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闇に消えたドラえもん

作者: 村松希美



「ねえ、ドラえもん。ねえったら〜! 今度はテストで100点取れる道具を出して!」


「のび太くん、キミって人は、何でも道具に頼っちゃダメだよ。勉強は自分でやるものでしょ?」


「そんなあ〜、ドラえもん。今度の算数のテストで、100点取ったら、ママがゲームソフト買ってくれるんだ〜。ねえ、いいでしょ? ドラえも〜ん!」


「ダメったら、ダメ! 自分て勉強しなさい!」

 と、言うと、ドラえもんは外に出て行った。




「ちぇっ、ドラえもんのやつ……」

 と、言いながらも、のび太はしぶしぶ自分の勉強机に向かった。




ー★ー



 広場に来て、土管の上で、どら焼きを美味しそうに食べているドラえもん。





「ジン、あのタヌキみたいな奴か? 何だかふざけてヤスね」


「何を言う、ウォッカ。奴は、ああ見えてかなりの優れものだ。タイムマシンやどこにでも行けるドアを持っているらしい。そんなものがあれば、組織の仕事も手間取らネェ」


「あのタヌキがネェ」


「例のものは用意したか?」


「へい、抜かりネェっす」

 と、ウォッカは、大量にネズミが入ったビニール袋をジンに見せた。



「あそこの木の陰に、あのロボットを捕獲する柵が仕掛けてある。そのネズ公をあのロボットの前でばら撒いて、柵に追い込め!」


「本当にこんなもので上手く行くんですかい?」


「つべこべ言うな! やれ!」




ー★ー



「わあ〜、何だこれは?!」

 ドラえもんの前に大量のネズミが現れ、ドラえもんがパニックになって、広場の土管の上から降りて、逃げ惑う。



 ネズミたちがいいように、ジンたちか仕掛けた柵に、ドラえもんを追い込む。




ー★ー



 柵に捕らえられたドラえもん。


(わな)だったんだ!! そうだ、四次元ポケットで……どうしたんだ? 何も取り出せない」



「逃げようたってそうはいかない。お前の行動を封じる電磁波を流しているからな。お前は、組織にとって必要なんだ」



 だんだん眠たくなるドラえもん。それでも、力を振り絞って、


「ぼくをどこに連れて行くんだ?」

 と、微かな声を出した。


「地獄の1丁目さ。もう、あののび太とかいうガキに会えネェな」



「のび太、く…ん…」


 ドラえもんは完全に目を閉じた。




ー★ー



 その頃、のび太は自室の机で、算数の計算ドリルを解いていると、急に、えんぴつの芯が折れた。



 のび太は、おかしいな?と思ったが、あまり気にも止めずに、新しいえんぴつで、また、計算ドリルを解き始めた。




ー★ー



 夜の(とばり)が降り始めた頃、ドラえもんは、黒の組織の車の後部座席に置かれて、拉致されたのだった。






           了








読んでいただき、ありがとうございます。


大人のドラえもん物語を描いてみました。


もうすぐ、劇場版名探偵コナンの新作を上映することもあり、配信で名探偵コナン 黒鉄の魚影 を見た後で、便利な機械ができても悪の組織に狙われるのだなあというところで、この闇に消えたドラえもんを思いつきました。


二次創作で楽しんでいただけたら幸いです。

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