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第10話 大規模な発展

以外にも早く、3ヶ月で村にやっと到着する。俺の世界だと春と夏の間あたりだが最初は驚いた。農作物がかなりできてて家畜も元気にして、そしてミルクも生産されている。最初のあのボロボロの廃村が本当に嘘みたいだ。大工達に頼んで5人くらいは住める簡易なちょっと大きめの例えるなら俺の世界のプレハブ住宅みたいなやつも作らせてた。住処が足りないと大変だからな。いっとくが木材でできてるからな?プレハブは例えだぞ?


「おおお…すげぇ。かなり発展してらあな。」

「あ、おかえりなさいヒロナカ様!作物も全て順調ですよ!」

「ああ。見ればわかる!こいつはすげえな!!」


畑だけじゃない、花も植えられ、麦や米も作られている。まさに村と言えるな。これを維持していかなくちゃな。

ん…?なんだあれは?


「ジグ爺さん、あれは?」

「オリーブです。蜘蛛の糸だけでは村の経済発展を続けるには難しいと思い、隣町に行きオリーブを買ってみたのです。輸出品は他にも必要かと思いまして。」

「油ですか!ヒロナカ様、こちらの規模も拡大しましょう!」


ハナが興奮している。そうだな。糸だけではいずれ他国も真似をしてきたり、同じように質の優れた物を出してくる可能性がある。価値の暴落考えれば新たなものを作り、輸出を視野に入れなければならない。食べ物以外も輸出できればいいが


「あ、あの…俺たちはこの村で何を…?」

「あ、忘れてた。」


ドワーフの奴隷が不安そうに俺に意見具申をしてくる。勿論やることは決まっている。


「元奴隷のみんなは集まってくれ!これから役割を決める!しっかり聞いてくれよ!あと各種族に分かれるように!」


エルフ、ドワーフ、獣人、ゴブリン、オークに分ける。みんな不安そうにしてるな。それは仕方ないだろう。奴隷から一般人になったのだ。それも新たな村で。だからこそ役割を決める。


「ドワーフ達はこの地区へ行ってくれ。鍛治場があるからそこで武具や農具の生産を、エルフ達は木材の加工を頼む。場所は指定するからそこで伐採し、加工してくれ。獣人は農耕を!オークは兵士として見張りを。ゴブリンは家畜の世話を。大変だと思うが頼むぞ!やり方はこの村の経験者が教える!」


各種族が頷き持ち場へ向かう。いずれは彼らの代表も決めなきゃな。


「高橋と山田はお前達の種族に仕事を教えてやってくれ。」

「おう」

「わかったでゲス」


高橋と山田は走って持ち場に向かい作業を教える。


「ハナ、シルク、ルキはついてきてくれ。見回りするぞ。」

「わかったよ!」

「わかりました。」

「う、うん!」

「まずはドワーフからだ。」


ドワーフ達の鍛冶場に向かう。鉄を叩く音、鉄を溶かす音が聞こえる。リズムよくカンカンカンと鉄を叩く小気味良い音が良いな。

解放されて久々の鍛治に気合が入っているようだ。すごい量の剣と槍ができている。今この村にいるドワーフのトップ、ダリオンは仕事に夢中になっている。


「す、すごいです!こんな短期間で!?」

「おう、ワシらドワーフは鍛治が得意だからな!50人もいりゃ朝飯前よ!」

「女性の方々も鍛治を?」

「いや、女達は研いでおる。基本ワシらドワーフは男が鉄を打ち、女達は研ぐ。役割ができておるのよ。たまに男にも負けないくらいの腕を持つ者もおるがな。」

「すっげ〜!おっちゃん!俺にも剣を作ってくれよ!」


シルクが目を輝かせて頼み込む。ドワーフは笑みを浮かべて頷き、「良いものを作ってやるよ」と約束してまた剣を作る。しかしドワーフの鍛治技術ってすげえな。オーク用の鎧までもうできてやがる。

