表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第8話 初めてのダンジョン挑戦


朝、来生雅也は緊張で目が覚めた。

今日は、Fランク探索者として初めてのダンジョン潜入の日だ。


「……やっぱり、怖い」

小さく呟く。

しかし胸の奥では、昨日の仲間との交流が少し自信をくれている。


ギルド前で、七瀬あずみが笑顔で迎える。

「雅也君、今日が初挑戦ね。準備はいい?」


「え、ええ……多分……」

ぎこちなく答え、手を握りしめる。


ギルド長・和泉康介が、簡単な説明を始める。

「Fランクの探索はまず、安全な小規模ダンジョンから。

焦らず、冷静に行動することだ」


Sランク探索者・東郷陸翔と如月美鈴、

Aランク・大木将司、Bランク・笠木ゆみも同席し、

雅也に声をかけてくれる。


「焦らなくていい、雅也君。まずは観察から」

如月の言葉に、雅也は少し安心する。


小規模ダンジョンの入り口に立つと、空気がひんやりと冷たい。

ほんの少し光る結晶が地面に散らばり、独特の匂いが漂う。


「……これが、ダンジョン……」

心臓が激しく跳ねる。

手が震えるが、昨日の訓練で学んだ基本動作を思い出す。


「じゃあ、行こう」

東郷の声で、チームはダンジョンに足を踏み入れる。


雅也は初めての暗闇に戸惑う。

視界は限られ、耳には水滴や小さな風の音だけが届く。

一歩を踏み出すたび、体がぎこちなく反応する。


「落ち着いて……まずは歩きやすい道を確認」

七瀬の声が無線で届く。

その言葉に少し落ち着き、雅也は前に進む。


途中、罠の小さな光がチラリと見える。

昨日学んだ知識を思い出し、雅也は足元を慎重に確認しながら進む。


「おお、意外と冷静だな」

大木が小さく呟く。

雅也は思わず顔を赤らめるが、さらに集中を高める。


突然、低い唸り声が響く。

小型モンスターが姿を現した。

Sランクの東郷と如月が素早く対処する。


「雅也君は後方支援、罠の確認を忘れずに」

如月の指示に従い、雅也は小さな光る罠を回避する。

ドジをせずに済んだことで、自信が少しずつ芽生える。


奥に進むと、宝箱が置かれていた。

心臓が高鳴る。

しかし、罠があるかもしれない――

慎重に確認してから手を伸ばす。


「……やった、取れた」

小さな成功が、雅也に確かな達成感をもたらす。


ダンジョンの外に出ると、夕日が街を温かく照らしていた。

七瀬が微笑み、言った。


「雅也君、初挑戦としては十分だったわ」


「は、はい……」

ぎこちなく答えるも、胸の奥は誇らしさでいっぱいだ。


小さな一歩だが、Fランク探索者としての成長を確かに感じた雅也。

「次は、もっと強くなる」

小さな決意を胸に、彼はギルドの明かりを見つめる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