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98 秘密

 誰にも言えないことが、まあ多くの人に一つや二つくらいはあるものだろう。かく言う私も誰にも言えない秘密がある。それをわざわざ人様に言う必要もないし、言う気もないので、まあ言わないわけだが。

 人が秘密を持つようになるのはいつごろからだったか。嘘ではなく、秘密である。まあ個人差、というか環境の差はあるものだろうが、小学生くらいになればあると思う。というか私がそうであった。

 親と仲が良かったりすると、なんでも赤裸々に言ってしまいそうであるが、まあそれでも健全な家庭なら小学生、中学生くらいには誰にも言えない秘密くらいあってもおかしくないだろう。幼稚園の頃の話はあまり覚えていない。

 秘密の種類にもいろいろあるのかもしれない。知られたらただ恥ずかしいもの、人を傷つけてしまいそうなもの、ただ言うタイミングを逃しているだけのもの。それぞれ言わない理由があるわけで、それを責めるつもりは毛頭ない。

 秘密を抱えるに至った経緯というのも種類がありそうだ。失敗が多いかもしれないが、失敗ではないものもあるだろう。例えばで挙げると私の事例を取り上げるしかないのだが、まあ取り上げてもいいかと思う。思春期に発生しがちないわゆる厨二病であるが、この時期に私は創作を始めたので、この時期の作品はその多くが人によると黒歴史になるのかもしれない。私は世に出した作品に関しては恥じらいの一つも持っていないわけだが、世に出せなかった作品に関しては人に取られないようにという意味合いもかねて秘密にしている。いつか世に出したいと思う作品ばかりなので、墓までもっていく秘密ではない。

 墓までもっていく秘密と言ったが、この表現は不思議なものだと思う。西洋では最後の審判やそれに近いもので神から裁きを受ける時まで、日本なら地獄で閻魔大王から裁きを受ける時まで持っていくものだと思う。墓で捨てるな。持っていけ。などと思うのである。

 さて私には墓まで持っていく秘密はあるだろうか。考えてみたが、単純な失敗などで発生した恥じらいを伴う過去は秘密にしていたいと思うのである。それ以外の、自発的に作った秘密というものに関しては、墓までもっていく必要性はどこにもないと思う。

 さて、皆さんはどのような秘密を持っているだろうか、というか持っているのだろうか。別にどこで言う必要もないのだが、その内容が良心的だったり優しいものであればと思う。これから秘密を作るにしても、そのようなものであってほしい。

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