あのドワーフがオークの鎧と武器を作ってる光景は俄には信じられないよなぁ。本来は対立してるからな。


ここに来るまでは大変だった。当然だが各種族が対立していたからだ。ドワーフはオークやエルフと取っ組み合いを始め、エルフはドワーフとゴブリンを汚らわしいと侮辱し、そして獣人はエルフを睨みつけた。人間でも国同士や人種で仲が悪いように、種族同士の対立は奴隷になっても変わらない。必死に仲裁したが全然収まる気配はなく、高橋とジャグ、そして部下達が本気で激怒したのだ。


「いい加減にしろ馬鹿野郎!こんなところで暴れてる場合か!!確かに気に食わねえのはわかる!だがな…これからは同じ村に住むんだ!喧嘩する前に話し合ったらどうだ!!」

「オデ、ドワーフも人間も苦手。だがご主人の村では喧嘩は許さない。皆同じ仲間、対立するな。」


青筋を立てて怒鳴りつけると喧嘩した者達が静かになる。見た目怖えもんなジャグは。

だが真っ当な意見でもある。俺の村は多種族で構成するからな。様々な種族の技術、能力を活かす。多種族間の対立をどうにかしなくちゃならないのも課題だ。解放した以上「揉めるなら出てけ」なんて口が裂けてもいえないがな。


「対立してるのはわかる。だがあのオーク達はそれを乗り越えたんだ。お前達が行く村は迫害、差別、戦火に巻き込まれた者達を救う。そのために作ったんだ。俺としても対立面に関してはなんとかするから、今はどうか、過去の因縁の対立を収めて手を取り合ってくれないか?」


俺は頭を下げる。種族間の対立はおそらく消えないだろう。火種になるかもしれない。歴史上戦争は国同士の過去からの対立だけでなく、資源の取り合い、領土問題、イデオロギーの対立、宗教による対立そして民族の対立だ。

民族、こちらでは種族も含めるが過去の対立がそれだけ根深ければ根深いほど戦争の原因、内乱の原因になる。だからこそ今ここで止めねばならない。今ここにいる者達から始めて、種族間の対立を、因縁を収めてほしい。


俺が頭を下げたおかげか困惑しながらも喧嘩は落ち着く。彼らが落ち着いたのは、俺や高橋、ハナ達が話していたと言うのもあるのだろう。かつては奴隷だったメンバーが今では笑い合う関係。それを目の前で見たからこそ、彼らもまた考えを改めなければならないと感じたのだろう。様々な人種のいる国でもうまくいった国だってあるのだから。何百年と言う時間はかかるだろうが…。


ふとそんな難しいことを考えながら次はエルフの場所に向かう。木を切り、板や角材などを作っている。ドワーフにも負けない速さだ。こいつはすげぇ。この速さなら家だって早く建てられるかもしれん。材料ができるスピードが早ければ早いほど効率は上がるからな。エルフのトップは女性だ。しかしまぁエルフって美形しかいないと言うが本当だな。エルフのトップのクレアナ。責任感があり、その美しさから村人からも人気だ。


「私達は自然で暮らしてきましたから、材木の加工なら負けませんよ。それに、弓の技術と弓矢の生産も任せてください。私たちは弓も得意ですから。」

「石工や鍛治もできないことはありませんが、ドワーフには劣りますね。ですが、手先は器用ですが、芸術品なら作りますよ。」

「木材の加工が得意か…」


ふと考え込む。エルフが木材を加工して、ドワーフが金属加工…お、あれ作れるんじゃないか?と。紙を取り出してイメージ図を描いて…


「なぁ、後でドワーフのトップと話してこれを作ってくれないか?クロスボウって言うんだが…」

「クロスボウ…この絵を見ると弓に近い感じですね?」

「ああ、弦を引っ張って矢をセットして、この引き金って部分を引けば放てる。普通の弓に比べると威力は下がるが、一般兵でも扱えるし、連射力もある。」

「わかりました、休憩の後話してみます。」

「ありがとう。」


彼女は聡明な性格でもあり、誇り高い。奴隷になったのも、クレアナのいた村が襲われた時、自分から山賊の捕虜になったのだ。自分だけが犠牲になればいいと言う考えのもと…。だからこそ多くの人々から信用を得ている。ドワーフのダリオンも同じく仲間のために山賊たちと戦い売られた。この2人は対立している種族だがジャグを見て話し合うことにし、村に来るまでにしっかりした関係になっている。さらに嬉しいことに、この2人のいた故郷の村の生き残りや仲間たちがここに向かっているそうだ。ありがとうエルフ、ありがとうドワーフ。工業力上がるぞ!


