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84 ジビエ

 突然だが、鹿肉を食べたことはあるだろうか。

 鹿肉、いわゆるジビエの一つで、文字通り鹿の肉である。ホンドジカだかなんだか忘れたが、日本にはエゾジカとその鹿の主に二種類の鹿がいるそうで、鹿肉もだいたいその二種類になる。キョンは鹿だったか。カモシカは牛の仲間で、鹿より牛に近い。

 閑話休題。

 エゾジカの肉はかつてジャーキーで食べたことがあるのだが、癖のある普通においしい肉だと感じた。この癖があまり会わない人もいるのか、という程度だ。もともとヤギのチーズでも普通に食べられるので癖について耐性があるのかもしれない。

 そしてホンドジカだが、これは少し前に鍋にして食べた。感想は脂の少ない肉だった。脂がないのでなんというか噛んでいるとぎゅっぎゅっという、すべらない感じがする。まあ肉は肉なのでうまかった。

 そこでも癖、というものがわからなかった。確かに普通の肉より香りに特徴はあったが、それが癖なのだろうか。

 そして、その鹿肉は親戚に貰ったとかで冷凍されていたので、いったいどんな運命を辿ったのかがわからない。普通に生活しているうち、農作物を食い荒らしてしまって撃たれたか、罠にかかったか。奈良にはうじゃうじゃいると噂の鹿は、農家にとっては恐怖と憎悪の対象だとかそうでもないとか。

 特に詳しく知っているわけではないが、鹿に関しての印象は以上だ。

 そのほかにジビエと言えば猪肉、つまりイノシシの肉なのだが、これは何故か食べたことがない。鹿肉をモミジ肉というなら猪肉は牡丹肉だったか。一度は食べてみたいものだ。

 あとは熊肉なんかも有名だ。クマの手は珍味だとか。食べたいかと言われると普通の肉でいい。ヒグマの肉を食べた時はさすがに癖が強いと感じた。雑食故に匂いが強くなるのだろう。

 北海道はさすがジビエの名所で、北海道土産でトドカレーを貰ったことがある。まさかのトドである。トド撃ちという仕事があることはその数年後に知った。トドもまあ臭みが強かったが、それもうま味になってしまうほどよく味が付けられていた。しかしカレーに負けない匂いってすごいことだ。

 ほかのジビエといえば、兎肉とかだろうか、キジ肉とかも聞く。だがまあどちらもあまり本当に野山で育ったものは出回っていないのだろうな。

 ジビエで育った人は逆に豚肉なんかを味気ないと思ったりするのだろうか。豚肉はそれはそれでうまいのだが、とか言ったり。

 そんなことを考えながら鶏肉をほおばってみる。普通の肉は量産体制も整っているし、日常的に食べるのには向いている。さて、今度ジビエを食べる機会はいつ訪れるだろうか。

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