第99話 蟲喰地獄
「着いたぞ、ここが地獄の第三層、蟲喰地獄だ。」
脱出メンバーは蟲喰地獄に到着した。
かなり起伏が激しく、車や自転車が使えそうにない地形だった。
「世助、例のものを。」
藤彦がそう言うと世助は人数分の白い服を作り出した。
「皆、これを着てくれ。」
脱出メンバー全員に世助の作り出した服を配る。全員が配られた服に着替え始めた。
(何だ?この服。分厚い生地に肌の露出がない……宇宙服か?いやこれは……)
肉浩が渡された服に疑問を持っていると藤彦から説明が入った。
「この蟲喰地獄の特徴は何と言っても人喰い蟲が沢山飛んでいる所だな。奴らは人間の肉を好んで食べ穴という穴から体に入り込み内側から食い荒らしてくるんだ。穴をすべて塞いでも強靭な顎で皮膚を喰い破り体内に侵入し筋肉や内臓を食い荒らす。」
「だからこの防護服を着なきゃならない。この防護服なら蟲達も喰い破ることも出来ない。かなり硬い素材だが軽くて動きやすい上、頑丈だから鬼の攻撃も気休め程度に軽減してくれるかもな。」
「だからもし鬼との戦闘で防護服が破れたらすぐにゆってくれ。新しいのを世助が作ってくれるからな。」
藤彦の言葉に全員が頷き脱出メンバーは先に進む。
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一方その頃、鬼獄長は下鬼を広場に集めていた。
ガヤガヤ
「オイラ達、何で招集されてるオニか?」
「何でも獄長から何か発表があるとかオニ。」
「しっ、みんな静かに!獄長が来たオニよ!!」
鬼獄長の登場により下鬼達が静かになる。
鬼獄長がマイクを手に取り話し始めた。
「え〜この忙しい中、お集まり頂きありがとうございますオニ。」
「忙しいので早速本題に入りますオニ。手短にゆいますと、無限地獄から脱獄囚が出ましたオニ。」
脱獄囚が出たとの情報で下鬼達が騒がしくなる。
ガヤガヤガヤ
「だ……脱獄囚が出たオニか!?」
「し……信じられんオニ。」
「しかし、無限地獄長は何をしているんだオニ?」
バンバンバン
「静粛に、静粛にオニ!」
「話を続けるオニが、奴らは今!この蟲喰地獄に到達したと閻魔様から通信が入ったオニ。奴らはここまで通って来た地獄の鬼獄長を全員倒したと閻魔様は仰っておられたオニ。」
鬼獄長が倒されたとの情報でまた下鬼達が騒がしくなる。
「お……鬼獄長達を倒してきただってオニ!?」
「信じられんオニ……脱獄囚は本当に人間なのかオニ!?」
「今この蟲喰地獄に来ているオニか!?」
バンバンバン
「静粛に!静粛にするオニ!」
「脱獄囚の数は全部で七名、何としてでもこの蟲喰地獄で脱獄囚を止めるオニ!今日みんなに集まってもらったのは他でもないオニ!脱獄囚を捕えて送り返すんだオニ!」
「「「オオオオオーーーーーッ!!!」」」
鬼獄長の号令で下鬼達の士気が上がった。
その様子を遠くから見つめる一人の男がいた。
「なるほど、脱獄囚が出たようですね。」
「丁度、下鬼達の相手に飽きてきた所です。なんという素晴らしいタイミングでしょうか。」
「フフフフフ……この小生としたことが凄く興奮して来ましたねぇ………戦いを求める闘争本能というヤツでしょうか。」
ずっと独り言をブツブツ呟いている。傍から見ると中々不気味である。
「さぁ、待っていなさい脱獄囚!精々簡単に壊れないで下さいね。」
そう言うと男は空を飛び脱獄囚を探し始めた。




