表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/14

謎の少女

皆さんどうも、ガクーンです。

では、お楽しみください。

~次の日~


「今日も今日とて木漏れ日のダンジョンをクリアしていくか」


 俺はレベル上げの為、またしても木漏れ日の森ダンジョンへと来ていた。


 昨日までに上げたレベルは13。次の難易度に進むためにも最低でも15にはしたい。


 レベル15以上に9個の難易度2ダンジョンをクリアしたら十分に難易度3でも通用すると考えている蓮。



「うーん。よし!」


 その場で軽く体を動かした後、ダンジョンへと入ろうとしたその時。



「あのっ」


「……俺?」


 後ろから声をかけられる。


 どうしたんだろ? 何かあったのかな?


 蓮は不思議そうに後ろを振り向くとそこには……



「……え?」


 茶髪の女性が一人、大きめのバックを背負ってその場に立っていた。


 茶髪ショートカット。背丈は160ない位。目鼻立ちは整っていて、たれ目の印象からか優しそうなイメージ強い。


 そんな茶髪の女性はもじもじとしながらじっと俺を見つめてくる。



「……どうかしました?」


「……欲しくないですか?」


「はい?」


「私が欲しくないですか?」


 こいつは一体何を言っているんだ。


 すぐに優しそうな女性から、やばい奴へと印象が変わる。



「いえ、そういうのは大丈夫なんで。……別に用がないならもう行きますよ?」


 俺は構ってられないと思い、ダンジョンへと足を進めようとした時。



「ちょっと待って! もう少し話を聞いてください!」


「はぁ、今度は何ですか」


「つまり私を……貴方のパーティーに入れてほしいんです!」


 あぁ、そういう事か。


 やっと話が通じた二人。しかし……



「いえ、当分は一人で十分なので他を当たってください」


「あ……」


 間を置かずに蓮は必要ないと言ってのけ、女性は唖然とする。



「それじゃあ……」


「え、ちょっ、待って……」


 ああいうタイプは話が長くなるし、話すだけ時間の無駄だと考え、制止を振り切ってそのままダンジョンへと入って行く。



 まだパーティーは必要ない。俺は嘘を付いたのではなく、本当の事を言ったまでだ。


 これからもラストダンジョンまで休みなく攻略していくつもりだし、他に構っているつもりもない。もちろん、それまでには必要な人員をそろえる予定だが、今の難易度ではパーティーが必要になる事はない。


 ブレイブダンジョンクエストはパーティーを組むことが出来る。一つのダンジョンに1パーティー5人まで入場可能で、ダンジョン攻略の際には5人で攻略する事が冒険者ギルドからも推奨されている。


 難易度3までは一人でも十分に攻略可能。難易度4になるとダンジョン内に徘徊種と呼ばれる、その難易度よりも2~3上の強さを誇るモンスターが稀に出現するからそれまでにはパーティーを組む相手でも探そうとは考えているが……


 徘徊種――難易度4以上のダンジョンから登場する、裏ボス的存在のモンスター。通常、そのダンジョンの難易度の2~3上である事が多く、徘徊種を見つけたら直ぐにそのダンジョンから撤退をする事が推奨されている。徘徊種が出現すると、討伐するまでそのダンジョンから自然消滅する事が無い。もし、徘徊種を見つけたら冒険者ギルドに連絡を取り、上位冒険者を派遣してもらおう。



