鍵っ子
私が棲むアパートは学校が近く家賃もお手頃で家族連れに人気な物件だそうだ。
そんなアパートに3人家族が引っ越してきた。夫婦は共働きのようで小学2年生になるAちゃんは1人で寂しそうに留守番をしているようだった。
〈寂しいよね…ごめんね…〉
私はAちゃんの家で遊ぶようになった。
隠れんぼやお絵描き等して一緒に楽しんだ可愛い我が子のようだった。
ある日Aちゃんが悲しそうな顔をしていた。どうしたのか尋ねると
「ママとパパから怒られるの」
詳しく話を聴くと両親から留守番中に誰かを家に入れているのではないかと叱責を受けたようだ。
私のせいで声を上げて泣き続ける
Aちゃんの姿に胸の奥からドロドロとした溶岩のような怒りがせり上ってきた。
「…ママとパパなんていらない」
その絶望的な叫びを私が代弁してやらなければ。
溢れる涙に濡れたAちゃんの震える本心を私が2人に叩きつけてやろうと口を結んだ。
Aちゃんは泣き疲れたのか眠ってしまった。
数時間後、ほぼ同時刻に帰宅した両親へ私はAちゃんの気持ちを代弁する為、2人の前に姿を現した。
〈Aヲ、ナカ□タ□▫▫███!〉
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午後のニュースです。
今日、午後S市M区のアパートで、この家に住む夫婦2人の遺体が発見されました。遺体で見つかったのはS市M区J町の35歳男性と34歳女性です。
警察によりますと今日午後7時過ぎ「隣の部屋から叫び声がしている」と110番通報があり警察が家の中に入った所、夫婦の遺体を発見したという事です。玄関は施錠されていて現場の状況などから警察は無理心中の疑いがあるとみて遺体の解剖など捜査をすすめる方針です。
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また1人寂しがっている子供を減らすことが出来た。
Aちゃんは児童養護施設へ行くそうだ。
同年代の子供に囲まれて幸せなはずだ。
私の愛しい子を虐めるやつは許さない。
私が“棲む”アパートで
子供を泣かせるやつは、皆□ねばいい。




