第7話 仲間との交流
訓練を終えた来生雅也は、ギルドの休憩室に足を運んだ。
汗を拭いながら椅子に座り、深く息をつく。
「ふぅ……やっぱり、体力ないな……」
独り言を呟き、手に持った水筒で喉を潤す。
休憩室には、すでにAランク・大木将司とBランク・笠木ゆみが座っていた。
二人は訓練の合間に談笑しており、自然な雰囲気に雅也は少し緊張する。
「新入りか?」
大木が軽く声をかける。
その視線は鋭いが、敵意はない。
「はい……来生雅也です。Fランクです」
ぎこちなく答える。
頬が赤くなるのを自覚しつつ、視線を下げる。
笠木がにっこり笑う。
「初心者でも大丈夫よ。私たちも最初はFランクだったから」
その言葉に、雅也は少しほっとする。
「ねえ、今日の訓練どうだった?」
笠木が興味深そうに聞く。
雅也は、ぎこちなくも昨日の面談や訓練の話を始める。
「昨日、子供を助けて……今日は剣の練習で転んで……」
話すたびに手がもぞもぞ動く。
二人は軽く笑いながら、時折アドバイスをくれた。
「焦らなくていい、雅也君。ゆっくり慣れれば大丈夫」
大木の言葉は、思った以上に力強い。
不器用な自分でも、少しずつ認められる感覚があった。
その時、Cランク配信者・松浦かなが入ってきた。
「お疲れ様~。雅也君、見学のときは一生懸命だったね」
雅也は顔を赤くしながら、小さく頷く。
「今日は、他の探索者たちと交流もしてみるといいわ」
七瀬あずみが優しくアドバイスする。
雅也は少し戸惑いながらも、頷いてみせた。
休憩室の隅には、Sランク・東郷陸翔と如月美鈴も座っていた。
その圧倒的な存在感に、雅也はつい背筋を伸ばす。
「……すごい……近くで見ると、やっぱり格が違う」
しかし、東郷が軽く笑って言った。
「焦るな、Fランク。最初はみんな同じだ」
その一言に、雅也は少しだけ胸が軽くなる。
会話は自然と盛り上がり、Fランクの雅也も少しずつ輪に入る。
まだぎこちないが、居場所がある感覚――
それは、これまでの孤独とは違う温かさだった。
「明日も訓練か……」
心の中でつぶやく雅也。
少し疲れてはいるが、胸の奥には期待が芽生えている。
夕暮れの光が休憩室の窓から差し込み、探索者たちの影を長く伸ばす。
雅也はふと、笑顔を見せる仲間たちを見渡す。
「……俺も、ここで頑張れるかもしれない」
その日、Fランク探索者としての一歩だけでなく
仲間とのつながりを感じた雅也は、少しずつ未来への希望を抱いた。