「おおー、耕しまくってんねー。」

「私達獣人は能力的には人間とあまり変わりませんからね。」

「多少力が強いのと狩猟能力は負けませんよ。聴力も優れてますからね。」


ハナと獣人族のトップ、ドーベルが教えてくれる。ドーベルが言うには獣人は人間よりは力があり、狩猟が得意だそうだ。だが人間に比べると不器用であるため、農耕は不得手ではあるらしい。


「ん?これは何を作ってるんだ?」

「釣り竿と網ですよ。この村は海がすぐそこにありますので、人間の方々と話し合って漁にも出ようかと。塩も作らなきゃいけないのでドワーフ達に頼んで鍋も作りますし。8名ほどは弓と槍を持って山に行って狩に出てますよ。」

「お、釣りか。いいね、俺のも作ってくれよ。ウマヅラハギとか釣りてえ。」


なつかしー、釣り趣味の奴らとしょっちゅう海釣り行ってたもんなぁ。フグばっか釣れた時はどうしようかと思ったが。


「?なんですかその魚は」

「すまん、俺が前いた世界の魚。刺身にすると美味えんだよ。」


忘れてた。豚、牛、鶏のような家畜や犬、猫といった動物はあんま見た目変わらないからな。そういやこの世界にも刺身はあるのだろうか。つか海の魚は生で食えるのか、後醤油はあるのか?あー日本食が恋しい。米食いたい、この世界の米じゃなくて日本米。後大豆も


「刺身?」

「ああ。俺がいた国では生で魚を食べる料理もあるんだよ。3枚おろしにした後切って盛り付ける。米や酒と合うんだよな〜。また食いたい。」


生で食べると教えると何名かは驚いたが、意外にも理解したり頷くものもいた。どうやらカルパッチョみたいな料理があるらしい。港町ではよく食べるのだとか

異世界の食文化も意外と似てるんだな。もしかしたら日本に近い国もあるのかもしれないな。


ゴブリン達は家畜の世話をしている。餌やり、乳搾りなどをやっている。


「あ、ヒロナカ様、作業は進んでますよ。みんな馬の世話も楽しんでます。」

「おう、しかしゴブリンにもいたことに驚いたが、今でも慣れんぞ。」

「それは仕方ないですよ。ゴブリンにも長身になる者、私のように穏やかな者もいますよ。」


ゴブリンの代表であるレイン。いや俺もハナも高橋もシルクもルキも、つうかほとんどの種族が固まったぞ初めて見た時。

緑色の肌をした穏やかな女性で、エルフ達にも劣らない美人。それがまさかのゴブリンだったら絶句しますよそりゃ。


ゴブリンは基本大きくても身長は150ほどだ。山田が言うにはごく稀にオーク並の身長と筋力を持つ者が出る。それがゴブリンのリーダーになるのだがこのタイプは本気で稀らしく、ゴブリンは基本…いや、オークも同じく男女の区別はつきにくい。レインのようなタイプもゴブリンの中では上の立場になるのだとか、だがその見た目故に、貴重さ故に狙われることもあるらしく、そうそうお目にかかれないのだとか。ちなみに山田がかつていた群れにはいなかったらしい。ドンマイ。ジャグですら「噂には聞いていたが…」と呟いていたぞ。


「ん?男達は?」

「男達は練兵に参加しています。私達女性は世話を、男達は数を活かした集団戦法を作るための訓練をするとのことで…」

「…お、おう。まぁそれならいいが。次は俺に一言言うよう伝えてくれ。役割分担しなきゃ行けないから。」


レインが頭を下げるが良いよいいよと手振りする。


「あ、もしよければこの周辺のゴブリン、オークの集落にも伝令を送りますか?ジャグさんならこの付近の集落を知ってそうですし、ゴブリン族とオーク族は私のような者には忠誠を誓いますから。」

「頼む、戦力増強富国強兵は今の目標だから。」

「わかりました。ジャグさんに伝えておきますね。」


頭を下げて礼をするとジャグを探しに行く。いやーこれなら村から町になるのもそう遠くないな。


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