まれた家庭も多いし。」


あー頭痛くなってきた。覚悟はしてたけどこいつは大変だぞ…。俺元の世界で事務なんてやったことねえもんなぁ。

各町の間に村作るか。8箇所くらい50〜80人くらいの村作ってついでにその村に検問所も作って、蜘蛛糸工場も作って…


「あーこりゃ大変だな。」

「食事中にまで仕事しないでくださいよ。」

「やらねえと終わらねえんだよ。」


あーめんどくせぇ!市長とか役人ってすげえんだな。税金泥棒とか内心思っててごめんなさい。あなた達すげえんだな。


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