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第11話 会議と動くとき

2ヶ月経ちましたが、人口が2000人を超えました。え?なんでって?そりゃクレアナとダリオンの仲間達が続々合流してジャグの知ってる各地の集落からどんどんきて、獣人や難民がどんどんきたから。差別がなく、誰でも受け入れる場所と北部の一部では有名になってるらしい。あのオンボロ村から発展して町になった。俺が住んでいたあのボロ家も大規模に改修して役場というか市役所みたいにした。俺の家?役場の隣に家建てて引っ越ししたよ。初期メンバー6人で暮らしてるよ。結構広いし。


「と言うわけで…これより会議を始める。」


各種族の代表を集める。もちろん初期メンバーのハナ達もいる。


「税制度はマルクスの提案もあり、金貨と農作物で、行商人もバンバン来て商売を認め、小規模ながらこの北部ではそれなりの所…」

「ヒロナカ様の目標は国を作り、北部統一、そしてアストリスと魔王軍に戦争を仕掛ける…各種族の代表もそれを認めてますが何をするつもりですか?」


クレアナの質問に俺は頷く。それはこの町をさらにどうやって大きくするか。地図を広げ、今この町の領土の広さを書き、周辺の村や街、スラム街を書いていく、


「そろそろ動こうと思ってな。この周辺に人口300〜500人くらいのスラム街があちこちにあるから傘下にしたい。規模を考えれば戦っても勝てるだろ?」

「経済力も上だからな。場所によっては我々の下につきたい所もあるらしい。」

「治安の悪いところと安定してる所…どちらを選ぶかなんて一目瞭然ですからね。ですが、戦争を仕掛けるには大義名分が必要です。それに無理やり力で押さえつけたらいつ裏切るかわかりません。」


そう、そこが懸念だ。大義名分がなければどのような行為も批判される。町の人々や隣の街や集落、村の人々から恐れられては意味がない。


「それに、人口も増やさなくちゃな。マルクスに教えてもらった奴隷商人から毎月200人、多い時は300人購入する。すれば人口は増えるからな。とはいえ2〜3回までだ。予算を圧迫するからな。」

「金銭面に不安があるなら魔王軍の領土から奴隷を救出するか?アストリスから解放するだけじゃなく、魔王軍の捕虜や奴隷を解放すれば人口も増えるし、大義名分も立つんじゃないか?」

「それがいいと思います。魔王軍に奴隷にされたり捕虜にされた者は強制労働、地獄のような生活を味わされてるようです。」

「すると解放した者達の食料が大量に必要だぞ?助けましたが食料が足りませんでは笑えんぞ?それに魔王軍までの領土は遠すぎる。」


ジャグの懸念は尤もであるがハナの提案も正しい。だが領土を広げ、人口を増やし、国にしなければ第一の目的も達成できない。全員が考え込み、レインが手を挙げる。


「でしたら、まずは周辺を『助ける』のはどうでしょうか?」

「どう言うことだ?」

「賊に被害を受けている場所なら賊を討伐、スラム街なら治安を悪化させている者達を討伐し、私たちが治める。手紙や使者を送り、私たちが戦う代わりに傘下になれば食料供給、治安維持を担う。懐柔していくのです。もちろん、最初から傘下になりたい所は受け入れる。それがいいのでは?」


懐柔か、確かにそれはアリだな。併合も過去の歴史上行われてきたことだ。魔王軍の奴隷を助けたいが距離と食料問題を考えると今現在の俺たちの町では無謀だ。領土はあれど家も足りないからな。集合住宅はまだ作れないし。それに、何事も外交からだからな。

まずは周辺の小さい村や町の5ヶ所に使者を送ることに決定した。ただ治安のヤバいところは護衛が必須なのでオークとドワーフの方々を50名くらいつける。絶対手出しできねえよ。あと、ある事をオークとドワーフ達に伝える。

午後、使者達と護衛団が出発する。さーて、どうなりますかね?


「とりあえず村やスラム街まで2日くらいか。返答は2日くらい、んで帰ってくるのを考えると暇だなぁ。寝るか。」

「働いてよヒロナカさん。」

「働けご主人。」


ルキと高橋がブー垂れてくる。えー俺この村設立して街にしたのよ?疲れたから休ませて?

