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第9話 仲間との初戦闘


ギルドでの初ダンジョン挑戦から数日後、来生雅也は

再び訓練用の小規模ダンジョンへ向かっていた。


「今日が本格的な戦闘訓練……」

小さく呟き、手を握りしめる。

胸の奥では期待と恐怖が混ざり合っていた。


七瀬あずみが微笑みながら声をかける。

「雅也君、今日は仲間と協力して戦うのよ」


「えっ……仲間と……ですか?」

ぎこちなく答え、心臓が激しく跳ねる。


Sランクの東郷陸翔、如月美鈴、

Aランク・大木将司、Bランク・笠木ゆみも揃う。

その圧倒的な存在感に、雅也は思わず背筋を伸ばした。


「Fランクの雅也君、焦らず後方支援を意識して」

如月の指示が飛ぶ。

雅也は深く頷き、戦闘用の小型剣を握る。


ダンジョン内部、突然モンスターの唸り声が響いた。

小型の四足型魔獣が数体、壁の陰から飛び出してくる。


「全員、配置につけ!」

東郷の号令に、仲間たちは素早く対応する。

雅也は指示通り、後方から回避ルートを確保しながら、

仲間に支援魔法のサインを送ろうとする。


しかし、ぎこちない動きのせいで、誤って罠に足をかけてしまう。


「ぐわっ!」

転びそうになりながらも、必死にバランスを取り直す。

周囲の仲間たちが驚いた顔で振り返る。


「雅也君、大丈夫?」

笠木の声が聞こえる。

「は、はい……すみません!」

ぎこちなく答え、心臓がさらに跳ねる。


モンスターは次々と攻撃を仕掛けてくる。

東郷と如月が連携し、華麗に倒していく。

そのスピードに圧倒され、雅也は必死で追随する。


「焦らず……焦らず……」

何度も自分に言い聞かせながら、少しずつだが動きを改善する。


一度、攻撃を回避し、隙を見て味方に合図を送る。

小さな成功が、雅也に確かな手応えをもたらす。


戦闘が終わると、全員が息を整えながら立っていた。

「初めてにしては悪くなかったぞ」

東郷の言葉に、雅也は少し肩の力を抜くことができた。


「うん……少しは、役に立てたかな」

小さくつぶやく。

まだまだ不器用だが、仲間との連携の感覚が分かり始めていた。


七瀬が微笑みながら近づき、手を差し出す。

「雅也君、初戦闘としては上出来よ」

その言葉に、胸の奥が温かくなる。


夕日がダンジョンの外壁を橙色に染める。

戦闘の疲れと達成感が、雅也の体に心地よく残っていた。


「……次はもっと強くなる」

小さな決意を胸に、雅也は仲間たちと共にギルドへ帰る。

Fランク探索者としての成長は、まだ序章に過ぎない――

だが、確実に一歩ずつ進んでいることを実感していた。


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