 それまでは必要ない。


 蓮はそう結論付け。



「ダンジョンRTAを始めてくれ」


『スタートします……』


 よし、気を引き締めていくぞ。


 昨日に引き続き、ダンジョン攻略を始めたのだった。



~~~


「慣れたもんだな」


 またもや記録を更新し、報酬を受け取る。



「やはり1度クリアしたぐらいでレベルアップはしなくなったか。帰還ポータルを出してくれ」


『帰還ポータルが出現します。しばらくお待ちください』


 しばらくして出現した帰還ポータルに入って行く。



 これで一回目……あと何回かやれば……


 蓮はあともう少しだから頑張ろうと自分に言い聞かせ、もう一度木漏れ日の森ダンジョンへと向かおうとしたその時。



「あっ、出てきた!」


 ビクっ。


 蓮はびっくりしながら正面を見る。


 またあの人か。


 目の前には先ほど断ったはずの女性が笑みを浮かべて立っていた。



「もう一度話を……」


「だから……俺は貴方と話をするつもりは……」


「どうしても! どうしても貴方とパーティーを組みたいんです!」


 なぜそこまでして俺とパーティーを組みたいんだ?


 そこまでして自分と組みたいと思っている女性が少しだけ気になり始める蓮。



「お願いです! 少しだけ……話を聞いてください。今度こそ断られたら諦めますから」


 どうしたらこの女性から逃れられるかを瞬時に考えた蓮は。



「……少しだけですよ」


 話だけ聞いて、適当にあしらおうと決意。


「あ、ありがとうございます! やった」


 そうとは露知らず、やっと話を聞いてもらえると満面の笑みを浮かべる女性。



 まぁ、適当に理由を聞いて断ろう。これ以上付きまとわられたら攻略に支障が出るかもしれないからな。


 こうして蓮は渋々相手の提案を受け入れ、近くのベンチに移動する二人。



「ありがとうございます。私はルミネと言います」


「蓮です」


「レンさん……覚えました。とってもいいお名前ですね!」


 ブルっ。


 何故か寒気がした蓮。


 話に乗ったのまずかったかな……


 何故あの時話を断らなかったんだろうと、後悔し始める蓮。



「それで……私がレンさんのパーティーに入りたかった理由なんですけど……レンさんって運命を信じますか?


「運命?」


「そうです! 一目見ただけでもう、この人しかいないって感情に支配されたり、寝て起きてもあの事しか考えられないってなったりとか」


 蓮の脳裏に一つだけ心当たりが生まれる。


 ブレイブダンジョンクエスト……か。


 レンは段々とルミネの話に耳を傾けはじめる。



「まさにレンさんがそれだったんです。昨日私はレンさんがこのダンジョンを何回も攻略してるのを見ました」


「っ!」


 見られてたのか!? 


 人がいない早朝帯を選んで潜ってたのに。


 監視員もいないし、攻略する人も全然いなかったから油断した。


 突然言われたことに、冷や汗が止まらない。



「……一体何が言いたいんですか?」


「別に脅してる訳じゃありません。むしろ、凄い人だなって思ったんです。だって、レンさんみたく一日で何回も攻略している人なんて世界中探してもいないですよ」


 褒められてるんだよな?


 色々と感情がごちゃ混ぜになり、動揺を隠せない。



「その時思ったんです。あぁ、やっと探し求めていた人が見つかった……って」


 ルミネは一言一言大事そうに話す。



 そこまでの事か?


 俺よりも強い奴はまだたくさんいるし、今の俺よりすごい奴はたくさんいるだろ。まぁ、いずれは俺が一番になるけどな。


 すると蓮は興味から一つの質問をする。



「ルミネ……さんはもし、俺とパーティーを組む時は何処のポジションに付きたいんですか?」



 ブレイブダンジョンクエストのパーティーには4つの役割が存在する。


 一つ目は前衛。相手の攻撃を受け止めるタンカーやダンジョンに存在する罠や敵の接近を素早く探知するシーフというがこの位置に当たる。



 二つ目は中衛。前衛や後衛の補助や攻撃、回復等のほぼ全ての役割をこなす、オールマイティー職。パーティーの中で一番重要とされているこのポジションは、基本的にそのパーティーのリーダーがすることが多い。無論、俺もこのポジションで攻略を続けていこうと考えている。



 三つ目は後衛。魔法や弓などの遠距離で攻撃したり、回復や補助等で前線が崩壊しないようにするポジション。前衛や中衛に守られていることが多いが、後ろから敵が来ないとも限らないので注意も必要な場所。



 そして最後、四つ目はサポーター。後衛とは異なり、戦闘に参加する事は滅多になく。戦闘後のアイテム回収。攻略に必要なアイテムの運搬。長期に及ぶ攻略の際には皆の日常生活のサポート等をするのがこのポジションである。



 この中で一番不人気なサポーター。このポジションをする人員を見つけるのが一番の課題となるだろうが果たして……


 蓮はじっと相手が話し始めるのを待つ。



「私は……サポーターがしたいんです」


「へぇ。サポーターですか」



 さっきも言った通り、サポーターはブレイブダンジョンクエストのパーティーの中で一番不人気なポジションだ。誰だってモンスターと戦って輝きたいし、活躍したい。しかし、サポーターは皆の邪魔にならないように遠くで立ち回らなくちゃいけないし、何より皆のアイテムを持って何時間も移動するのが大変という地味で辛いポジションなのだ。しかも、戦闘中は自分の身は自分で守らなければいけなく、安全なポジションでもない。



 しかし、ルミネの話を聞く限り、サポーターに誇りを持っていそうな話し方をしていた。それに、話しも上手だし、人と人との緩衝材にも最適。


 意外と悪くないかもな。


 内心、悪くないなと思い始める。


 だがな……


「ルミネさん。一ついいですか?」


「何でもどうぞ」


 俺はこれだけはと言う表情でルミネに言う。



「ダンジョン内では俺の命令は絶対です。それでもいいですか?」


「え?」


 ルミネは驚きをあらわにする。


 これが一番譲れない条件。ダンジョン内では俺の命令に従う事。ある程度は各自好きに動いていいが、俺が危険と判断した時や、こうしなければならないと考えた時に自分勝手に行動する奴は俺のパーティーには要らない。


 自分勝手と思われるかもしれないが、ブレイブダンジョンクエストは絶対の正解が確実に存在する。それは、俺の頭の中に忘れられないほどに記憶されており、俺はこの記憶を元にこれからダンジョン攻略を行っていくつもりだからな。



「これが飲めないならルミネさんは別の人と組んだ方が……」


「飲めます」


「……いまなんて?」


「ダンジョン内ではレンさんのいう事、絶対に聞きます」


 蓮は相手を見極めるべく、ルミネの目を見ながら。



「いいですか。もし、俺がこの場から逃げろと言ったら必ず逃げること。敵を倒すと言ったら状況が絶望的でも戦うこと。それでもルミネさんは……」


「何度も言わせないでください。レンさんが逃げろと言ったら逃げますし、突き進むと言ったら何処までもお供します。何なら、肉壁になれって言われても……」


「そこまでは言いませんって!」


「ふふっ。でも、このぐらいの覚悟は持っていると知っておいて欲しいんです」


 目が語っている。私は本気だと。



 蓮は一度空を見上げ。


「はぁ。分かりました。いいでしょう。貴方を……ルミネさんをパーティーに迎え入れます」


「本当ですか!」


「ただし……」


 ゴクっ。

 

 ルミネが真剣な面持ちで唾の飲み込む。


「今から俺がいう事をクリアしたらですけど」


 こうして、蓮がルミネに言った条件とは……

お読みいただきありがとうございました。

この話が面白いと思って頂けたら高評価等よろしくお願いします!

では、また次回お会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