寝っ転がろうとすると高橋が俺の首根っこ掴んで外にぶん投げる。ひでえ。こいつ悪魔だよ。オークだけど。


「ひでぇよ母ちゃん。まぁいいや、高橋、アズチ達のところに行くぞ。ルキ、ウマ達の世話をよろしくな。」

「おう。」

「はい!」


今回は蜘蛛族の協力が必要になるかも知れない。勿論、あいつらとの契約通り知能のないゴブリンやオークを討伐して持ってってるからね。だって数多いんだもん。なんであんな増えてんだよ。ゴキブリかあいつら。好都合だからたまに『わざと』集落をしっかり残して蜘蛛達に教えてる。蜘蛛族の餌に困らないからな。森の前に着くと見張りの蜘蛛が出てきたから伝える。


「お、ヒロナカよ、どうした?糸の生産はできてるし、さっきの会議のことか?」

「ああ。今回は蜘蛛達の協力が必要だからな。伝え忘れていたがもし戦争になったら手を貸してくれないか?」

「勿論だ。我々の牙は鋭いし、手足が斬られても脱皮すればまた生えるから気にもしないからな。偏見を無くすことができて人々の役に立てるのなら喜んで手を貸すぞ。」


見た目はオオハシリグモなのにアシダカグモかよお前ら。だが本当にいい奴らだな。問答無用で焼き払おうとした前の俺をぶん殴りてえよ。蜘蛛苦手だけど。


「すまないな。そういや俺らが教えた集落はどうだ?」

「おお、勿論有効活用してるぞ。とはいえど奴らも警戒し始めて周辺の連中と手を組み始めてな、こちらも住処を広げて子蜘蛛達が小競り合いをしている。今のところは大丈夫だが…」

「任せろ、苦戦したらオデ達オークが手を貸す。あいつらは敵だ。」


高橋が自信満々に協力するというとアズチが頷く。というか戦争になってたのなら言えばいいのに。手を貸したぞ?


「小競り合いになってたのならなんで言わなかったんだ?手を貸したのに。」

「あーそうか、伝え忘れてたが子グモ達は全部が知能があるわけじゃないんだ。我やメキリみたいに喋れるわけじゃない、勿論無闇に襲わないよう教育はしているのだがそれでも野生体に近いのはいるからな。ペットとか家畜みたいな扱いなんだ。あ、勿論知能のあるものが近くにいるから人々を襲ってないから安心してくれ。」

「つまりそいつらを使ってどんぱちしてると。」


ようは言い方は悪いが人口統制か。増えすぎても問題ないし、餌も問題ない。だが種族としては生き残るために子供達を産まねばならない、だが蜘蛛と言う生き物である以上物凄く増える…。大変だなぁ。


「そういうことだ。そうそう、会議に持ってくの忘れたから今渡すが、メキリが新製品ができたと言ってな、これを渡して欲しいと。」


梱包された糸を渡してくる。中身を見ると俺も高橋も目を見開く。こ、これはすごい!


「黄色か!これは凄いな!!」

「これは凄い。触り心地も普通の糸と違うぞ。」

「ああ。色をつけられる方法はあるか?と思い植物とか木を食べてみてな。うまくいったんだ。とはいえ普通の糸と違って多くは作れないが…」


いや、これはいい。通常の糸の倍の値段はつくだろう。マルクスに渡しておこう。


「いや、それは仕方ないさ。マルクスに渡しておくよ。それじゃ協力が必要になったら頼むぞ。」

「うむ。待ってるぞ。」


俺は町に戻り、ハナや警備兵達と鍛錬したり、ハナと高橋と共に鍛錬する。そんなこんなやって数日後、使者達が戻ってきた。


「さて、会議を始めるが使者からの報告をまとめよう。3ヶ所の村は俺たちの傘下になることを決めたそうだ。勿論俺たちは経済支援を行い、治安維持を担う。彼らも我々がアストリス王国から購入した奴隷を受け入れ、我々が決めた法律通りに動く。」

「残りの2ヶ所は?」

「ああ、『丁重』に拒否ってきたよ。使者を、仲間達を侮辱してな?」


俺はある一計を案じた、それは町に入る前にそこらの知能のないオーク達と同じく腰巻きにボロ布を着るように指示したのだ。

力で押さえつける者たちの心理なんて単純だからな。こちらが強いと分かれば表向きは従順になるが必ずいつか裏切る。ならばわざとみずぼらしい格好をさせて「舐めた態度を取らさせる。」俺たちを弱いと思うからな?挑発すらしてくるだろう。すればこちらは『喧嘩』を高値で買うことができる。売ったのは向こうだからな。先ほども言ったが、戦争をするなら『大義名分』が必要だからな。


「こちらの作戦通りですね。ジャグさん、やるつもりですか?」

「ああ。叩きのめしてやる。俺たちは耐えたからな。10倍にして返す。」

「敵の兵力は?」

「こっちのスラム…アルビの人口は600、兵士は50、レグノは人口700、兵士は80だな。」

「よし、ジャグ、ダリオンは70人の部下を連れてアルビの方に、俺は高橋と山田とともに100人を率いてレグノを攻める。初めての戦争だ。派手にやるぞ。アズチ達にも使者を出してくれ。」


兵士達に鎧を着せ、武器を持たせる。アズチ達にも要請して合計300人、舐めた報いを味わせてやる。

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